NEW PRODUCTS TESTREPORT

	ソニー
	CRX200E
	1.3GBメディアに対応したDD-R/RWドライブ
	TEXT：北川達也　Tatsuya Kitagawa

インターフェースには、ATAPIを採用している

　1.3GBという従来のCD規格の2倍の記録容量を実現したDDCD（Duble Density CD）規格策定の発表から約10カ月。規格提唱元のソニーから、世界初となるDDCD規格に対応した新製品、「CRX200E」が発売された。この製品は、通常のCD-R/RWメディアへの書き込みにも対応し、CD-R/DD-Rメディアに最大12倍速（1.8MB/s）書き込み、CD-RW/DD-RWメディアに最大8倍速書き換えというスペックを実現している。接続インターフェースはATAPIで、バッファアンダーラン対策機能は搭載されていないが、8MBもの大容量バッファを搭載している。また、パッケージには、ライティングソフトとして「PrimoCD Plus」、パケットライトソフト「abCD」、バックアップソフト「RetrospectExpress」の3本が同梱される。

トレイの形状も一般的なCD-R/RWドライブと変わらない。縦置き状態でも使用可能だ

　CRX200Eの最大の特徴は、従来のCD-R/RWメディアに加えて、1.3GBのDDCD規格対応メディアを使用することもできる「CD/DDCDコンボドライブ」として設計されている点だ。近年、HDDの大容量化とともに、ユーザーの扱うデータも徐々に大きくなってきており、以前は、大容量と言われたCD-R/RWの記録容量も今となっては不足している感がある。しかし、DDCD規格に対応したこの製品では、1.3GBという従来の2倍の容量を持つメディアを使用でき、HDDのバックアップ用途などで便利に使用できる。また、DDCD規格は、基本的には通常のCDの容量を単純に2倍密度にしたものとなっているため、使用するソフトさえ対応していれば、DD-Rメディアを使用して、起動可能なブータブルCDを作成することも可能である。CD-R/RWメディアでは、1枚に入り切らないシステムリカバリーCDなどには、このメディアの容量が役立つだろう。また、DDCD対応メディアは、実売ベースで安価な点もうれしい。5月中旬現在のストリートプライスは、DD-Rメディアが1枚300円前後、DD-RWメディアにいたっては、何と500円弱の価格で販売されている。とくに、DD-RWメディアの価格は、CD-RWメディアとそれほど大きく変わらないため、コストパフォーマンス的にもかなり優秀と言える。

PrimoCD Plusを使用したDD-RWへの書き込み画面

　ただし、1.3GBのDDCD対応メディアを使用した場合は、従来のエラー訂正とは異なったものが使用されるため、対応のドライブ以外では、読み出しが行なえないという点、書き込みに使用できる物理フォーマットが「CD-ROM Mode2/XA Form1」のみ、書き込み方式は、「Track At Once（TAO）」のみに限定されているという点には注意が必要だ。DDCDの容量を活かして、より多くの楽曲を記録した音楽CDを作りたいと思った読者もいるかと思うが、現状のDDCD規格では、残念ながらコンピュータ用のデータ書き込み専用となっている。

　DDCD対応メディアを使用した場合の書き込みスピードだが、これは、通常のCD-R/RWメディアを使用した場合と変わらない。つまり、DDCD対応メディア全体に書き込みを行なう場合は、通常のCDの2倍の時間が必要となる。たとえば12倍速で書き込みを行なう場合は約14分ほど必要だ。読み出しスピードは、データCDの場合で最大32倍速、音楽CDのリッピングスピードは、12倍速固定、CD-RW/DD-RWメディアの読み出しは、8倍速固定である。音楽CDのリッピングとRWメディアの読み出しスピードが最近の製品と比較すると多少遅いのが気にかかるが、通常の使用では問題ないレベルだろう。

　CRX200Eを実際に使ってみると、1.3GBの容量のメディアを利用できるという点も便利だが、DDCD用に精度が向上したことで、通常のCD-R/RWメディアに対する書き込み品質が向上しているという点も注目される。現状のCD-R/RWドライブよりも容量の大きいメディアが使用でき、なおかつ高品質な書き込みを行ないたいというユーザーには、お勧めの製品である。

DDCD対応メディアは、書き込み方式は「TAO」、物理フォーマットは「CD-ROM Mode2/XA Form1」のみ	DD-RWメディアを使用し約1.26GBのデータを書き込むのには、19分弱ほどかかる