NEW PRODUCTS TESTREPORT

	フリーウェイ
	Xcute ST1700
	100,000円を切ったPentium 4 1.7GHz搭載機
	TEXT：橋本新義　Shingi Hashimoto

5インチベイは計四つと余裕がある。またバックパネルにはサウンドとEthernet端子を備える

　急速な低価格化とさまざまなコスト削減策によって、Pentium 4をメインストリームに据えようとするIntelが、新たなメインストリーム向けチップセットとして発表したのが、Intel 845だ。

　Intel 845は安価なPC133 SDRAMが使用可能で、マザーボード自体も基本的に4層設計となるため、高価なRDRAMと6層設計のマザーボードを使用することが多いIntel 850搭載機と比較してシステムのコストを抑えることが可能だ。このIntel 845搭載マザーボードと、近頃価格の下落が激しい1.5～1.7GHzクラスのPentium 4を組み合わせることで、Pentium III 1.0BGHz搭載機と同等の価格でPentium 4搭載機を実現できるため、ミドルレンジマシンでPentium 4の使用が可能となる。

　こうしたIntel 845の狙いを最大限に活かしているのが本機だ。CPUにはSocket 478版のPentium 4 1.7GHzを採用、メインメモリも256MBと十分な容量が搭載されつつ、その価格は99,800円という低価格を実現している。もちろん、このクラスであれば、Pentium 4のアーキテクチャが比較的苦手とするオフィス系アプリケーションでも、十分な性能を発揮する。

低価格機といえども、内部増設カードを固定するための支柱が用意されている辺りにメーカーのこだわりが感じられる

　本機の特徴は、システム構成がシンプルな点だ。マザーボードにIntel純正のD845WNLを採用することで、サウンド機能と10Base-T/100Base-TX対応のEthernet機能をオンボードで実現し、拡張カードはビデオカードのみとなっている。こうしたオンボードデバイスは正直なところ機能的にもの足りないものも多いが、昨今のIntel製マザーボードの場合は、安価な増設カード以上の品質となっているので、十分使い物になるのがうれしい。とくに本機の場合、オンボードサウンド機能の品質は一、二を争うと言ってもよいレベルだ。

　ビデオカードはnVIDIAのRIVA TNT2 M64を搭載したSparkleのSP5300と、コスト重視の選択となっている。M64自体は3D処理やDVD-Videoなどの動画再生などにはやや性能不足だが、余裕あるCPUパワーを活かし、1,024×768ドット程度の画面モードであれば、多くの処理である程度満足できる性能を発揮する。結果的には、なかなかうまい組み合わせと言えるかもしれない。

　ドライブ類は、HDDにMaxtor製4W040H3を採用。これは、容量40GB、5,400rpmの製品で、定評ある静音性が魅力だ。そして光学ドライブはNECの16倍速DVD-ROMドライブDV-5800Aを採用しており、これとプリインストールされるサイバーリンクのソフトウェアDVDプレイヤー、PowerDVD VR-Xを組み合わせることで、DVD-Video再生が可能となっている。

5インチベイ、3.5インチベイにはスライド式の固定器具が採用されているので、ドライブ類をネジ止めする必要がない

　そして見逃せないのが、XcuteシリーズのPentium 4搭載モデル共通となっているアルミケースだ。5インチベイ4基という拡張性の高さと、サイドパネルの開閉に手回しネジを採用し、ドライバーレスで内蔵ドライブを交換できるメンテナンス性の高さ、そしてアルミケースならではの軽さは、デバイスの増設、交換などの作業を非常に楽にしてくれる。本機のターゲットの一つと思われる、筐体を開けることに慣れていない初心者ユーザーにこそうれしい装備と言えるだろう。

　Intel 845搭載機の中ではスペック的にベーシックなXcute ST1700だが、総じて見ると低価格機としては全体的なバランスが非常に優れている。安定性とオンボードデバイスの性能に優れるマザーボードを選び、機能を絞らずに低価格を狙うというコンセプトの本機は、安心して使用できる初心者向けのファーストマシンとして、またマニア向けの手堅いセカンドマシンとしての両方に対応できる、おもしろい性格を持ったPCだ。