【ソフト】

コンポーネントによる機能拡張に本格対応し、拡張コンポーネント集も同時発売
今後はいままでより短周期で機能強化していく方針

　株式会社ジャストシステムは、ワープロソフト「一太郎」の新バージョン「一太郎 8/R.1 for Windows95/NT」（以下、一太郎8、標準価格40,000円）と、拡張コンポーネント集「一太郎8 バリューパック」（標準価格6,000円）を2月に発売する。なお、従来の一太郎ユーザー向けに両製品をあわせて8,000円の優待販売も行われる。

　一太郎8は、日本語入力システムの新バージョンである「ATOK11」を搭載している。ATOK11では、AI変換機能の強化により漢字変換の効率が向上しているほか、マウスによる入力が可能なソフトウェアキーボードも搭載された。一太郎8のワープロ機能としては、処理の高速化や操作性の改善などが行われているという。また、一太郎7で導入された「コンポーネント技術」を使った機能拡張も実現されており、今春発売予定の表計算ソフト「三四郎 2」のコンポーネントを先取りした住所録機能なども搭載している。なお、今後も機能拡張用のコンポーネントが発売される予定となっているが、これらは、全て一太郎8用で、一太郎7用は発売される予定が無いという。

　このほかインターネット向けのソフトとして、ネットスケープナビゲーター3.0やJavaアプレットにも対応した同社開発のWebブラウザ「JustView 2.0」、Webページの自動巡回ソフト「Just Diver 1.0」、JustNetと接続中に「時事通信ニュース速報」などを表示できるテロップ表示ソフト「Just InfoRunner」などが付属している。また、一太郎の文書ファイルをWebブラウザから閲覧することができるネットスケープ用プラグインも付属する。

　なお一太郎8は、他社のワープロソフトユーザー向けに20,000円の乗換版が発売され、1月17日以降に一太郎7を購入したユーザーを対象に、2,000円での有償アップグレードも行われる。

　一方、同時発売される拡張コンポーネント集「一太郎8 バリューパック」には、前述した一太郎8の拡張用コンポーネントのほかに、同社が開発したフォトレタッチソフト「デジパレ1.0（仮称）」や和英/英和/国語などの辞書、1,200点のイラストデータ集などが収録されている。これらのソフトは単体でも動作する「デジパレ1.0（仮称）」を除いて一太郎8専用となっている。

　同社では、昨年7月にWindows 95に対応した「一太郎7 for Windows95」を発売し、12月にはWindows NT4.0などへの対応を中心とした「一太郎7 /R.2 for Windows95」をリリースしたばかり。今回のバージョンアップについて編集部で確認したところ、「一太郎7の開発が遅れたため、結果的に短期間でのバージョンアップとなってしまった」とのコメントを得た。また、今後の方針として「競争などを考慮し、今までより短い周期で様々な機能向上を図っていく」としており、具体的には今後提供する予定のSGML対応用コンポーネントを無償公開することも検討しているという。昨年の一太郎7の発売以来、マイクロソフトが新しい日本語入力システム「IME97」を発表するなど、ワープロソフトの競争が激化しており、競争の今後にも注目される。

【一太郎8 付属ソフト一覧】

• ネットスケープナビゲーター3.0日本語版
• WWWブラウザ「JustView 2.0」
• 自動巡回ツール「JustDiver 1.0」
• 電子メールソフト「JustMail 2.0」
• テロップ表示ソフト「Just InfoRunner」

('97/1/9)

[Reported by suzuki-k@impress.co.jp]