NEW PRODUCTS TESTREPORT

	アドテック
	AD-RW1210U/MP3
	単体でのMP3再生に対応した外付けCD-R/RWドライブ
	TEXT：藤本 健　Ken Fujimoto

ボディは青と白のツートンカラーを採用し、すっきりとした印象を受ける。丸みを帯びた独特のデザインもおもしろい

　アドテックのコンパクトMP3プレイヤー「MPIO」が好評だが、そのMPIOに続き、またMP3関連のちょっとユニークな製品が発売された。

　「AD-RW1210U/MP3」という製品がそれだ。本製品は、見た目のとおり外付けタイプのCD-R/RWドライブで、PCとのインターフェイスにはUSB 1.1を採用している。

　スペックは、CD-R書き込み8倍速、CD-RW書き換え8倍速、CD-ROM読み出し8倍速と、USBドライブとしては一般的なもので、ドライブにはティアック製のものが採用されている。BURN-Proofにも対応しているため、8倍速での書き込み中にUSBの転送が多少遅くなっても問題なく書き込むことができて安心だ。

付属のB's Recoder GOLDは、親切なメニューが付いているので、初心者でも簡単にCD-Rの作成ができる

　ライティングソフトはB's Recoder GOLDが付属しているので、本当にごく普通のCD-R/RWドライブとして利用できる。

　しかし、この製品は単なるCD-R/RWドライブではない。AD-RW1210U/MP3という名称からも分かるように、MP3機能を装備したドライブだ。具体的に言うと、これはCDプレイヤー兼MP3プレイヤーとして利用できる製品なのだ。

　現在数多くのメーカーからCD-R/RWメディア対応のMP3ポータブルプレイヤーが発売されているが、AD-RW1210U/MP3も、そんなプレイヤー機能を持っている。ただし、これはACアダプタを100Vの電源に接続して使わなければならないため、ポータブルというわけではなく据置型のMP3プレイヤーだ。持ち運びができないMP3プレイヤーにどれだけのニーズがあるのかは分からないが、考えてみれば据置のMP3プレイヤーはほとんどなかったように思う。しかも、本ドライブ単体で書き込みもできてしまうので、なかなか便利だ。

MP3プレイヤーを操作するためのリモコン。大きさは非常に小さく、横幅は約30mmしかない。曲名などを確認する表示部がないのが残念だ

　実際にMP3プレイヤーとして使うためには、ドライブ背面のスイッチをUSB側からMP3側に切り換える必要がある。こうすることによってMP3プレイヤーに切り換わるのだ。この状態ではUSB機能、CD-R/RWドライブ機能を失うため、PCとの接続はできない。では、どうやって操作するのかと言うと、MP3プレイヤー機能を操作するためのリモコンが付属し、これを用いて行なうのだ。

　このリモコンには九つのボタンが用意されており、再生、停止といったことはもちろん、ボリュームの大小、ミュート機能などが付いている。それとともに、FOLDER、SONGという項目に二つずつのボタンが配置されている。SONGを用いることで、曲を一つずつ進めたり戻したりすることができ、一方のFOLDERは再生するフォルダを一つずつ進めたり戻したりするものだ。

　フォルダは、最大で8階層、1,023フォルダまで扱え、計511曲まで選曲することができる。そのため、アルバムごとにフォルダにまとめて管理すれば、比較的簡単に選曲することが可能になるはずだ。ただし、リモコン側にもプレイヤー側にも液晶などの表示部分がないため、現在演奏中の曲名を見たり、曲名を頼りに検索したりといったことはできない。また、曲の選曲順はフォルダの階層順となっている。

本体背面にはMP3プレイヤー用のヘッドホン端子、LINE OUT端子などを搭載している

　インターフェイスはLINE OUT(RCA)端子のLとRに、ヘッドホン端子も用意されているので、気軽に再生することができる。もし、部屋にステレオコンポなどがあれば、そのAUX入力にAD-RW1210U/MP3の出力を接続してしまえば、PCの電源を入れていなくても再生できるMP3オーディオプレイヤーとして活躍してくれるはずだ。

　ちなみに、対応しているMP3データのbitレートは、8kbps～320kbpsなので、ほとんどどんなMP3データでも再生できるだろう。また、キャッシュバッファを96KB搭載しているので、仮に128kbpsのMP3データを再生している場合に大きな振動があっても、約6秒間は音切れなしに再生することが可能だ。