プロカメラマン山田久美夫の

最新デジタルカメラ 実売価格別ランキング
(2001年7月6日版)



●39,800円以下
機種候補

 このクラスは価格が手頃で、しかもバリエーションに富んだラインナップが揃っている、なかなか魅力的な価格帯。初めてデジタルカメラを購入する人はもちろん、サブ機や常用機を含めてランキングを作成した。

●おすすめランキング
順位 機種名 コメント
1 キヤノン
Powershot A10
(実販39,800円)
 キヤノンPowershotシリーズのローエンドモデル「A10」。130万画素モデルながらも、光学3倍ズームを搭載しており、外観デザインも普通のコンパクトカメラ的で、デジタルカメラを初めて使う人でも違和感なく扱える点が大きな魅力。際だった特徴は少ないが、とてもバランスのいい一台だ。

 CCDは211万画素の「A20」と同じ1/2.7インチタイプを採用。レンズは「A20」と同じ光学式3倍ズームを採用しており、使い勝手もいい。
 ボディーはやや大きめで、質感も価格相応という感じだが、それほど安っぽい感じはない。グリップがしっかりしている分、ホールド感はよく、ブレも少ない。動作もなかなか軽快。AFも速く、シャッターのタイムラグも短めだ。
 画質も、なかなか良好。本機はCCDは1/2.7インチと130万画素クラスの中でも大きめで、最近主流の1/3.2~3.6インチタイプのような高密度なものより画質や感度の面で有利だ。
 もちろん写りもなかなか良好。もちろん、解像度は130万画素なりのものだが、Lサイズ程度のプリントであれば、必要十分なクオリティーだ。また、肌色の再現性がいい点にも好感が持てる。
 電源は単三型4本で、旅先でも入手が容易。通常のアルカリ電池でも意外なほどバッテリの持ちがいいので安心感がある。
 また、「A20」同様、オプションで24.5mmレンズ相当のワイド撮影ができるコンバーターも用意されている。
 価格は実販39,800円。本機の場合、USBパソコン接続キットや画像管理・処理ソフトもきちんと同梱されたオールインワンパッケージのため、割安感もある。
 同じボディーを使った211万画素の「A20」との価格差が5,000円程度と小さいので、購入時にはやや迷うところもある。だが、本体価格が安い分、ダイレクトプリントを気軽に楽しめる名刺サイズ専用の昇華型プリンター「CP-10」とのセット「デジタルカメラフォトプリントキット CPK-A10」にして、家族で気軽にプリントまで楽しむのもいいだろう。

2 三洋電機
DSC-SX560
(実販39,800円)
 昨年秋に発売された150万画素の単焦点"動画デジカメ"「DSC-SX560」。

 このモデルは初代の「DSC-SX150」の進化モデルで、動作の軽快さという点では、現行モデルのなかでもトップといえるほどの機敏さを備えたもの。スペック的には、150万画素の単焦点タイプと、あまり見栄えはしない感じだが、一度使うと手放せなくなるような魅力を備えている。

 本機の魅力は、なんといっても、その軽快さ。とにかく起動が速く、メインスイッチ兼用のレンズバリアを開くだけで即座に撮影体制が整うので、シャッターチャンスを逃がしにくい。さらに、150万画素機ながらも秒間15コマもの超高速連写を実現。通常撮影でも、シャッターを押した瞬間に画像の保存まで完了していると思えるほどの俊足ぶりだ。
 さらに、"動画デジカメ"らしく、動画撮影機能も本格的なもの。とくに、640×480ピクセル(秒15フレーム)での動画撮影は画像が緻密で美しく、320×240ピクセルモードならビデオカメラと同じ秒間30フレームの滑らかなムービー撮影が可能だ。また、QuickTime形式のため、動画の編集も容易。ただ、そのぶん、データ量が大きくなるので注意が必要だ。
 記録メディアも、大容量データに対応できるよう、コンパクトフラッシュを採用しており、もちろん。HDDタイプのmicrodriveにも対応している。
 画質も良好。CCDは1/2インチの原色系150万画素タイプを搭載。解像度は画素数なりだが、その滑らかな階調再現性は大きな魅力だ。
 また、最近の小型モデルにしては珍しく、液晶モニターに1.8インチタイプの低温ポリシリコンTFTを搭載しており、表示時の見やすさや品質も上々だ。
 難点は電池。単三型2本で、標準でニッケル水素バッテリと充電器が付属するが、やはり電池の消耗は多く、予備の電池は不可欠。もっとも、アルカリ電池でも動作するので、出先で入手に困るようなことはない。
 150万画素の単焦点機でいいと割り切れる人にとっては、39,800円と手頃な価格で、とにかく気軽で超軽快なスナップを楽しめるモデルとしてオススメの一品だ。

3 オリンパス
CAMEDIA C-1
(実販29,800円)
 オリンパスが満を持して登場させた、新世代のデジタル・コンパクトカメラ「C-1」。

 実販価格も、接続キットとメモリーカード込みで29,800円とお買い得だ。
カメラとしての完成度もきわめて高く、まさにコンパクトカメラ感覚でのスピーディでストレスのないもの。とにかく、パッとレンズカバーを開き、サッと撮影できる点がいい。また、レンズバリアの開き方や閉まり方にも適度なトルク感があり、とても安心感がある。このあたりは、実販29,800円のモデルとは思えないほどだ。
 レンズは単焦点タイプだが、普通のスナップで使うには十分。また、モード切替なしに50cmまでの近距離撮影ができる点も好ましい。また、光学ファインダーの見え味は、現行機のなかでもピカイチといえる、明るく、クリアで気持ちよく撮影できる。
 画質もこのクラスのモデルとしてはなかなか良好。カメラ任せで気軽に撮影しても、安定した写りが得られるので安心感がある。
 バッテリは、単三型2本。だが、オススメは純正のリチウムバッテリ。やや高価だが、持ちがきわめてよく、液晶モニタでの再生を多用しなければ、楽に200枚以上の撮影ができる。
 サイズは極端に小さいわけではないが、ケースレスで持ち歩ける上、持ちやすいこともあって、実に気軽にスナップできる、デジタル・コンパクトカメラだ。

4
富士フイルム
FinePix2500Z
(実販39,800円)
 実販39,800円と手ごろな価格で、しかも、211万画素光学3倍ズームを搭載した、好バランスモデル。

 CCDは1/2.7インチタイプだが、このクラスの中でも画質は明らかにトップレベルで、解像度もかなり高く、色再現性も見栄えのするもの。とくに、人物撮影での肌色の描写がよく、オートホワイトバランスの制御も巧み。そのため、フルオートのままでも、十分にきれいな画像が得られる点は大きな魅力だ。
 ボディはやや大きめで、撮影時にレンズカバーを開け、さらにメインスイッチをONにしなければならない点はちょっと不便だが、慣れでカバーできるレベル。電源は単三電池が使え、アルカリ電池でも十分な枚数撮影できるため、旅先で電池切れしても安心だ。
 また、実売39,800円でPC接続キットまで付属しているため、なかなかお買い得感がある。
 あまり大きな特徴のない、比較的地味な印象のモデルだが、使ってみると実によく写る、なかなかの実力派だ。

5
オリンパス
C-990ZS
(実販39,800円)

本シリーズの後継として「C-200Z」が登場した現在、C-900Z系モデルの事実上の最終形となったのが、この「C-990ZS」だ。

 だが、最新機種の「C-200Z」はコストダウンの影響が随所にみられることもあって、機能や細部の造りなどは、明らかに「C-990ZS」のほうがワンランク上。その意味ではロングセラーだった「C-900Z」シリーズの完成型だ。
 基本スタイルは、いわゆるカプセル型のモデルで、メインスイッチもレンズカバーを開くだけでOKの簡単操作。撮影間隔も約1秒と短く、なかなか軽快。画像の再生も十分に速い。
 しかも、操作性もよく錬られており、機能的にも、まさにフル装備といえるレベルだ。とくに感心するのは、広視野角の低温ポリシリコンTFT液晶の見やすさ。明るさも十分にあり、斜めからの視認性もよく、とても使いやすい。この点は「C-200Z」の液晶モニターとは比較にならないほど良質だ。
 CCDは1/2.7インチ211万画素タイプで、画質もこのクラスではなかなか良好な部類。ややホワイトバランスが弱い印象があるが、大きな欠点のない写りを実現している。
 電源は単三型4本で、持ちも十分。とくに、CR-V3型リチウム電池使用時の持ちには感心するばかりだ。
 ただ、基本設計が古いこともあって、PCとの接続はパラレルのみでUSB転送には対応していないのはやや不便な点だ。
 実売価格は39,800円と手頃なレベルであり、古き良き時代の製造コストのかかった130万画素機がベースとなって進化しているため、最近の211万画素3倍ズーム機に比べるとかなり大きめだが、その分、造りの良さや機能の充実度には目を見張るものがある。いまや旧機種といえる存在だが、安心感のある一台だ。

 なお、本機については、市場在庫も少なくなっており、一部の量販店ではすでに品切れとなっている。購入されるなら急ぐ必要がるだろう。

※価格は「ヨドバシカメラ新宿西口店」
7月6日時点


●40,000~59,800円
機種候補

 このクラスは、価格が手頃なこともあって、初めてデジタルカメラを購入する人を想定してランキングを作成した。

●おすすめランキング
順位 機種名 コメント
1 キヤノン
IXY DIGITAL200
(実販54,800円)
 昨年の大ヒットモデルとなった初代「IXY DIGITAL」の後継機「IXY DIGITAL200」。

 光学2倍ズームと原色系CCDを搭載し、初代の難点だった画質面を大幅に向上。明らかに第2世代といえる仕上がりを実現している。
 サイズや基本デザイン、操作性などは初代モデルをそのまま踏襲しており、質感も上々。携帯性も抜群で、とても精密感がある。このクラスの中では数少ない“持つ喜び”を感じる一台だ。
 初代モデルに加え、今回は音声付きの簡易動画が撮れるようになった点も便利。マイクの位置やデザインは感心しないが、まあ許容範囲といったところ。
 「IXY DIGITAL300」同様、暗めのシーンで自動的にゲインアップが働くようになったこともあるのか、初代に比べてカメラブレによる失敗が大幅に減っている点も大きな魅力だ。
 画質は1/2.7インチ211万画素CCD搭載機のなかでトップレベルの仕上がり。通常の撮影であれば、カメラ任せのフルオートでも十分にきれいな仕上がりが得られる。また、初代のような色のにごり感がなく、人物の肌色の描写が自然な点に好感が持てる。
 ただ、AF機能は先代と同じく自動選択式の3点測距式のため、希にピントがずれることもあり、マクロ撮影時には十分な注意が必要だ。
 また、電池の持ち時間も初代より向上しており、安心感がある。とはいえ過信は禁物。やはり予備電池を用意しておいた方が安心だ。
 ただ、姉妹機といえる、211万画素の3倍ズームの「PowerShot A20」のほうが1万円も安いため、機能を重視する人はそちらを選ぶという手もある。ただ、「IXY DIGITAL」には機能を越えた”モノ”として魅力があるうえ、常時携帯することを考えると、やはり「IXY DIGITAL200」のサイズは大きな魅力。やや割高な感じがあるかもしれないが、そのぶん、長い間、満足して愛用できるモデルだ。

2 三洋電機
DSC-MZ1
(実販49,800円)
 1/1.8インチという大型CCDを搭載した、多機能な211万画素2.8倍ズーム“動画デジカメ”「DSC-MZ1」。

 横並びのスペックを備えたモデルが多いなか、本機は大型CCDや数多くの新機能を搭載し、200万画素機の世界でのなかでも、とくに“写り”にこだわったモデルだ。
 まず、CCDは1/1.8インチという、コンシューマー向け200万画素級モデルでもっとも大きなものを採用。そのため、1/2.7インチCCDに比べ、一画素あたりの面積が大きくなるため、ダイナミックレンジや感度など、画質面で有利だ。
 また、連続して露出を変えて2回撮影した画像を合成し、広い明暗再現域を実現する「ワイドレンジショット」。さらに、カメラ内部でJPEG処理する前に、独自アルゴリズムにより画像の補完処理をおこなうことで300万画素相当の画像を生成する「ピクトライズ300」といった独自機能も搭載。ライバル機を越える画質を追求している。
 ボディーサイズは、IXY系に比べれば大きめだが、常時携帯できるレベルのコンパクトさであり、光学2.8倍ズーム機ながらも、同社の単焦点機「DSC-SX560」と同等のサイズを実現している。
 液晶モニターも1.8インチ低温ポリシリコンTFTを採用しており、明るく見やすい点に好感が持てる。
 “動画デジカメ”をうたうだけに、動画機能も本格的。640×480ピクセルで15fpsの高画質動画や、320×240ピクセル/30fpsのスムーズな動きの撮影にも対応。さらに、従来機に比べ、マイクの性能も向上しており、音声もよりクリアなものになっている。
 連写も高速で、200万画素モードでも秒間10枚の超高速連写を実現している。もちろん、通常の1コマ撮りでも撮影感覚はきわめて軽快だ。
 画質は上々。解像度は画素数なりのものだが、「ピクトライズ300」モードでは200万級モデルを越えるレベルの実解像度を実現。明暗の再現域も広めで、滑らかな階調性が得られるため、全体に立体感のある描写が得られる。さらに、「ワイドレンジショット」機能を併用すれば、ハイライトの飛びやシャドーの潰れを抑えた幅広い明暗域の再現も可能にしている。
 ただ、 起動時間は約4秒と遅め。このあたりは瞬間起動の「DSC_SX560」に比べると不満を感じるところ。とくに沈胴式レンズの繰り出しに時間がかかる点は気になるが、これは動画撮影中にズーミングしてもズーム音が気にならないような静音性を重視した設計になっているためという。
 また、電池は単三型2本。標準で大容量なニッケル水素バッテリを2本を付属しているが、持ち時間についてはあまり大きな期待はできず、やはり予備のバッテリを用意しておきたい。もちろん、単三型のアルカリ電池や通常のニッケル水素電池も使えるので、その点では安心だ。
 高画素ではないが、日常的に使うには不満のない解像度を備えており、階調や色再現性も良好な“等身大の高画質モデル”。画質にこだわりをもつ人に、とくにオススメしたい逸品だ。

3 キヤノン
Powershot A20
(実販40,800円)
 今春登場した200万画素3倍ズーム機の中でも、なかなかリーズナブルな価格帯を実現している「A20」。

 CCDは1/2.7インチ211万画素の原色系タイプで、処理アルゴリズムを含め、画質に定評のある「IXY DIGITAL300」と同じものを採用している。レンズは光学式3倍ズームを採用しており、使い勝手もいい。
 ボディスタイルは、通常の35mmコンパクトカメラ風のもので、デジタルであることをさほど意識せずに使える点が好ましい。また、ホールド感もよく、ブレが少ない点にも好感が持てる。
 また、液晶モニタは1.5インチタイプとやや小さめだが、表示品質がよく、明るく見やすく、色の濁りがないこともあって、気持ちよく撮影できる。
 オートフォーカスの動作も速く、シャッタータイムラグも短めで、シャッターチャンスも掴みやすい。だが、AFロックをせずに、一気に押し切って撮影すると、ピントを逃すことが若干多めな点は気になるところ。
 画質も、このクラスでトップレベル。とくに色再現性がよく、肌色の再現性も好ましい。
 電源は単三型4本で、アルカリ電池でもバッテリの持ちは十分にいい。もちろん、単三型なので旅行先でも入手が容易なので安心感がある。
 また、オプションで24.5mmレンズ相当のワイド撮影ができるコンバーターも用意されているため、これを併用すれば、狭い屋内での撮影にも十分対応できる。
 本機は、USBパソコン接続キットや画像管理や処理ソフトまで同梱されていながらも、実販は4万円台半ばと実にリーズナブル。4万円台のモデルのなかでは、本機が一番のオススメモデルだ。
 どちらかというと、実用性重視のモデルだが、家族みんなで使えるファミリー向けデジタルカメラといえる。

IXY 300との相違点はデザインと動画撮影機能の有無。
4 オリンパス
CAMEDIA C-700UltraZoom
(実販59,800円)
 クラス最高のズーム比を誇る、手頃な価格の1/2.7インチ211万画素の光学10倍ズームレンズ搭載機。

 実販59,800円という価格ながらも、本格的な光学10倍ズームを搭載。しかも、CCDが1/2.7インチタイプと小型なこともあって、10倍ズームとは思えないほど、カメラもコンパクトで、気軽に携帯できるレベルに収まっている点は大きな魅力。
 やはり、光学10倍ズームは、ファインダーを覗いているだけでも十分に楽しく、これまでのコンパクトカメラでは体験できない世界を味わうことができる。
 もちろん、手ブレ補正機能は搭載されていないが、望遠側では自動的にシャッター速度が早めに設定されるうえ、手ブレがおきそうな条件では、カメラ側が自動的に感度をアップする機能も搭載されている。そのため、過酷な光線状態での撮影でない限り、意外なほどカメラブレを起こす心配が少ない。とくに、液晶式の電子ビューファインダーを使って撮影すると、カメラの安定性がさらに増すため、ブレを一段と軽減することもできる。
 もちろん、感度アップ時には若干ノイズが目立つこともあるが、カメラブレで失敗するよりもずっとよく、Web用などで縮小リサイズして使用する分には、ノイズも気にならないレベルだ。
 コンパクトな高倍率ズーム機だが、写りはなかなかシャープ。画質も安定しており、安心して使えるレベルだ。
 従来の3倍ズーム並みのサイズと価格帯で、光学10倍ズームを堪能できる点は大きな魅力。もちろん、2~3倍のズーム機に比べれば、やや大きくて無骨な感じもあり、光学ファインダーがないといった点が気になる人もいると思うが、本機はそれを補って余りある魅力を備えた、撮影を楽しめる、多機能な高倍率ズーム機だ。

5 富士フイルム
FinePix50i
(実販59,800円)
 薄型でクレードルでの充電やデータ転送に対応した、MP3再生可能な240万画素ハニカムCCD搭載の単焦点モデル「FinePix 50i」。

 昨年発売された「40i」の後継機。基本機能はほとんど変わっていないが、大幅に薄型化されており、ワイシャツの胸ポケットにも楽に収納できるようになったのが大きな特徴。
 月をイメージしたレンズバリアもなかなかオシャレな感じだが、メインスイッチと連動していない点は実に残念なところ。もちろん、使い始めはさすがに戸惑うが、少し慣れるとさほど気にならなくなるレベルだ。
 MP3機能は不可欠ではないが、あれば便利なもの。また、先代の「40i」は再生時間が約2時間だったが、本機では電池の変更もあって、約2倍にあたる4時間の再生が可能になっている。これくらい保てば、通勤の行き帰り+メモ的なショットくらいはカバーできる。また、本機は付属のリモコンのデザインが一新され、見た目もよく、使い勝手も向上している。
 起動時間はきわめて高速で、撮影間隔も短いため、とても軽快に撮影できる点は大きな魅力だ。
 画質も上々。出力画素数は432万画素あるが、実質的な解像度は300万画素級モデルに迫るレベル。さらに感心するのが、色再現性の良さ。どんなシーンでもカメラ任せで、実にきれいで見栄えのする写りが得られる点に感心する。ただ、レンズの関係か、画面の周辺光量がやや不足気味になる点は若干気になるところ。
 また、本機には、1,600×1,200ピクセル出力になる「2M」モードが新設されており、通常のスナップショットであれば、この解像度でも十分。しかも、このモードでは1.5倍のデジタルズームも使えるため、“ズーム機感覚”で撮影することもできる。
 バッテリは本機から専用形状の薄型のものに変更されており、電池の持ちも先代のニッケル水素式に比べてよくなった感じだ。
 付属のクレードルも実に便利。クレードルにセットするだけで自動的に充電されるため、充電し忘れて困ることもない。また、クレードル経由でUSBによるデータ転送も容易。また、この転送方式の場合、スマートメディアをいちいち抜き差ししないため、静電気などでデータが破損することが少ない点でも安心だ。
 実売価格は59,800円。単焦点タイプとしては高価な部類にはいるうえ、別途、大容量のスマートメディアを購入する必要がある点は念頭に置いておく必要がある。
 現在、MP3なしの「FinePix4500」が49,800円、先代の「40i」も49,800円前後で購入できるが、その薄さとクレードルや2Mモードの追加による便利さを考えると、その価格差があっても、本機をあえて選ぶだけの価値は十分にあるだろう。
 本機の場合、ハニカム240万画素の単焦点モデルと考えるよりも、むしろ、超薄型で軽快な、(デジタル)1.5倍ズーム付きの200万画素モデルとして考えた方がいいだろう。

※価格は「ヨドバシカメラ新宿西口店」
7月6日時点


●60,000~79,800円 機種候補

 このクラスはボリュームゾーンであり、さまざまな機種が混在するクラス。そのため、ここではランキングはもちろんだが、基本的には自分の使用用途を考えて、それにあった機種を選ぶことが大切だ。


●おすすめランキング
順位 機種名 コメント
1 キヤノン
IXY DIGITAL300
(実販64,800円)
 光学3倍ズームと原色系CCDを搭載した、二世代目モデルとなる「IXY DIGITAL300」。サイズは初代や「IXY DIGITAL200」よりも一回り大きくなっているが、画質や使い勝手のよさ、電池の持ち時間などを考えると、サイズの違いを補ってあまりある魅力を備えている。
 もちろん、質感も上々で、精密感もあり、持つ喜びを感じさせる、数少ないモデルに仕上がっている。
 操作性も初代より向上しており、簡易動画が撮れるようになった点も便利だ。
 さらに、暗めのシーンで自動的にゲインアップが働くようになったこともあるのか、初代に比べてカメラブレによる失敗が大幅に減っている点も大きな魅力といえる。
 画質も1/2.7インチ211万画素CCD搭載機のなかでトップレベルの仕上がりで、フルオートのままでもとてもきれいな写りが得られる。とくに、初代モデルの欠点だった色の濁り感が大幅に軽減されており、クリアで見栄えのする色調になっている点は高く評価できる。
 オートフォーカス機能が自動選択式の3点測距式で、ときおり、撮影者の意図とは違った測距点にピントがあっていまうことがあるのは難点。とくに、ピントの合う範囲が狭い、近距離やマクロ撮影、望遠撮影などでは注意が必要だ。ただ、本機はAF補助光を備えているため、まっ暗な場所でも補助光が届く範囲であれば、AF測距ができる点はなかなか便利だ。
 電池の持ちは、初代の1.4倍に延びたというが、それでも使ってみるとそれほど長いという印象はなく、まずまず実用レベルといったところ。やはり液晶モニタやストロボなどを多用すると、撮影枚数は意外に少なくなるので、予備の専用バッテリーを1つは用意したい。
 「IXY DIGITAL200」との価格差が10,000円あるため、カテゴリー的には一つ上のクラスになっており、実際に、200万画素クラスのなかではもっとも高価な部類にはいるモデルだ。だが、機能、画質、携帯性、質感など、どの点からみてもハイレベルで、それだけの価値のある、完成度の高いモデルに仕上がっている。

2 オリンパス
C-3040ZOOM
(実販79,800円)
 「C-3030ZOOM」のマイナーチェンジモデル。レンズは、1/1.8インチCCDに最適化された、新設計の大口径ズームレンズを搭載。もちろん、明るさもF1.8と明るいが、レンズの描写力もワンランク向上しており、画質面でも、大幅な改良が施されている。機能も充実しており、「C-3000Z」シリーズの完成形という感じだ。
 もともと、同社のラインナップの中でも上級モデルに位置する機種だけに、基本的なポテンシャルの高さは折紙付き。もちろん、同価格帯のライバル機をしのぐレベルの高機能なものに仕上がっている。
 海外ではすでに、本機をベースとした1/1.8インチ400万画素モデル「C-4040Z」も発表されており、いくつかの新機能も搭載されているようなので、それまで待つか、悩ましいところ。ただ、価格的には400万画素化で多少高くなることを考えれば、本機は十分にコストパフォーマンスな感じもある。
 事実上のライバル機となる「PowerShot G1」と同価格だが、こちらは電源が単三タイプ4本のため、入手が容易。さらに、CR-V3型リチウム電池を使えば、持ちが驚くほどいいという点も大きな魅力といえる。ただ、大量に撮影する人にとっては、メディアがスマートメディアという点はやや気になるところだろう。

3 キャノン
PowerShot G1

(実販79,800円)
 昨年秋に発売された、キヤノンの上級モデル。昨年末のランキングでは実販価格が89,800円だったが、いまや10,000円も値下がりし、この価格帯で入手することができる。
 基本スペックは比較的おとなしいものだが、操作感はなかなか軽快。撮影レンズを中央に配したデザインも、ややクラシカルな銀塩カメラっぽく、違和感なく扱える。
 レンズは、F2.0-2.5の光学3倍ズームで、解像力も高く、ボケ味も素直で好感が持てる。ISO50設定時のノイズの少なさは1/1.8インチ334万画素機のなかでも特筆すべきレベル。もちろん、その分感度が低いため、ブレやすいので、撮影には十分な注意が必要だ。また、液晶モニタは独自の回転式構造で、縦位置撮影時でもハイアングルやローアングル撮影ができる点は大きな魅力だ。
 ただ、レンズが明るく、ピントの合う範囲が狭いためか、意外にピントを逃すことが多い。また、露出制御の関係か、プログラムAEモードでやや暗めの場所を撮影すると、絞りとシャッター速度の組み合わせの関係もあって、ライバル機よりもブレやすい点にも注意が必要だ。
 画質的にも、ホワイトバランスの制御に若干のクセがあるうえ、全体に色の彩度が高めに設定されていることもあって、派手目な色調の被写体を撮影すると、色が飽和したような違和感のある仕上がりになる点は気になるところ。
 基本性能が高いモデルだけに、上記の点をユーザーがカバーして使えば、同クラスのなかでもトップレベルの実力を発揮する、なかなかの実力派だ。

4 富士フイルム
FinePix6800Z
(実販79,800円)
 気軽に常時携帯できる、唯一の超高画質モデルといえるのが、この「FinePix6800Z」といえる。

 富士フイルムの看板モデルである縦型スタイルとしてはすでに5世代目となる本機だが、その完成度はかなりのレベル。
 話題のポルシェデザインは、第一印象としてのインパクトは意外に少ないが、長期間使っても飽きがこないデザインといえる。また、とてもホールドしやすく、手にしっくりとくる。
 操作性もよく練られており、大半の操作が右手だけでできる点もいい。また、沈胴式のズーム機ながらも、起動時間が短く、撮影間隔も約1秒程度と軽快だ。
 さらに、付属のクレードルは、一度慣れると手放せなくなるほどに便利なもの。なにしろ、クレードルにカメラを置くだけで自動的に充電されるうえ、USB転送もボタン一つでOK。とくに日常的にデジタルカメラを使うユーザーにとって、この便利さは何者にも代え難いものがある。
 画質も上々。カメラ任せのフルオート設定で撮影しても、露出やホワイトバランスが安定しており、色調も実にきれい。もちろん、解像度も高く、1/1.8インチ334万画素機を上回るほどシャープ。まだハニカムCCD特有のノイズ感はやや残っているが、以前ほど目立たなくなっている。
 さすがに6Mモードで使うと、データサイズも大きく、メモリーカードの容量不足を感じることもある。そのため、普段は実用十分すぎるほどの画質が得られる3Mモードを常用し、ほんとうに高い解像度が必要なときだけ、6Mモードに切り替えて使うことをお勧めしたい。
 難点は、縦型ボディで、レンズがやや暗めなためか、ややブレやすい傾向があるところ。また、バッテリーが特殊形状のため、やはり予備を一つ用意しておいた方が安心だろう。この点さえ気をつければ、携帯性もよく、快適で、充電や転送も容易な、高画質常用機として、長い間愛用できるモデルといえる。

5 セイコーエプソン
CP-920Z
(実販69,800円)
 昨年3月発売された「CP-900Z」をベースに、PRINT Image Machingに対応した改良機「CP-920Z」。
 本機はあまり”華”がなく、地味な存在だが、その実力はなかなかのもの。画質的にも、昨年の「CP-900Z」より改良されており、画質や使い勝手も向上している。
 スタイリングはボテッとした感じで、好みが分かれるところ。また、起動時間は約5秒と遅めな点は気になるところ。
 だが、実際に撮影してみると、撮影間隔も短く、十分軽快な撮影が楽しめる。さらに、操作性がわかりやすく、頻繁に使う機能には専用ボタンは割り当てられているうえ、表示も日本語化されているので、操作に戸惑うことが少ない。
 とくに、ISO感度やホワイトバランス、マクロ切り替え、露出補正などが、専用ボタンでワンタッチで切り替えられるため、ちょっと凝った撮影をしたい人には、とくにオススメだ。メモリーカードもCFタイプのため、大容量も豊富なため、大量の撮影にも対応できる(CF2は不可)。
 また、電源も単三型4本とポピュラーで入手しやすく、電池の持ちも上々だ。
 さらに、エプソンの製品らしく、プリント指定がしやすいように、プリント注文用のDPOFデータを簡単に作ることができる専用ボタンも装備。再生モードでプリントしたいコマを選んで、指定ボタンをプリントしたい枚数分だけ押すだけでOK。あとは、DPOFに対応したプリンターにそのメモリーカードを挿せば、その指定通りのプリントがワンタッチでできる点は実に便利だ。
 画質も上々で、色調も適度に鮮やかで見栄えのする仕上がりとなっている。しかも、レンズがF2.0-2.5と明るいため、カメラブレも少なく、ボケ味を生かした作画も楽しめる。カメラ内で画像補完をするHiPict機能も装備しており、処理も昨年の「CP-900Z」より高速化されており、大きなサイズのプリントには意外な威力を発揮してくれる。また、PRINT Image Machtingに対応しており、プリント時の画質もきれいで自然な仕上がりが得られる。
 かなり実用本位で、あまり面白みのあるモデルではないが、実際に使ってみると、実によく考えられた、隠れたもの。
 実販価格も、同スペックのモデルに比べて、約10,000円も安く、地味な存在だが、使ってみると、そのよさが納得できるお買い得な製品だ。

※価格は「ヨドバシカメラ新宿西口店」
7月6日時点



●80,000円以上 機種候補

 基本的にこのクラスは、始めてデジタルカメラを購入する人ではなく、すでに何らかのモデルを使っており、今回グレードアップをしようという人を対象に選考した。

●おすすめランキング
順位 機種名 コメント
1 オリンパス
E-10
(実販175,000円)
 今回のノミネート機種のなかでもっとも高価なモデルだが、実販5~8万円の中堅機種のレベルが格段に向上した現在、あえてこの価格帯のモデルを選び、本格的な撮影を楽しみたいなら、思い切って「E-10」を購入することをオススメしたい。

 2/3インチの400万画素CCDと専用開発の大口径4倍ズームレンズの組み合わせは、想像以上に良好。334万画素機より明らかにワンランク上の画質を実現。さらに、今夏登場の1/1.8インチ系400万画素機よりノイズも少なく、実質的な解像度も高い。また、2/3インチ524万画素CCDを搭載したDiMAGE7と比較しても、解像度、階調再現性、色再現性、ノイズ特性の、いずれの点も、それを上回る実力を発揮している。

 やはり、画質面では2/3インチという余裕のある400万画素CCDを搭載したことによるメリットは、明確に感じられる。

 また、パーソナル機では唯一の光学式一眼レフファインダーを搭載しており、その明るくクリアな見え味は高く評価できる。さらに、液晶式の電子ビューファインダーでは逃れられない、微妙なシャッターチャンスのズレが生じない点も大きな魅力だ。

 もし、レンズ交換をする必要がなく、純正のワイドやテレコンバーターで撮影したい領域がカバーできるのであれば、わざわざレンズ交換式デジタル一眼レフを購入するよりも、本機の方が使い勝手がよく、かなりお買い得だ。  もちろん、この価格になると、いっそレンズ交換式デジタル一眼レフを購入したほうが……と思う人も多いだろう。だが、レンズ交換式となると、交換レンズまで含めると40万円コースになるため、その半額で購入できる「E-10」のコストパフォーマンスの高さは大きな魅力といえる。

2 ソニー
DSC-S85
(実販89,800円)
 今年後半の高画素機で注目の1/1.8インチ413万画素CCDを搭載した本格派モデル「DSC-S85」。

 ベースとなっているのは、今春発売された「DSC-S75」であり、CCD以外はあまり大きな違いはない。だが、ブラックボディーになり、カメラ全体から受ける印象は、ワンランク格が上がった印象だ。

 「S75」以降、本格派指向の高級機へと移行した「Sシリーズ」。なかでも本機は、事実上、Cyber-shotシリーズのフラッグシップ的なポジションのモデルといえる。

 「S75」譲りの、こだわり派銀塩カメラユーザーを意識したボディの質感と、アナログ感覚のダイアル操作を中心にした操作性はなかなか良好。ただ、操作部が全体小さめな点は大いに気になるところだが、この点は慣れでもなんとかカバーできる範囲だ。今回はジョグダイアルも搭載されたが、割り当てられている機能が少なく、その魅力を引き出せていないのは残念だが、それ以外の操作はなかなか軽快でわかりやすい。

 また、「S85」では、バッファーが増え、3枚連写ができるようになり、自動段階露出機能も搭載されているため、実際に撮影してみると、400万画素機とは思えないほどの軽快感を備えており、パーソナル向け高画素機にありがちな、動きの緩慢さも感じることはない。

 レンズは名門カールツアイスブランドの明るく高画質な3倍ズームを搭載。

 CCDは1/1.8インチ413万画素の原色系タイプ。画素サイズは334万画素タイプよりも小さいため、シャドー部のノイズレベルは「S75」に比べると、若干多め。だが、比較しなければわからないレベルであり、プリントしてみると意外に目立たない。

 内部処理は従来の12bitから14bit化したこともあって、画質もなかなか良好。昨年の「S70」に比べ、色調も自然で、階調もやや柔らかめな品のある仕上がりになっている。

 正直なところ、334万画素の「S75」と、413万画素の「S85」で、画像としての解像度はあまり差がない。だが、A4くらいにプリントしてみると、やはり画素数の多い「S85」のほうが実質的な解像度の面では有利だ。

 やはり、この価格帯のモデルになると、そう簡単に買い換えられるものではないので、「S75」との実売価格の差が1万円程度であれば、やはり「S85」のほうが安心感がある。

 本機は、あまり“Cyber”な雰囲気はないが、バランスのいい実力派モデルといえる。

3 富士フイルム
FinePix6900Z
(実販99,800円)
 光学6倍ズームを搭載した、ハニカム330万画素CCD搭載の本格派モデル。

 やや無骨な印象のデザインだが、手にしてみるとなかなか軽量でコンパクトで、携帯性も良い。ブラックボディになり、細部の操作感も向上しており、従来機より質感も高まっている。

また、液晶ビューファインダーの採用で、ホールド感も一眼レフに近い感覚で違和感なく撮影できる。さらに、先代より液晶ビューファインダーの表示品質が向上している点もいい。

 独自のスーパーハニカムCCDも第二世代になり、CCDが高密度化されたにもかかわらず、ノイズ感の少ない階調豊かな画質を実現している。

 また、実質的な解像度もハニカム形式のため、330万画素という数値以上の実力といえる。

 カメラとしての機能もかなり充実しており、本格的な撮影にも十分対応できる。  先代モデルでもっとも気になったシャッターのタイムラグも短縮化されており、AF測距中にもファインダー像が止まらなくなったため、先代よりストレスも少なく、シャッターチャンスも掴みやすくなった。

 やや実用本位な印象が強いが、きちんと使いこなせば、かなりの期待に応えてくれる、ポテンシャルの高いモデルといえる。

4 ニコン
COOLPIX995
(実販89,800円)
 334万画素光学4倍ズームを備えた、定番「COOLPIX900」系の最新モデル「COOLPIX995」。

 昨春発売の「COOLPIX990」の後継機となるモデルで、新たに光学4倍ズームを搭載し、ストロボを赤目が少なく、スペース的にも有利なポップアップ式に変更。さらに、電源を従来の単三型4本から汎用のリチウム電池と専用充電池の併用式にすることで、カメラ全体のコンパクト化を図っている。

 デザイン的には、まさに「COOLPIX990」の流れを受け継いだ、レンズ回転式のものだが、手にしてみると、先代に比べ、かなり横幅が短くなっており、意外にコンパクトに仕上がっている。

 もともと、クラス唯一の5点測距AF機能や高度な露出やホワイトバランス制御で、使いやすさと写りの安定度で定評のあるモデルだけに、各社から新鋭機が続々登場した現在でも、十分に選ぶ価値のあるモデルといえる。

 なかでも、接写撮影は同機の得意分野であり、レンズ直前まで寄れる点やアングルの自由度が高いレンズ回転式のため、小さなモノを撮影するときにはきわめて便利なモデルといえる。

 また、高画質なワイドとテレコンバーターが用意されている点も、本機のようなシステムモデルにとって大きなメリットといえる。

 画質は現行の334万画素機のなかでもトップレベル。色調に補色系らしさが感じられるが、解像度も高く、階調性もなかなか良好。このあたりは定番モデルの面目悠々といった感じだ。

 もっとも、直接のライバルとなる「C-3040ZOOM」や「PowerShot G1」に比べると、レンズがやや暗めで、少々ブレやすい点は気になるところ。携帯性を考えても、収納時は薄型になるとはいえ、やや嵩張る。また、CF Type2には対応しているが、microdriveが使えない点も少々残念だ。

 「COOLPIX990」に比べ、一回りコンパクトになり、光学4倍ズームとなった点は評価できる、入手が容易な単三型電池で駆動しなくなった点は不便を感じるところ。また、カメラ全体の動作も、ライバル機に比べて緩慢な感じもある。そのため本機は、このあたりを納得したうえで購入するべきモデルといえる。 【お詫びと訂正】初出時にCF Type2未対応とありましたが誤りです。お詫びして訂正いたします。

5 ミノルタ
DiMAGE7
(実販129,000円)
 コンシューマー機で最高の画素数となる、2/3インチ524万画素CCDを搭載。さらに、レンズも35mmカメラ換算で28~200mm相当の光学7倍ズームを搭載した「DiMAGE7」。

 機能的には、現在のパーソナル機のなかでもっとも高機能なモデルであり、なかでも、本格的な広角域となる28mm相当から、本格的な望遠撮影が可能な200mm相当までという、常用域をフルにカバーした7倍ズームは、大いに魅力的だ。

 スタイリングは35mm一眼レフ的な雰囲気があり、写真で見ると大柄に見えるが、意外にコンパクト。しかも、かなり軽量なので、携帯性も悪くない。ただ、操作部が多く、ゴテゴテとした”ガンダム風”デザインは好みが分かれるところ。

 ファインダーは、背面液晶と電子ビュー式で、後者は従来他社の液晶ビューファインダーよりも表示品質はいいが、光学一眼レフファインダーのようなクリアできめ細かな表示は期待できない。

 AFはかなり凝ったもので、自動判別式の多点測距はなかなかよくできている。ただ、AF測距はあまり高速ではなく、コントラストの低いシーンでは迷うことも多いのが残念。

 画質は、524万画素という高画素CCDのため、解像度は十分に高いが、同じ2/3インチで400万画素タイプの「CAMEDIA E-10」に比べて格段に勝るほどではない。むしろ、画面全体がかなりノイズっぽい点は気になるところ。

 ワイド域からの光学7倍ズームは、さすがに便利。とくに屋内での撮影には威力を発揮してくれる。ただ、さすがに逆光撮影ではレンズ内での反射の影響もあって、コントラストが低めになるのは残念だ。

 気になる点はバッテリーの持ちで、フル充電したニッケル水素電池でも、条件によっては100枚まで撮影できず、バッテリーマークがフルになっているにもかかわらず、突如、バッテリー切れで止まってしまうケースもあった。

 また、発売当初出荷された製品は、いくつかのバグを抱えており、フリーズするケースもあるなど、やや信頼性に欠ける部分もあり、ファームウエアのアップデートで解消されるようだ。

[Reported by 山田久美夫]


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