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これは、本日開催されたコダックのデジタルシステム展示会「Kodak e-Revolution 2001」で、オリンパスのDI事業推進部部長 小島佑介氏による「銀塩カメラ・デジタルカメラの現状と未来」という講演の中、世界で初めて公表されたもの。
講演の最後に「『写真家』にとって夢のデジタル一眼レフ」を作るというタイトルで、来年発売予定のレンズ交換式デジタル一眼レフシステムの概要が公表された。
右下のCCDがほぼAPSサイズなので、比較されたい |
レンズは交換式で、レンズマウントは同社が提案する新マウントを採用。このマウントは4/3インチCCDをベースとした一眼レフシステムの、デファクトスタンダードを目指した共通マウントとして展開する。そのため、オリンパス以外の他社からも同じ規格のマウントを搭載したモデルが登場したり、交換レンズが登場する可能性が大きく、4/3インチCCD搭載デジタル一眼レフの標準マウントになる可能性が高い。
また、共通マウント化により、各社の競争市場を創出し、市場を拡大すると考えられ、マウントのスタンダード化により、開発スピードも早まるという大きなメリットもあるという。
発売時には本体を一機種以上、レンズは5本レベルのシステムを想定。さらに「大容量電源」、「グリップシステム」、「大容量ストレージシステム(光磁気タイプ)」、「マクロ系システム」、「ビュワーシステム」といった周辺システムを展開するという。また、将来技術としてBluetoothや通信への対応も考えているという。
小島氏の講演ではまず、現在各社から発表・発売されている35mm一眼レフ用交換レンズシステムをベースとした、デジタル一眼レフの欠点について説明した。それによると、35mmフィルムを基本にした既存の交換レンズシステムを使う限り、画角(写る範囲)の関係で、CCDやCMOSを大型化せざるを得ない。その結果として、大型撮像素子になるため、歩留まりが悪くコスト高になるうえ、コンパクト化を図れないという点を指摘。さらに、35mm一眼レフ用レンズはもともとフィルム用に設計されているため、1画素10ミクロンレベルのCCDでも解像度の点でギリギリであり、6ミクロンピッチになると、現行の35mm交換レンズではほとんど対応できないという。
今回、オリンパスが公開したレンズ交換式デジタル一眼レフシステムは、これまでの銀塩カメラシステムをベースにしたものではなく、最初からデジタルカメラをベースとし、CCDの性能と生産効率、光学レンズの特性、コンシューマ用途に見合うサイズと価格などを考えた、デジタルカメラ専用システムとして構築されている点が最大の特徴。
さらに、35mmフィルムに匹敵する1,600画素もの高画素化と、現行の2/3インチCCDの4倍の感度とダイナミックレンジを実現できるだけのポテンシャルを秘めながらも、高倍率ズームを含めたレンズシステムの小型化とコンシューマ用途で上限といえる実販価格など、きわめてバランスのとれた、4/3インチCCDの採用も注目すべき点といえる。
そして、銀塩一眼レフユーザーにとって念願の、各社共通マウントといった提案まで含めた、かなり包括的な新世代のデジタル一眼レフシステムといえる。
この発表は、同講演の最後に「『写真家』にとって夢のデジタル一眼レフ」という題目で世界初公開されたもので、正式発表まで10カ月。発売は1年半近く先の話となる。
だが本システムは、これまでの銀塩システムのしがらみから解き放たれた、まさに新世代のデジタル一眼レフシステムとして、注目される展開だ。
□オリンパス光学工業のホームページ
http://www.olympus.co.jp/
(2001年4月27日)
■注意■
[Reported by 山田久美夫]