【イベント】

「'96 TELECOM JAPAN」会場で
PHS 3社に取材

PHS、来年春には32Kbps対応

写真左:DDIブースで展示されていた、データポートを備えたPHS端末とPHS端末用のPCカード(ともに東芝製)
写真中央:アステルのブースに展示された6月末発売予定のシャープ製の端末。名刺よりややタテ長サイズで厚さ15mmくらい。カラーが13色用意されている
写真右:NTTパーソナルのブースでは、85gという軽量で人気の202Sが14,800円で販売されていた


 「'96 TELECOM JAPAN」会場でPHS 3社に取材したところ、32Kbps対応は来年春、3月から4月になる見込みとのこと。また、32Kbps対応の端末は秋の展示会などでお目見えし、早ければ来年1月~2月頃に発売されるようだ。

 アステル東京では、「32Kbpsでの有線・無線部分の物理的な仕様も決まったし、プロトコルもほぼ決まったので、現在は各メーカーでものを作っている段階。ただし、各社ともNTTのISDN網を使っており、ISDN網での対応がある程度できるのが来年3月~4月ころの見込みなので、それ以前に端末を発売するメーカーがあるかもしれないが、実際サービスが開始するのはその時期になるだろう」とのこと。PHSカードについては、「日本電装さんでTYPE IIIのものをすでに出しているが、チップは1つか2つ程度にできるはずで、32KpbsのPHSカードはTYPE IIで出てくるだろう」という。また、「実際の利用を考えると、プロバイダーやパソコン通信事業者などで対応してくれないことには意味がないので、そうした面も整備する必要がある」とのことで、プロバイダーなどの対応時期も気になるところだ。

 DDIブースでも話を聞いたところ、やはり32Kbpsのサービスは来年春とのこと。「プロトコルで、最後のエラー訂正の部分が4月末に決まったので、現在はメーカー各社で製品を開発している。今年秋の展示会には参考出品などの形で、各メーカーの端末が出展されるだろう」とのことだ。PHSカードについては、「メーカーはどこも開発はしているはず。ただ、おそらくデータ通信だけをしたいユーザーというのはごく一部に限られ、ほとんどのユーザーはデータ通信をしていないときは電話として使えるものを求めていると思う。したがって当初出てくるのは、PHS端末にデータポートがあって、そこにPCカードを接続して使う形のものになるだろう」ということだ。PHSカード単体で、カードを差せば通信できればラクだと思うが、「基本料金はそうしたものでも同じようにかかりますよ」といわれると、たしかに需要は少ないだろうと思わざるを得ない。
 NTTパーソナルでは、「まだはっきりと時期は決まっていない」ということで、詳しい話は聞けなかったが、アステルで話を聞いたとおり、PHS 3社で対応時期に差が出るということはないようだ。また、NTTのISDN網である程度対応ができたところでサービスを立ち上げる方向とのことで、サービス開始当初は、32Kbps通信が利用できないエリアがかなりあることも予想される。

 最後に、気になる32Kpbs通信利用の料金だが、「まだ決まっていないが、やはり広く利用していただくことを考えると、そう高い料金にはならないだろう(DDI)」ということで、32Kbps通信では通常の通話料金と別の料金体系が設けられる可能性もあるようだ。

('96/6/6)


[Reported by hiroe@impress.co.jp]


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