IBM、従来比4倍の密度をもつHDD技術を開発
~2年以内に3.5"で400GBを実現

5月21日 発表(現地時間)


 米IBMは21日(現地時間)、HDDの容量を現在の4倍にまで高めることが可能な多層磁気コーティング技術「反強磁性結合(AFC:AntiFerromagnetically-Coupled)メディア」を開発し、実用化に成功したと発表した。

 ディスク上の記憶領域の高密度化が進むと、一般的な耐用年数内においても磁化方向が維持できず、データが失われる可能性があり、現在出荷されているHDDはこの限界値に近い数値(1インチあたり20~40Gbit)になっていた。

 AFCメディアは1平方インチあたり100Gbitのデータを記録可能で、従来の4倍近いキャパシティを持つ。そのため、今後2年以内に3.5インチHDDで400GB、2.5インチHDDで200GB、1インチのマイクロドライブでも6GBの容量が実現可能であるという。

AFC技術概念図
 AFCメディアは、2つの磁界層と、それらに挟まれた原子3個分の厚さのルテニウム(白金に似た新素材)で構成される多層構造。ルテニウムに隣接する磁性層の磁化が反転することで、磁気的には多層構造全体の厚さが薄くなり、より高密度なデータの記録が可能になるという。IBMではこのルテニウム層に「pixie dust(妖精のホコリ)」というニックネームを付けている。

 なお、3月28日に発表された、2.5インチHDD「Travelstar」シリーズには、すでに1平方インチあたり最大25.7GbitのAFCメディアが使用されている。

□米IBMのホームページ(英文)
http://www.ibm.com/
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□ニュースリリース(和文)
http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2001/05221
□関連記事
【3月28日】IBM、5,400rpm/48GBの2.5インチHDDなど
--全機種に流体軸受けモーター搭載
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010328/ibm.htm

(2001年5月22日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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