【業界動向】
ソフトバンク、米Kingston Technologyの買収を発表
'96/8/16 発表会開催
昨日明らかになったソフトバンク株式会社の、米Kingston Technology社の買収につき、記者発表会が行なわれた。
会場のロイヤルパークホテル春海の間には、多数の記者がつめかけ、エキストラのイスも足りず立ち見がでる混雑ぶりだった。発表は、ソフトバンクの孫社長のひとり舞台であり、30ページにおよぶプレゼンテーション資料をもとに、今回の買収がいかに高度で有効な手段であることを強く訴えた。プレゼンテーション資料中には、日本での知名度の低いKingston社のデータを、日本での同業企業であるメルコ、アイ・オー・データ機器と直接比較するなど挑戦的な部分もみられる。
Kingston側からは社長のJohn Tu氏と、副社長のDavid Sun氏が列席したがいくつかの質問に答えたのみで、ソフトバンクがKingstonの発展に必要なパートナーであることを強調するにとどまった。
【孫社長の発表要旨】
- Kingstonは、メモリ分野では“圧倒的なNO.1”企業であり、高い信頼とシェア(企業向けでは60%以上)を得ている
- Kingstonは、工場を持たないファブレスメーカーであり、有形固定資産はわずか5億であり、テクノロジーサービスが主な業務である。したがって、これまでのソフトバンクの路線からはずれるものではない。
- DRAM価格が下がっても、Kingstonの利益は増加しており、むしろ追い風となっている。
- ソフトバンクが買収する企業は伸び盛りの“実体のある利益”を生み出す企業であり、一時的に業績が上がった企業を買って利益と株価を上げるのが目的のバブル状態ではない。
- 今回の買収は、最初はKingston社の製品を日本で売ることを目的に、わたし(孫社長)が訪問したのをきっかけだった。今後はそれだけにとどまらず親密なパートナーとして行動をともにしたい。
- 今回の買収も含めて有利子負債金額は2,256億(8/15現在)となるが、7年で完済の予定である。金額の大きさにおどろくかもしれないが、一般の人が7年のローンで家を買うことをかんがえれば、たいしたことではないことがわかるはずだ。
ソフトバンクのニュースリリース
('96/8/16)
[Reported by date@impress.co.jp]
ウォッチ編集部内PC Watch担当
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