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NEW PRODUCTS TESTREPORT

アイ・オー・データ機器
WNA-FSWH4
オフィスに最適なIEEE802.11対応無線ハブ
TEXT:一ヶ谷兼乃  Kenno Ichigaya


本体前面部には4ポートの10BASE-T/100BASE-TX対応LANポートと、通信状態を示すLEDが配置される
 近頃、物理的な配線にとらわれずにネットワークを構築できる無線LAN環境が注目を集めている。

 現在発売されている無線LANシステムの多くは、アクセスポイントと無線LANクライアントという構成だ。しかし、無線LANクライアント用のNICは、PCカード型であることが多く、デスクトップマシン用にPCカード型の無線LANカードを利用するPCIバス用アダプタなどが各メーカーから提供されているが、うまく動かなかったり、トラブルが起こったりすることもあるのが実情だ。

 また、無線LANはWindows 98以降のOSであれば、対応ドライバが提供されているが、Windows 95やWindows以外のOSがインストールされたマシンや、ネットワークプリンタのような物理的に無線LANクライアントを装着できない機器では、利用できないことがほとんどである。


側面部にはMDIとMDI-Xの切り換えスイッチが用意されている
 この無線LANに適していないと思われる環境でも、無線LANのメリットを享受できるのがアイ・オー・データ機器の「WNA-FSWH4」だ。WNA-FSWH4は、IEEE802.11準拠の無線LAN機能を搭載したスイッチングハブで、10BASE-T/100BASE-TX対応ポートが四つ装備されている。

 本体背面にはPCカードスロットが装備され、そこに無線LANカードアダプタを挿した状態で利用する。無線での通信はWNA-FSWH4同士の通信にのみ利用できる仕様になっており、通信速度は10Mbpsとなる。

 つまり、ネットワークケーブルを使って接続しにくい場所にあるハブ同士を、無線を使って接続するというコンセプトだ。そのサイズも、幅187mm、奥行き122mm、高さ31.5mmとなっており、一般的な有線のネットワークハブと同等となっている。また、本体前面にはLEDが取り付けられており、WNA-FSWH4間の無線の状態を確認することができる。

 各ネットワーク機器とWNA-FSWH4は、10BASE-Tもしくは100BASE-TXで接続されるために、無線LANカードでは対応できなかったOSや機器でも無線LANを利用できるというメリットがある。とりあえず、WNA-FSWH4を使えばプリンタサーバーやCD-ROMサーバーといった専用ネットワーク機器のようなものも、すべて無線LANに組み込むことができる点もメリットだ。WNA-FSWH4同士の通信は独自の暗号化が施されているため、第三者から傍受される可能性も低くなっている。

 ただ、無線LANカードを搭載したPCとのネットワークを構築したい場合には、無線LAN用のアクセスポイントをネットワークケーブルを使ってWNA-FSWH4に接続するしかない。この辺りは無線LAN機能が搭載されているとはいえ、通常のハブと同じ扱いだ。ただし、IEEE802.11準拠の無線LANカードであれば、WNA-FSWH4で使っている無線チャンネルと重ならないようにする必要がある。


背面部には、IEEE802.11に対応したPCカードタイプの無線LANカードが装着される
 WNA-FSWH4の設定はPCなどでtelnetでログオンしたり、Webブラウザを使って行なう必要はなく、本体背面のディップスイッチを切り換えるだけでよい。ディップスイッチでは、通信に使う周波数チャンネルの設定や、ESS-IDの選択、動作モードなどのすべての設定をディップスイッチだけで簡単に行なうことができる。

 無線を使ってネットワークを構築したいすべてのWNA-FSWH4の設定をディップスイッチで行なってしまえば、あとは各WNA-FSWH4を好きなところへ配置し、各ネットワーク機器を接続するだけで無線LANを構築することができるというわけだ。

 このWNA-FSWH4を使うことによって、ネットワーク構築時の自由度は非常に高くなる。たとえば、同じ部屋の機器であれば、WNA-FSWH4のスイッチングハブのポートにネットワークケーブルで接続して、配線しにくい別の部屋とは無線を使ってネットワークを構築するといったことができる。

 同じように企業などでも机が集まっている“島”ごとにWNA-FSWH4を置けば、めんどうな床下配線を行なったり、机をまたがってケーブルを取り回したりすることもなくなるのだ。

 WNA-FSWH4を使えば既存のLAN環境に無線LANを組み入れることが、難しい設定なしにできることが大きなメリットだ。もちろん、これから新たに無線を使ったネットワークを構築する場合にも、威力を発揮するだろう。

・製品名:WNA-FSWH4
・標準価格:34,800円
・メーカー:株式会社アイ・オー・データ機器
・問い合わせ先:076-260-1024
・URL:http://www.iodata.co.jp/

■無線インターフェース部
・無線通信規格:IEEE802.11
・伝送方式:DS-SS方式
・データ転送速度:1/2/10Mbps
・周波数範囲:2.4000~2.4835GHz
・伝送距離:屋内約30m、屋外約50m
・チャンネル数:4

■有線インターフェース部
・インターフェース:10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×4
・通信方式:全二重、半二重

・本体サイズ(W×D×H):187×122×31.5mm
・重量:約320g

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□アイ・オー・データ機器のホームページ
http://www.iodata.co.jp/
□製品情報
http://www.iodata.co.jp/products/plant/wnafswh4.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010305/iodata1.htm


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