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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
日本HP | ||
hp omnibook xe3L | ||
モバイルAthlon 4 1GHzを搭載したハイパフォーマンスノート | ||
TEXT:中嶋敦司 Atsushi Nakajima |
余裕あるキーボードまわり。タッチパッドの上に位置するのは、カーソルの誤動作を防ぐタッチパッドロックボタン |
モバイルAthlon 4は、従来のAthlonに採用されていたThunderbirdコアとは異なる新設計のPalominoコアを採用しており、1.4Vでの駆動が可能なほか、電源の状態やCPUの負荷によってコア電圧と動作クロックが自動的に切り換えられるPower Now!テクノロジに対応することで省電力性能の強化が図られている。
処理性能の面から見ると、SSEとの互換性を持った3DNow! Professionalやハードウェア分岐予測の採用により、高い処理能力を実現している。モバイルPentium III 1GHzと同等以上の処理能力と省電力性を比較的安価に入手できるようになったわけだ。
本体左側面部には、FDDと2基のType2対応PCカードスロットが用意されている |
本体背面部には、デュアルディスプレイにも利用できるディスプレイ端子のほか、ビデオ出力端子も存在する |
また、ビデオチップにはTridentのCyberBlade XPが採用されている。このチップは3D性能こそあまり高くないものの、十分な2D描画性能を持ち、デュアルディスプレイにも対応しているので、本体の液晶ディスプレイを見ながら、背面のディスプレイ出力端子にプロジェクタなどを接続してプレゼンテーションを行なったり、自宅でCRTに接続してゲームを楽しんだりといったことも容易である。
実際に使用してみると、やはりモバイルAthlon 4 1GHzの処理能力による快適な操作感が印象的だ。Windowsの起動は高速で、Internet Explorer 5.0でのWeb閲覧やAcrobat Reader 4.0によるPDFファイルの閲覧も快適に行なうことができた。
ただし、今回試用した試作機は、SSE互換機能を使用しない設定になっていたようで、3DMark2001やSandra2001 seでSSEを使用することができなかった。そのため、この機能を使用する際には、H.Oda!氏作のAthlon 4/SSE Controlなどを使用して設定を切り換える必要があった。
本体右側面には、24倍速CD-ROMドライブと、モデム、LANポートを備える |
筐体サイズが大きいため、キーボードまわりの設計には比較的余裕があるのだが、“無変換”や“Windows”キーのような比較的使用頻度の低いキーの幅を狭くし、スペースキーや左Ctrlキーの幅を大きめに確保している辺りは好感が持てる。しかし、カーソルキーはやや小さく、このサイズに抵抗を覚える方がいるかもしれない。
モバイルAthlon 4という最新CPUを採用した本機だが、その完成度は高く、ビジネスモデルとしてそつなくまとまった印象を受ける。228,000円という価格も、モバイルPentium III 1GHzクラスのCPUを搭載したオールインワンモデルとしては比較的安価と言えるだろう。実用的なハイスペックノートPCが必要な場合に、おもしろい選択肢となりそうな1台だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□日本HPのホームページ
http://www.hp.com/jp/
□製品情報
http://www.jpn.hp.com/biz/products/notebook/product/xe3_model_price.html