プロカメラマン山田久美夫の PMA前夜イベント「DigitalFocus」レポート

ソニー、一挙に7機種もの新製品を出展

開催期日:2月10日(現地時間)
会場:Orange County Convention Center,Orlando Florida


 アメリカ最大のカメラショーである「PMA2001」(Photo Marketing Association)が、11日からフロリダ州オーランドで開催される。このイベントは、ドイツのフォトキナと並ぶ、カメラ界の大型イベントだ。

 とくに今回のPMAは21世紀最初のイベントということもあって、各社ともデジタルカメラを中心としたデジタルイメージング系に積極的に取り組むことをアピールするエポックメイキングなものになるといわれている。

 PMAは、日本時間の12日に開幕するが、それに先駆けて招待プレス向けに新製品を紹介するイベント「Digital Focus」が前夜に開催された。このイベントでは主だった大手メーカーはもちろん、ベンチャー系企業が、各社ともテーブル1つずつ割り当てられて、今回メインとなる製品を紹介。プレス関係者もカクテルや軽食を片手にそれを見て回るという、アットホームな雰囲気のものだ。

 もちろん、明朝、会場で初公開されるモデルも数多いわけだが、今回は「Digital Focus」に出品された、国内未発表の新製品について簡単にレポートしよう。


●ソニー、一挙に7機種もの新製品を出展

DSC-P50

 ソニーは今回、3機種のCyber-shotと4機種のFD Mavicaと、一挙に7機種もの新製品を出展した。

 なかでも注目されるのは、国内未発表のCyber-shotシリーズだ。同シリーズは、個性のFシリーズ、実用性のSシリーズ、コンパクトで楽しいPシリーズという、3つのラインナップがあるが、今回は、昨年後半から続く「DSC-P1」の大ヒット路線を踏襲し、PシリーズとSシリーズのラインナップが再編成された。

 具体的には、「P1」風デザインを採用した211万画素3倍ズームの「DSC-P50」と、130万画素3倍ズーム搭載の「DSC-P30」を発表。これらはその型番からもわかるように、それぞれが「DSC-S50」と「DSC-S30」の後継機となっており、一般向けモデルのメインストリームを完全にPシリーズに移行したわけだ。

 一方、Sシリーズには「DSC-70」の上級機(実質的な後継機)として、ツアイスブランドの光学3倍ズームを搭載した1/1.8インチ334万画素CCD搭載機「DSC-S75」を発表。Sシリーズを格上げして、オーソドックスというかコンベンショナルな銀塩カメラ風デザインのモデルが受け入れられやすい、カメラファン層を狙おうという戦略に移行した感じだ。

P1とP50の比較

 まず、「DSC-P50」と「DSC-P30」だが、P1との比較写真でもわかるように、デザインは完全に「P1」風。だが、サイズは明らかに一回り大きく、コストダウンを図っている。それだけに、北米での価格は「P50」で499ドル、「P30」では399ドルを想定しており、普及クラスをこの両モデルでカバーしようという考えだ。

 スペック的には、「P50」が1/2.7インチの211万画素、「P30」は1/2.7インチ130万画素CCDを搭載。レンズは共通だが、新設計の光学3倍ズーム(35mmカメラ換算41〜123mm相当)。ファインダーは光学式と、1.5インチの小型液晶モニターを搭載している。

 さらに、同社のモデルではおそらく初めて、電源として単三電池2本を標準としている。また、同社のSサイズのインフォリチウムバッテリーでの撮影も可能だ。また、今回のモデルは、「i-Jump」やプレステ2による「ピクチャーパラダイス」に対応しているという。

 見た目は確かに「P1」風。だが、手にした感じは結構大きな印象があり、P1のようなコンパクトさは失われている。それでも、メモリースティックに似た超横長のプロポーションを備えているため、斬新で個性的。しかも、カメラとしての持ちやすさという面では、適度な大きさがあるため、むしろ「P1」よりもいいほどだ。とくに手の大きな人が多い北米市場では、この方が好まれそうな感じだ。

 操作感は必要十分な軽快さを備えており、なかなか実用的なモデルという印象だ。だが、従来のS50やS30の後継機という位置づけのモデルであれば、やはり自分撮りも容易な液晶モニタ回転式にして欲しかった。

 なお、日本国内での発表、発売時期、価格などは未定という。


DSC-S75

 一方、Sシリーズのフラッグシップとなる「DSC-S75」は、従来、実用性重視だったSシリーズから一変して、本格派指向のモデルに仕上がっている。まず、基本スペックは、S70に近く、CCDは1/1.8インチ334万画素タイプ、レンズはS70と同じくツアイスの光学3倍ズームを搭載している。バッテリーも同社のMタイプであり、そのスタミナぶりもきちんと受け継がれているという。

 だが、実機を見たときの印象は、S70とまったく違った、かなりマニアックな本格派指向のモデルという感じだ。デザインは、S70のようにズングリとした印象ではなく、ちょっと古めの銀塩コンパクトカメラ風の、クラシカルで品のあるもの。

 操作性も、上部に大型のモードダイアルを配置。さらに上部手前側の角にジョグダイアルを装備。さらに、背面の液晶横には、十字パッドがあり、マクロやストロボモード、簡易再生機能など使用頻度が高いものが割り当てられている。また、露出補正やスポット測光、フォーカス切り替えなどは専用ボタンがあり、ジョグダイアルと併用して操作できるようになっているなど、操作部はかなり大幅な改良がなされている。

 しかも、価格は699ドルを想定しており、このクラスの本格派モデルのなかでも、手頃な設定になっている点も注目される。

 このほかにも、日本国内でも先だって発表されたFD Mavica3機種と、国内未発表となる「MVC-FD75」というモデルも発表されている。これはVGA(640×480ピクセル)モデルながらも10倍ズームを搭載しており、価格も399ドルと手頃。残念ながらメモリースティックスロットは装備されていないが、なかなかお買い得なモデルになりそうだ。

 いずれのモデルも、PMA開催後には、同社ブースで再び手にすることができるため、追加レポートをお届けする予定だ。


●東芝、230万画素3倍ズーム機「PDR-M61」を正式発表

PDR-M65
PDR-M61

 東芝は今回のPMAで、CES公開の「PDR-M65」を含めて4機種の新製品を発表する。Digital Focusでは、上位機種にあたる334万画素3倍ズーム機「PDR-M65」と、同じ筐体を使った230万画素3倍ズーム機「PDR-M61」を初公開していた。

 いずれも、ベースとなる筐体は「PDR-M70」ではなく、日本でも昨年秋に発売された、ローコスト版の230万画素2.3倍ズーム機である「PDR-M60」。この筐体を使いながら、スペックアップを図ったものが、今回の「PDR-M65」と「M61」というわけだ。

 価格はそれぞれ699ドルと499ドルと、なかなか手頃な設定を実現。とはいえ、米国ではライバルメーカーの値下げ攻勢が激しいため、それに対応したのが今回の2モデルといえそうだ。


●SiPix 、279ドルの211万画素単焦点モデル「SC-2100」を公開

SC-2100

 米国では低価格帯のデジタルカメラが売れ筋になっており、300ドル以下のメガピクセルモデルも数多く登場している。

 そして今回は、211万画素モデルながらも279ドルを実現したモデル「SC-2100」が、SiPixから発表された。このモデルは、レンズが単焦点タイプながらも、1.8インチ液晶モニターを装備しており、記録メディアもCFカードを搭載するなど、必要十分な機能を備えながらも、大幅なコストダウンを図っている点が大きな特徴だ。


iQuest DualCam

 また、わずか99ドルのモデルながらも、VGAのCCDセンサーと内蔵ストロボを搭載した「iQuest DualCam」というモデルも同時公開。もちろん、ファインダーは光学式のみで、メモリーも内蔵式で20枚程度しか撮影できないが、USB転送やPCカメラ機能も装備しているなど、なかなか充実した機能を備えている。


Palm用ワイヤレスプリンタ

 同社は先だって、Palmが出資したことで話題になったメーカーだが、そのきっかけとなったモバイル向けの薄型プリンターも、今回のイベントで出品していた。こちらは、Palmからの赤外線転送によるワイヤレスプリントが可能なもので、バッテリー駆動も可能。もちろん、サーマル式のモノクロでテキスト出力のものだが、かなり薄型に仕上がっており、なかなか魅力的な仕上がり。価格も149ドルと手頃なものだ。


 このほかにも、PMA初日にはキヤノンが新製品の発表を予告しており、ミノルタも500万画素CCD搭載の7倍ズーム機を出展するなど、まだまだ魅力的な新製品が続々公開されるようだ。

 このあたりの詳細は、PMAの開幕を待って、追ってレポートしたい。


□PMA2001のホームページ(英文)
http://www.pmai.org/pma2001/

(2001年2月11日)


■注意■

[Reported by 山田久美夫]


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