【法林岳之の非同期通信レポート】

法林岳之の非同期通信レポート 第2回

Windows World Expo '96で見つけた注目ハードウェア第2弾


●注目の高機能PCMCIAカード

Windows95が標準でPCカードをサポートしたことにより、PCカードのバリエーションが増え、新規格に対応した製品もかなり早く登場するようになった。


33.6Kbpsモデム100base-T card
 まず、昨日の記事でもレポートした33.6Kbps対応モデムは、いち早くTDKDF3314EX(3万9800円)という製品を発売している(写真左)。現時点では33.6Kbpsに対応したインターネットプロバイダやBBSがほとんどないため、カタログにもその旨の注意書きが加えられている。しかし、規格が勧告される前にPCカードで登場した点は注目に値する。ノートパソコンの好調な売れ行きやモービルコンピューティングの流行を反映した結果だろうか。ちなみに、TDKのブースでは100BASE-TX対応のLANカードLAK-CB100Xも展示されていた(写真右)。


RATOC ISDN card100base-T card  
国内ではTDKに次いでPCカード製品を充実させているラトックシステムは、非同期V.110/38.4Kbpsと同期64Kbps(非同期/同期PPP変換機能付)をサポートするPCMCIA TypeII準拠のISDNカード(写真左)を参考出品していた。対応機種はIBM PC/AT互換機やPC-9800シリーズだけでなく、Macintosh PowerBook5300シリーズにも対応している。

 一方、国内では最も古くからモデムを販売していたアイワもPCカードモデムの新製品を参考出品していた。最も注目したいのは、V.34対応28.8Kbpsモデムと10BASE-T準拠のLANカードの機能を1枚のPCカードにまとめたPV-JE2810(写真右)だ。同様の製品は米国MegahertzXJ-EM3288Tなどが知られているが、国内ではこうしたマルチファンクションタイプのPCカードはほとんど販売されていなかった。東芝のLibretto20のように、PCカードを1基のみ装備するノートパソコンなどには有用なアイテムと言えるだろう。アイワではこの他にも、28.8Kbps対応PCカードモデムの新製品PV-JF2882を出品していた。


netXpand ROUTEMAN 
PCカードの製品というわけではないが、PCカードを有効活用する製品として面白そうなのが、NTTインテリジェントテクノロジが参考出品していたnetXpand ROUTEMAN(写真)だ。この製品はルータとしての機能に加え、4ポートの10BASE-Tのハブを備えているが、ISDNカードやPCカードモデムが装着できるPCMCIA TypeIIスロットを1基装備している。同社ではこの製品を10万円を切る価格で提供したいとしており、PCカード資産を有効活用する製品として注目できる。

●モデムからRS-232Cケーブルが消える?

Irモデム
   通常、デスクトップ機でモデムを利用するときは、パソコン本体とモデムをRS-232Cケーブルで接続する。しかし、ケーブルの取り回しが面倒な上、ノートパソコンなどと併用するときは、さらにケーブルとつなぎ換える必要があった。
 メガソフトが参考出品していたIrモデムは、モデムの前面にIrDA準拠の赤外線通信ポートを備えたもので、RS-232Cケーブルなしにパソコンとの接続を可能にしている。モデムの背面にはRS-232Cコネクタも備えているが、PDAやノートパソコンで通信をするときは、Irモデムの前に設置するだけで使えるようになるわけだ。
 また、昨日のレポートに掲載した33.6Kbps対応モデムだが、ダイアモンド・マルチメディア・システムズが発売するSupraブランドの28.8Kbpsモデムも33.6Kbpsへのアップグレードをアナウンスしていた。アップグレードに関する情報は、同社のWWWサーバーやFAX情報サービス(03-3552-1300)でアナウンスされる予定となっている。

[Reported by 法林岳之]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp