プロカメラマン山田久美夫の フォトエキスポ2001レポート

旭光学、超小型300万画素3倍ズーム機を世界初公開

東京会場開催期日:3月23日~25日
会場:東京ビッグサイト 西3,4ホール




 毎春恒例となっている、国内最大の写真機材ショー「PhotoExpo2001」が23日~25日まで、東京ビッグサイトで開催されている。このイベントは、カメラ機材中心の「日本カメラショー」と、フォトアクセサリ中心の「写真映像用品ショー」を合わせたもので、昨年までは池袋のサンシャインシティーで開催されていたが、今年から開催地を東京ビッグサイトに変更し、装いも新たに開催されている。

 今回の「PhotoExpo2001」では、これまでのイベントと違い、各社ともにデジタルカメラをブースの前面に配置し、大々的にアピールしていたのがとても印象的。もちろん、従来からの銀塩カメラも多数出展されているわけだが、イベントのメインはすでにデジタルカメラへと移行している感じだ。会場は初日からかなりの混雑で、人気機種に触れるのに一苦労する場面も多かった。

 また、このイベントで初公開されたモデルや、国内イベントで初公開されたモデルも多数あり、それらの実機を見て、触れることができる、数少ないチャンスともいえる。


●旭光学、IXYサイズの超小型300万画素3倍ズーム機を世界初公開

 旭光学は今回、実に意欲的な新型デジタルカメラをラインナップ。

 なかでも、注目されるのが、今回のイベントで世界初公開となった、超小型の300万画素光学3倍ズーム機といえる。まだ、仮称すらない状態だが、そのコンパクトさと質感の高さには目を見張るものがある。

 雰囲気的には、昨年の人気モデル「キヤノン IXY DIGITAL」的な感じ。しかも、300万画素3倍ズームとは思えないほどコンパクトに仕上がっており、ウインドー越しに見た範囲では、「IXY DIGITAL」とほぼ同等のサイズを実現しているようだ。ただ、上方から見てみると、それほど薄いわけではなさそうだ。

 本機は完全な参考出品であり、「300万画素光学3倍ズーム内蔵デジタルスチルカメラ(名称未定)」という説明以外は、何のアナウンスもない。外観から分かるのは、このサイズながらも、記録媒体はCFカードを採用しており、レンズは沈胴式で携帯時には完全にボディーに収納されてしまう点。操作部を見ると、動画撮影や連写にも対応しており、マニュアルフォーカス撮影までできるなど、なかなか多機能なモデルに仕上がっているようだ。

 もちろん、参考出品とはいえ、その完成度から見て、そう遠くない時期(今年半ば?)に製品化されるのは確実。「京セラ Finecam S3」や「キヤノン IXY DIGITAL300」なども登場し、今年はこのクラスのモデルがまたまた話題になりそうだ。


 また、同社は今回、日本国内初公開となる、FT(フレームトランスファー)方式の2/3インチ343万画素CCDを搭載したレンズ固定式デジタル一眼レフモデル「EI-3000」と、フィリップス社製の35mmサイズ600万画素CCDを搭載したレンズ交換式の本格派デジタル一眼レフ(名称未定)も出品。

 残念ながら、デジタル一眼レフはウインドー越しでしか見ることができないが、「EI-3000」は、実機を手にすることもできるため、関心のある方は、この機会にぜひその感触を確かめていただきたい。


●ミノルタ、新「DiMAGE」シリーズを参考出品

 ミノルタは、先のPMAで参考出品した、2/3インチ524万画素7倍ズーム機「DiMAGE 7」、1/1.8インチ334万画素CCD搭載7倍ズーム機「DiMAGE 5」、1/1.8インチ334万画素小4倍ズーム機「DiMAGE S304」の3機種を出品。ブースには“参考出品”の文字は見あたらなかったが、説明員によると、完全な参考出品ということだった。

 もちろん、実機に触れることはできず、ガラス越しでしか見ることはできないが、デザインや操作性、メーカーでは未公開となっているレンズのスペックなどを知ることは十分可能だ。

 上位の「DiMAGE 7」と「DiMAGE 5」は姉妹機。なかでも、パーソナル機初の500万画素級モデルであり、28~200mmレンズ相当のレンズを装備した「DiMAGE 7」は注目株。価格や発売時期も未定だが、今年半ば頃までには商品化されるようだ。


●オリンパス、発表直後のスタンダードモデル「C1」と10倍ズーム機「C-700UltraZoom」を出品

 オリンパスは、一昨日発表したばかりの、1/2.7インチ211万画素の光学10倍ズーム機「C-700UltraZoom」と、130万画素のスタンダードモデル「C1」を出品。いずれも、多くの台数が展示されており、自由に手にとって、その感触を確かめることができる。

 また、写真愛好者が集うPhotoExpoだけに、「E-10」を使ったモデル撮影講座も開催されており、人気を博していた


●キヤノン、「IXY DIGITAL300」「PowerShot A10」「A20」などを出品

 キヤノンは先だって国内正式発表した、新ラインナップである「IXY DIGITAL300」「PowerShot A10」「A20」を含めたラインナップを一堂に展示。なかでも、3倍ズーム化され、画質も大幅に向上した「IXY DIGITAL300」の人気は高かった。

 また、手頃な価格帯となる「PowerShot A10」や「A20」も出品されており、自由に手にすることができる。また、同機のアクセサリとして用意される24.5mm(35mmカメラ換算)相当のワイド撮影可能なワイドコンバーターなども用意されていた。

 ブース内では、「IXY DIGITAL300」と同時発表の昇華型プリンタ「DP-CP10」を使った、簡単なモデル撮影もでき、その場でプリントして楽しむこともできる。


●リコー、通信機能内蔵の343万画素3倍ズーム機「RDC-i500」を出品

 リコーは22日に発表されたばかりの通信機能内蔵機「RDC-i500」でのデモを展開。本機は「RDC-7S」をベースに、「RDC-i700」のようなデータ通信機能を搭載したもの。ボディーサイズは「RDC-7S」よりも若干大きくなっており、P-in Comp@ctやmicrodriveに対応できるよう、記録媒体もCF Type2対応に変更されている。

 本機は、P-in Comp@ctなどを使って、撮影データの送受信はもちろん、E-MAILのチェックもできるなど、なかなか個性的。価格はやや高めだが、通信機能搭載のモバイルツールやビジネス用途での利用を考えている人には、一見の価値のあるモデルといえる。


●京セラ

 京セラは今回、IXYサイズの334万画素2倍ズーム機「Finecam S3」の稼働モデルを公開。ブースでは実機を手にすることもできる。サイズはきわめてコンパクトで、ボディーの質感もなかなか良好。バッテリが特殊形状で、記憶媒体に薄型のSDカードを採用するなど、小型化のための工夫も施されている。

 正直なところ、このコンパクトさは、実機を手にしないと実感できない部分が多いため、会場を訪れたら、ぜひその点を体感しておきたい。

 なお、昨年、開発発表された35mmサイズ600万画素CCD搭載AF一眼レフ「N DIGITAL」は今回も参考展示のみで、実機に触れることはできない。また、発売時期や価格も未定。だが、撮像素子に関しては先だって、「フィリップス社の35mmサイズ600万画素CCDを採用」と公式に発表したこともあって、期待は高まるばかりだ。


●ニコン、「D1X」「D1H」の実機を公開。

 ニコンは話題の高画素機「D1X」を出展。さらに、今回初めて高速タイプの「D1H」の稼働機を公開。ブースでは、それぞれの実機に触れることができ、その感触を確かめることができる。

 さらに、「D1X」での実写プリントも多数展示されており、そのプリントを見るだけでも十分な価値がありそう。購入予定や検討中の方は、ぜひ、自分の目で、その実力を確かめておきたい。


●富士フイルム、「FinePix6800Z」を出品

 富士フイルムは先だって発売されたばかりの「FinePix6800Z」メインの展開。残念ながら、このイベントにあわせた新製品は登場しなかった。


●コニカ、e-miniシリーズを一堂に展示

 コニカは、30万画素CMOSセンサー搭載の簡易モデル「e-mini」シリーズを出品。モニタやネット上で画像を楽しめるというデジタルカメラのメリットをアピールしていた。

 また、昨年秋のフォトキナで公開された、211万画素3倍ズーム機の「KD-200Z」も参考出品されていた。


●エプソン、新型プリントン「PM-790PT」、「CP-920Z」などを出展

 セイコーエプソンは、メモリカードから直接プリントができる、高画質で手頃な価格のインクジェットプリンタ「PM-790PT」を大々的にアピール。

 さらに、ステージを使い、同社の提唱する「プリント イメージ マッチング」を分かりやすく紹介。同機能に対応した、334万画素3倍ズーム機「CP-920Z」と「PM-790PT」を使った、プリントデモを繰り広げていた。また、同規格に対応したモデルとして「カシオ QV-3500EX」も同ブースに出展されていた。

 このほか、業務用ではあるが、新型の原料系プリンタをベースにした、店頭プリントシステム「エプソン プリントパーラー」も参考展示。このシステムはセルフサービス型の店頭プリントシステムで、デジタルカメラのメモリカードを挿し、簡単な操作だけでプリントができるもの。プリント処理枚数も、1時間あたり100枚とインクジェットタイプとしてはかなり高速だ。また、1枚あたりのプリント料は30円前後を目指しているという。近い時期に、首都圏の店頭でテスト運用も始まるという。


●松下電器、新型昇華型プリンタエンジン搭載のセルフ端末を公開

 松下電器は一昨日発表した、汎用紙へのプリントが可能な、転写型の熱昇華型プリンタエンジンを搭載した、店頭セルフサービス型プリンタを参考出品。

 このプリンタは、専用紙を使う従来の昇華型と違い、オーバーコート層を含めた4層のプリントを、一度、転写用の中間媒体にプリント。その画像を汎用紙に転写することで、ランニングコストをおさえたもの。現在のプリント速度は、1枚7秒(最初の一枚のみ40秒)だが、技術的にはさらなる高速化も可能という。


●マミヤ、35mmサイズの660万画素CMOS搭載デジタルバックを公開

 マミヤOPは、「リーフ C-MOST」という新型のデジタルバックを公開した。このデジタルバックは、35mmサイズの660万画素CMOSを搭載したもの。645版の中判カメラのフィルムバック部に装着して撮影をするもの。だが、撮影にはIEEE 1394で接続可能なPCが必要だ。

 価格は100万円以下になるようで、フィールドユースではなく、スタジオユースで活躍しそうなシステムだ。


●ケンコー、デジタルカメラ用液晶モニタフードを出品

 写真用品メーカー大手のケンコーは、デジタルカメラの液晶モニタを見やすくするための簡易フード2種を出展。

 一つは、拡大ルーペ内蔵タイプで、そのルーペを覗きながら撮影すると、液晶ビューファインダ感覚での撮影が可能。しかも、レンズ部を簡単に外す(折り畳む)ことができるため、簡易フードとしても使える。

 もう一方の簡易タイプは、1,000円以下と手頃な価格の液晶フード専用タイプ。ルーペ機能はないが、その分、安価。しかも、フード部を折り畳んで携帯することができるため、嵩張らない点も大きなメリットだ。

 日中屋外でも、液晶ファインダでの撮影がしたい人にとっては、とても有効で便利なアクセサリといえる。

□フォトエキスポ2001公式サイト
http://www.photoexpo2001.com/intro.html
□関連記事
【2月13日】最新の写真関連機器が集まる「フォトエキスポ2001」3月23日開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010213/pexpo.htm

(2001年3月23日)


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[Reported by 山田久美夫]


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