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展示会場レポートの第一弾は、やはりホールの中央にどでかいブースを構えるアップルコンピュータからということになる。22日に行なわれた基調講演終了直後は、発表されたばかりの新iMacを少しでも早く見ようと、約6000人もの聴講者がイベントホールから展示ホールへと大移動をしてかなりの混雑をみせた。しかし、夕方近くにはずいぶんと余裕も生まれていたので、最終日となる24日に来場を考えているユーザーは開場直後か、閉場直前ぐらいに同ブースを訪れるのが混雑を避けるコツかも知れない。
■賛否両論まっぷたつ!? やはり話題は新iMacのこのデザイン
展示ホールへと向かう道にはこんなディスプレイも…。「花柄ってカワイイ?」、「いやぁ、俺はちょっと…」とかいう会話を交わしながら(あくまで想像)、会場へと足を運ぶ来場者の姿 |
iMacのデモ機は、Flower PowerとBlue Dalmatianがそれぞれ十数台用意されている。回転するディスプレイ台に乗っている製品を除くすべてのマシンには、DVカメラとヘッドホンが取り付けられており、来場者は思い思いにiMovie2やiTunesを試せるという趣向だ。そのうち数台を確認した限り、これらは600MHzのPowerPC G3を搭載する最上位モデルで構成されている。ちなみに前モデルからの継承色であるIndigoとGraphiteカラーのiMacをブース内で見かけることはない。
CD-RWドライブを搭載することも大きなトピックだが、やはり来場者の注目はそのデザインに集まっている。ブース内でささやかれる会話に耳をそばだてると、まさに賛否両論。グループでの来場者なら、議論のネタには事欠くことがないという感じだ。振り返れば、ボンダイカラーの初代iMacが公開されたときや、多色化による展開を図ったときも同様のディスカッションは繰り返された。こうして話題になること自体、アップル側の狙いにハマりつつあるということなのだろうか。余談だが「フラワーパワー」と「ブルーダルメシアン」という正式名称を浸透させるには、かなり道のりが厳しそうだ。多くの日本人にとっては「花柄」と「水玉」……。
「Blue Dalmatian」。お尻の部分のアップルロゴはパステルブルー。実は、ミッドレンジモデルは日本向けと米国向けで若干仕様が異なる。搭載されるグラフィックチップが日本向けはRage 128 Proだが、米国向けはハイエンドモデルと同じRage 128 Ultra | お持ち帰りのポスターは今回も健在。記念に取るべし、取るべし。ところで皆さん、これまでに集めたポスターはどうなっていますか? |
ちなみに従来モデルに搭載されていたDVD-ROMドライブからCD-RWドライブ搭載への転換について、米AppleComputerの製品担当者は「DVDを再生する環境はパソコンに限らず専用プレーヤーやPS2など多様性があるが、CD-RWを利用した個人用のCD作成のソリューションはいまのところパソコンでないと実現できない。私たちの考えるデジタルハブという構想と、現在のユーザーのニーズが一致したもの」と語っている。
■GeForce3の性能は、実際に操作して感じてみるしかない!?
デモ用にインストールされているのは、Quake3などOpen GLを使ったアプリケーションが中心。ほかにもPhotoshopなどを試すことができる |
デモに利用されているGeForce3は発売前の製品ということで、Mac本体を開くことは許されていない。今回のExpoではこうした規制が徹底しており、アップルブースで、マシンの内部を見ることは一切できなくなっている。これは報道関係者だけでなく一般来場者にとっても同様だ。唯一、Appleシステム・プロフィールから、GeForce3の存在を確認することができるのみだ。
ただしデモマシンの背面をのぞき込むことで、インターフェイス部分だけは確認することができる(そばの説明員によれば、これはOK)。Mac向けという言葉に偽りはなく、アップル独自のADCと、汎用のVGAという2つのインターフェイスを見ることができる。もちろんデモはADCインターフェイスに接続されたApple Chinema Displayを使って行なわれている。ただし、そばにいる説明担当のアップル側スタッフも突然の発表に製品に対する知識が充分についていっておらず、テクニカルな質問に対する回答はブース内ではそれほど期待できない。とはいえ、自社で取り扱う製品である以上、搭載しているVRAMの容量ぐらいは知っていて欲しいというのが、取材する側の本音でもある。もちろん、これはほとんど開場直後に聞いてみた結果なので、それ以降は少しずつ改善が進んでいるはずだ。
Mac OS Xのデモンストレーションが集中しているエリア。一台のマシンに一人ずつ担当者が付いてユーザーの質問に答えたり、操作のアドバイスをしたりしている。上部に表示されているように、一応は機器ごとにデモするテーマが決まってはいるが、かなりフレキシブルに対応してくれている |
□Macworld Conference&Expo / Tokyo2001のホームページ
http://www.idg.co.jp/expo/mw/
(2001年2月23日)
[Reported by 矢作 晃]