【イベント】

WORLD PC EXPO 96レポート

Macintosh関連製品をチェック

'96/9/4~7 幕張メッセにて開催

連絡先:
WORLD PC EXPO事務局 03-5210-8287

 「PC」EXPOといっても、数は少ないものの、Macintosh関連製品も出展されている。その中で気になったものをいくつか紹介していこう。


Mac用互換機、UMAX製とDAYSTAR製

UMAX Pulsar 1800
どうせ買うならもう少し待って、604e搭載モデルがおすすめ
    入場口から見て左の奥に「Apple Publishing Pavillion」があり、Mac関連製品はこのあたりに集中している。やはり今でもDTPワールドはMac独走の世界なのだ。この6番通路付近でまず目についたのが、ユーマックス・ジャパンのMac互換機。現在発売しているのはUMAX Pulsar 1500で、Power PC 604 150MHz、2次キャッシュ512KB、メモリはオンボード16MB+8つのDIMMスロットで最大1,040MBまで増設可能、PCIスロット×6本という仕様になっている。もちろん漢字Talkは標準搭載。まあまあのスペックなのだが、これから発売されるUMAX Pulsar 1800(写真)のほうは、基本仕様は1500とほぼ同じだが、こちらはCPUが「604」ではなく「604e」の180MHzを搭載する。9月末の出荷予定で店頭価格でPulsar1500より3~4万円ていど高いくらいというから、やはり1800の発売を待つほうがよさそうだ。展示はなかったが、604e 200MHzを搭載するPulsar 2000も、Pulsar 1800より3~4万円高で10月上旬に出荷される予定。3機種ともオープンプライスだが、Pulsar 2000でも60万円を切る価格で秋葉原のショップなどで購入可能とのこと。

連絡先:ユーマックスジャパン(株) Tel. 03-5401-3156

GenesisMP
こちらは業務用におすすめの、Genesis MP 4プロセッサーモデル
    丸紅ブースでは、DAYSTARの業務用高級Mac互換機、GenesisMPが展示されていた。2プロセッサーモデルのGenesisMP360+は9月末まで698,000円のキャンペーン価格となっているが、4プロセッサーモデルは604e 180MHzモデルが128万円、604e 200MHzモデルが148万円と個人ではなかなか手が出ないお値段だ。GenesisMP360+の仕様は、CPUは604e 180MHz、2次キャッシュ512KB、DIMMスロット12基、3.5インチドライブベイ7つ(うち1つはCD-ROM内蔵)、SCSIは内蔵と外付けと2つあり、内蔵はFast SCSIとなっている。HDD、メモリは標準では搭載していない。

 ちなみにパイオニアも出展していたが、Mac互換機は製造終了で次の予定はないとのこと。やはり、互換機は純正より速くないとあまり売れないのだろうか。

連絡先:丸紅エレクトロニクス(株) システム機器部 Tel.03-5634-3662


PowerPCグループのブースでは、PRePとCHRP対応ハードを展示

CODE NAME=YOSEMITE
PowerPCプラットフォーム対応のマザー、コードネームは「YOSEMITE」
   PowerPCグループのブースでは、モトローラがPowerPC プラットフォーム(PowerPC Microprocessor Common Hardware Reference Platform、略称:CHRP)に対応したマザーボードを2種展示していた。またCHRPの前の規格であるPReP(PowerPC Reference Platform)に対応したカードを搭載し、Windows NT 4.0(英語版、PReP対応版)とMacintosh OSのブートセレクトができるというデモを実演していた。PreP対応カードも、CHRP対応のマザーも、いずれも参考出展。
 しかしブートセレクトするくらいなら、MacとNTのマシンをそれぞれ1台買うほうが便利な気もするのだが……。

□PowerPC プラットフォーム白書および仕様書入手先:
Apple Computer http://chrp.apple.com/
IBM Microelectronics http://www.chips.ibm.com/
Motorola http://www.mot.com/PowerPC/


ちょっと気になった業務用カード2点

 ラディウスブースでは、「Thunder 3D」カードが参考出展されていた。高速QuickDraw処理とともに、QuickDraw 3Dに特化したさまざまな機能をサポート。アクセラレータチップには3D Lab社の500TXを搭載し、3つのポートを持つメモリアーキテクチャを採用。VRAMは8MBデュアルポートVRAMを搭載、表示色数は10億色を超えるカラーパレットをサポート、と豪華なスペック。気になる価格と発売時期は、あくまで予定だが「10月発表、11月出荷で価格は目安として50万くらいを想定している」とのことで、CD-ROMタイトルやDTVなどをお仕事で作っているプロフェッショナル用。

 あとひとつ、「おっ」と思ったのが丸紅エレクトロニクスブースのMacintosh用ISDNカード、「Leonardoシリーズ」。ISDNのBチャネル4本を束ねた256Kbps接続サポートのLeonardoXL-PCI/LeonardoXL(NuBus用)が240,000円、Bチャネル2本を束ねた128Kbps接続をサポートするLeonardoSP-PCI/LeonardoSP(NuBus用)が168,000円。しかしこれはMacintoshプリプレス用の製品で、標準でできるのはPoint-to-Pointの2点間のファイル転送のみ。インターネット接続は別途LeoTCPというソフトが必要で、しかも64Kbpsまでということで、ちょっと残念。

Leonardoシリーズ連絡先:丸紅エレクトロニクス(株) システム機器部 Tel.03-5634-3662


 Macintoshでは本体を買えばふつうの人はそれでほとんどの用がすんでしまうので、拡張カードやデバイス類は相変わらずプロ用途の高価なものが多く、個人で楽しめるようなものがあまりなくて寂しい。ソフトウェアもプロ用のCADや3D、DTVなど、プロユースに偏っている印象がある。PC EXPOに来場するMacユーザーというのは、やはり業務の人が多いのだろうか。

('96/9/6)

[Reported by hiroe@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp