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NEW PRODUCTS TESTREPORT

ソニー
VAIO J PCV-J20GV7BP
バリューPCのベストセラーがテレビチューナーを内蔵
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu


下から2段目のブラケットがMPEG2リアルタイムエンコーダーボード
 ソニーのエントリー向けデスクトップPC、VAIO Jシリーズが大幅なモデルチェンジを遂げた。数あるVAIOの中でも、従来からコストパフォーマンスが高く、エントリー向けとして好評を博していた同シリーズだが、今回のモデルチェンジでは基本性能の向上と、新機能追加が行なわれている。

 まず、目に付くのは一新されたデザインだ。本体は、これまでのいわゆるVAIOカラーではなく、薄いブルーを基調にシルバーのフロントマスクで仕上げられており、飽きのこないデザインとなっている。ケース全体も丸みを帯びた印象はそのままに、各所に印象的な直線を配置しており、柔らかみのある中にシャープな印象を与えている。また、フロントマスク下部はシャッターになっていて、これを下方にスライドさせることでFDDが姿を現わす。さらに電源をONにすると、5インチベイ下部のLEDが青く光るというユニークな工夫も採用されており、デザイン的にはかなり凝った作りになっている。


スライド式のパネルや青色LEDなど、ケース前面は凝ったデザインになっている

 PCとしての性能は、従来機とほぼ同等となるが、CPUが従来のDuron 800MHzから900MHz、メモリが64MBから128MB、5インチベイに標準搭載されるドライブがCD-R/RWドライブからDVD-ROM・CD-R/RWのコンボドライブに変更されている。エントリーモデルながら、128MBのメモリと、人気のコンボドライブを搭載した点は喜ばしいところだが、もっとも大きな強化点は、今回試用した最上位モデル、PCV-J20GV7BPにテレビチューナー付きハードウェアMPEG2リアルタイムエンコーダーボードが追加されている点だ。これにより、従来機では実現されていなかったテレビ放送の受信および録画が可能になっている。


サイドパネルは手回しネジで止められているほか、CPU側面に位置する電源ユニットもワンタッチで着脱できるなど、アクセス性の高い内部構造になっている
 今やテレビ機能はホームPCとしてはメジャーな機能の一つとも言えるが、3次元ノイズリダクションをはじめとしたさまざまな機能を持つハードウェアMPEG2エンコーダが、200,000円以下のエントリーマシンでも利用可能になった点は大きい。バンドルされるテレビ録画/表示機能用のソフトウェア「GigaPocket Ver.4.1」の完成度も高く、テレビ機能を操作するためのリモコンも付属するため、使い勝手は非常によい。

 また、細かな点だが、Windows Meのスタートメニューに「VAIOソフトウェアはこちら」という項目が設けられているなど、初心者向けの配慮がなされている点には感心した。一例を挙げると、この項目の中には、「テレビを録画・再生:Giga Pocket」というように、アプリケーションの名称の前に、そのアプリケーションで何ができるのかという注釈が付け加えられている。他社製のPCもアクティブデスクトップを利用したり、ランチャなどを利用してユーザーをナビゲートする機能が備えられているものの、こちらのほうがシンプルで分かりやすい。


テレビ表示、録画機能をコントロールするソフトとして、ほかのVAIOシリーズと同様に、GigaPocket Ver.4.1がインストールされている
 本機の欠点をあえて挙げるとすれば拡張性だが、フロントベイにこそ空きがないとはいえ、HDD用のシャドーベイが一つ、PCIスロットが二つ、メモリスロットが一つという最低限の拡張性は確保されている。この点は、本機とスリムタイプのPCを比較した際にアドバンテージとなる部分だろう。

 このように、PCV-J20GV7BPは、エントリー向けのPCとしては、非常にコストパフォーマンスが高いマシンに仕上がっている。初めての1台として、文句なくお勧めできる製品だ。


・製品名:VAIO J PCV-J20GV7BP
・標準価格:オープン(実売予想価格180,000円前後)
・メーカー:ソニーマーケティング株式会社
・問い合わせ先:03-5454-0700
・URL:http://www.vaio.sony.co.jp/
・CPU:Duron 900MHz
・チップセット:SiS730S
・メモリ(最大):128MB(512MB)
・HDD:40GB
・FDD:2モード
・DVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブ:DVD-ROM読み出し最大4.8倍速、書き込み最大4倍速、書き換え最大4倍速、CD-ROM読み出し最大24倍速
・ビデオチップ:SiS730S内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を共用(標準16MB)
・ディスプレイ:17型FDトリニトロン管
・最大解像度:1,280×1,024ドット/1,677万色
・サウンドチップ:SiS730S内蔵
・モデム:56kbps(V.90、K56flex対応)
・キーボード:109キー(PS/2接続)
・拡張スロット(空き):PCI×4(2)
・インターフェース
 ○本体部:USB×3、i.LINK(S400、6ピン)×1、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、ディスプレイ(Dsub 15ピン)×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-45)×1
 ○MPEG2リアルタイムエンコーダーボード部:S-VIDEO/VIDEO IN(専用端子)×1、S-VIDEO/VIDEO OUT(専用端子)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、アンテナ(F型端子)×1
・本体サイズ(W×D×H):170×306×365mm
・重量:9.2kg
・OS:Windows Me
・付属ソフト:Giga Pocket Ver.4.1、DVgate Ver.2.3、Easy CD Creator 4 Standardなど


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□ソニーマーケティングのホームページ
http://www.vaio.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/PCOM/PCV-J20GV7BP/
□関連記事
【5月17日】ソニー、VAIOデスクトップシリーズを一新
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010517/sony2.htm


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