これらの機種は、いずれもなかなか個性的であり、デザイン的も千差万別で好みによって選べる。また、操作性に関しては、いずれの機種もあるレベルには達している。

　一方、最新機種だけに、画質に関しては、一応のレベルに達している。とはいえ、実際に比較してみると、意外なほど大きな違いがあるもの。いずれも200万画素クラスだが、実質的な解像度も異なる上、色再現性やホワイトバランスの制御といった点では、まだまだメーカー間での差が明確にみられる世界といえる。

　今回掲載するのは、下記の5機種。

・「キヤノン PowerShot A20」(1/2.7インチ211万画素・光学3倍ズーム・実販40,800円)
・「キヤノン IXY DIGITAL200」(1/2.7インチ211万画素・光学2倍ズーム・実販54,800円)
・「三洋電機 DSC-MZ1」(1/1.8インチ211万画素・光学2.8倍ズーム・実販49,800円)
・「ソニー Cyber-shot DSC-P50」(1/2.7インチ211万画素・光学3倍ズーム・実販44,800円)
・「富士フイルム FinePix50i」(1/1.7インチハニカム240万画素・単焦点レンズ・実販59,800円)

実売価格は7月6日現在 ヨドバシカメラ調べ

　いずれのモデルも、JPEG圧縮でもっとも圧縮率が少ないモード(Fineモードなど)で撮影。

　屋外カットは、なにもカメラの設定を操作しないフルオートモード(オートホワイトバランス・露出補正なし)で撮影した。

　このカットでは、遠景の細部の描写や色再現性も違いを知ることができる。とくに、青空や緑などは、カメラによって再現性に違いが感じられる。また、ズームのテレ/ワイド両端で撮影を行なっているため、ズーミングしたときの写る範囲の違いを知ることもできるだろう。

　人物カットでは、光源は窓際での拡散した太陽光のみで撮影。この条件で、各機種の標準設定である「オートホワイトバランス」での撮影と、太陽光で正常な色再現性が得られる「デーライト」設定。さらに、ストロボを強制発光させて撮影したカットを掲載した。

　このカットでは、各機種の肌色の描写の違いを明確に感じることができる。また、オートホワイトバランスの制御の違いも意外なほど大きなポイントといえる。

　なお、今回の5機種のなかでは、「FinePix 50i」のみが、同社独自の「スーパーCCDハニカム」を搭載しているため、実画素数は240万画素であり、出力画素数は432万画素相当となっている。また、レンズも単焦点タイプを採用している。

　そこで今回は、他のズーム機との条件を揃えるため、このモデルを200万画素相当となる1,600×1,200ピクセル出力に設定し撮影した。このモードでは約1.5倍のデジタルズーム機能が利用できるため、屋外の望遠側や人物カットは、デジタルズームを使い撮影している。

　以前ほど、機種間での画質の違いがなくなりつつある昨今だけに、デザインや機能を中心に機種を選ぶケースが増えているが、実際に比較してみると、その写りの違いは意外なほど大きなものがある。そのため、機種選びのさいには、これらの実写比較も参考に、自分の目的にあった、最良のパートナーをぜひ見つけて欲しい。