←RDF171H ↑今月のインデックスへ MP9200A→

NEW PRODUCTS TESTREPORT

松下電器産業
LF-D321JD
DVD-RとDVD-RAMが利用できるコンボドライブ
TEXT:北川達也 Tatuya Kitagawa


DVD-RAMメディアはカートリッジ付き、カートリッジなしの両方に対応している
 ここ数年でDVD-Videoの普及が急速に進み、市販のDVDプレイヤーと高い互換性を持つDVDメディアを作成できるDVD-R/RWに対応した製品の登場を待っていたというユーザーが急増している。とくに最近では、テレビチューナー付きビデオキャプチャーカードを搭載したPCも多くなるとともに、家庭用のDVカメラも相変わらずの人気で、これらによって蓄積された映像をコンパクトなディスクメディアに保存したいという需要が年々高まっていることは間違いない。

 今回紹介する松下電器の「LF-D321JD」は、まさにそういったユーザーのニーズに対応した製品である。DVD-RAM Ver.2.1とDVD-R for Generalという、書き換え型、書き込み型のDVD規格に対応しながら、DVD、CDの読み出しも可能な世界初のDVD-RAM/Rドライブとして設計されている点が、その最大の特徴だ。実売価格も、50,000円前後と一昔前のCD-R/RWドライブ並みのアグレッシブな価格を実現している。


インターフェースは一般的なATAPIのため、多くの機種に搭載することが可能だ
 本製品は、PC用のデータの記録にはDVD-RAM機能を使用することでMOと同様の使い勝手を実現し、市販のDVDプレイヤーとの互換性の確保を図りたい場合には、DVD-R機能を使用することができるように設計されている。つまり、両方の規格をそれぞれの用途によって使い分けることで、ユーザーにとって便利な環境を提供するというわけである。

 書き込みに使用できるメディアは、DVD-R機能を使用する場合でDVD-R for Generalに対応した4.7GBのメディアが使用でき、DVD-RAM機能を使用する場合は、カートリッジの有無に関係なく片面2.6GB/両面5.2GB、片面4.7GB/両面9.4GBのメディアが使用できる。カートリッジから取り出した状態であれば片面1.4GB/両面2.8GBの8cmメディアも使用可能だ。

 また、この製品は、映像の保存先としてのDVDをかなり意識したパッケージとなっているという点も特徴の一つである。とくに、同社から発売されている家庭用のDVD-RAM/Rレコーダ、DMR-E20との連携を考慮しており、それを目的としたソフト、DVD-MovieAlbumが付属する。


カートリッジなしメディアはDVD-RAMのフォーマットユーティリティで使用可能な設定にすることができる
 このソフトは、DVD-Video Recording Format(以下、VRフォーマット)に対応したソフトで、VRフォーマットで記録されたメディアの再生や編集、映像データからの静止画の作成、DVD-Videoの作成に使用できるMPEG-2ファイルへのコンバートなどを行なうことができるものだ。対応したハードウェアMPEG-2エンコーダ(現在のところアイ・オー・データ機器のGV-MPEG2/PCIのみ)を使用することで、DVD-RAMに対してVRフォーマットによるリアルタイム録画を行なうといったことも可能である。

 もちろん、これで録画した映像は、DMR-E20などのDVD-RAMに対応したDVDレコーダ/プレイヤーで再生することができる。これ以外にも、DVキャプチャに対応したビデオ編集ソフト「MotionDV STUDIO 3.0J LE」、ソフトウェアDVDプレイヤー「WinDVD」、DVD-RAM用バックアップソフトなども付属している。


DVD-MovieAlbumの起動画面。このソフトを使用することでVRフォーマットの活用が可能となる
 DVD-Videoを作成する場合は、標準添付されるオーサリングソフト「DVDit! LE」を使用する。また、この製品は、1MBのバッファしか搭載されていないが、バッファーアンダーラン対策機能が搭載されているので安心して書き込みを行なうことが可能だ。実際に、DVD-Rの1倍速よりもデータ転送が遅い、無線LANで接続されたマシンを使用してネットワーク経由でデータを書き込んでみたが、正常に作業を行なうことができ、作成したメディアはDVDプレイヤーで正常に再生できた。

 LF-D321JDは、DVD-RAMを活用するためのソフトも多く付属し、コストパフォーマンスに優れた製品である。唯一足りないものがあるとしたら、PC用のデータを書き込むのに必要なライティングソフトが付属しないことだろう。DVD-Rドライブとして活用したいと考えているユーザーは、PrimoDVDなど別途ライティングソフトを購入する必要があるので注意が必要だ。


・製品名:LF-D321JD
・標準価格:67,000円
・メーカー:松下電器産業株式会社
・問い合わせ先:03-5821-3180
・URL:http://www.panasonic.co.jp/
・インターフェース:ATAPI
・書き込み速度:DVD-RAM最大2倍速、DVD-R等速
・読み出し速度:DVD-RAM最大2倍速、DVD-ROM最大6倍速、CD-ROM最大24倍速
●平均シークタイム
 ・DVD-RAM:75ms
 ・DVD-ROM:65ms
 ・CD-ROM:65ms
・バッファサイズ:1MB
・本体サイズ(W×D×H):146×196×41.3mm
・重量:約1.1kg
・対応OS:Windows Me/98/2000

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□松下電器産業のホームページ
http://www.panasonic.co.jp/
□製品情報
http://www.pcc.panasonic.co.jp/p3/products/drive/dvdram/lfd321jd/
□関連記事
【5月29日】松下、世界初のDVD-R/DVD-RAM兼用ドライブ「DVD-RAM/R」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010529/pana.htm


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.