NEW PRODUCTS TESTREPORT

	Hyundai
	ImageFlat L50A
	スリムボディが魅力の15型液晶ディスプレイ
	TEXT：本間 文　Bun Honma

横から見ると、そのスリムさがいっそう際立つ。しかも、収納するときにはスタンド部を折り畳むこともできる

　メモリに続き、液晶パネルの生産技術では日本を追い抜きそうな勢いを見せている韓国メーカーだが、Samsungが昨年から自社ブランドでも液晶ディスプレイを本格的に販売してきたのに対し、もう一方の雄であるHyndaiは、ノートPCやディスプレイメーカーなどへのパネル供給が主流で、自社ブランド製品の販売は韓国国内がメインである。日本市場ではほとんど見かけることがなかった。これまでも、ImageQuestブランドで、低価格なCRTモニタなどが流通することはあったが、98年以降、液晶パネルのシェアを急速に伸ばしてきたわりには、液晶メーカーとしての知名度は今一つであった。

　しかし、Hyundai製の液晶パネルは大型化こそ日本メーカーやSamsungほどのスピードで進化してはいないものの、その画質を含めたコストパフォーマンスの高さではPC OEMやディスプレイメーカーから一目置かれる存在であったのも事実だ。しかし、その半面でユーザーはどのPCメーカーがどのメーカーの液晶パネルを使っているかなどといった情報は、カタログやニュースリリースなどにでも記されていなければ知る由もない。その意味では、今年からHyundaiの日本法人である現代電子産業ジャパン株式会社が、自社ブランドで液晶ディスプレイの販売を開始してくれることはユーザーにとっても喜ばしい出来事だ。

ディスプレイ入力はDsub 15ピン1系統のみ。左側のDINコネクタは電源アダプタ用

　その本格的日本市場参入の第1弾となる製品は、ImageFlat L50Aという15型TFT液晶ディスプレイだ。その基本性能は、パネルにドットピッチ0.297mmの15.1インチTFT液晶を採用し、コントラスト比200：1、最大輝度200cdというスペックを実現。視野角は左右55°、上30°、下55°と上下左右80°の視野角を実現した液晶パネル（同社の18.1インチパネルも、そのスペックを実現している）も存在することを考えると、ややもの足りない気がする。

細かな線までも再現できる画質のよさが、Hyundai製液晶パネル最大の魅力。その画質はビジネス用途に最適だ

　しかし、実際はこのクラスの液晶ディスプレイであれば個人利用がほとんどであり、会議などでプレゼンテーションに利用するなどといった用途でもなければ、むしろプライバシー保護の面でも好ましいスペックと言える。また、その精細度はスペック以上に感じられるもので、低価格の液晶ディスプレイでありがちな、文字をボールド（太字）にしたとたんに、にじみが目立ったり、MS明朝がかすれて見えたりといったことはまったくなく、長時間ディスプレイを見続けることになるオフィスでの事務処理などには最適な画質だ。さらに液晶の応答速度は40msと高速で、最近はやりのPCを使ったDVD-Videoやストリーミングビデオといった動画再生にも十分対応できる。

ディスプレイの各種調整はフロント部の四つのボタンを組み合わせて操作する

　また、パーソナルユースという面では、本製品のコンパクトさも魅力的だ。折り畳み式のスタンドは、チルト角こそ狭いもののAC電源ユニットをアダプタ方式にすることで小型軽量化を図ったボディは、367（W）×353（H）×188（D）mmで、2.7kgと実にコンパクト。実際その外箱は14型ディスプレイを採用したノートPCの外箱と大差ないほどで、ショップで本製品を購入し、気軽に持ち帰りができるほどだ。もちろん、巨大なAC-DCアダプタが気になるというユーザーもいると思うが、筆者としてはデスクスペースを圧迫しないコンパクトなデザインを採用したことのメリットのほうを評価したい。しかも、オンスクリーンメニューには、しっかりとオートアジャスト機能も搭載しているため、初心者でも買ったその日からその性能を堪能できるはずだ。

オンスクリーンメニューは、直感的に操作できる内容で好感が持てる

　各種調整項目についても、すべてのファンクションが第1階層に表示され、調整したい項目のアイコンに合わせてSELECTボタンを押すことで各種調整が行なえるという直感的なインターフェースを採用しており、好感が持てる。付属の日本語マニュアルの日本語が、初期の台湾製品のような誤字だらけ（逆に、それも楽しめるのだが……）という点はご愛敬として、省スペース性と高画質を両立した本製品は、実にお買い得感の高い製品と言えるだろう。