NEW PRODUCTS TESTREPORT

	住友金属システムソリューションズ
	MusicMatch MP3 JUKEBOX 5
	CD-R書き込み機能を備えた定番MP3ツール
	TEXT：藤本 健　Ken Fujimoto

今回のバージョンの目玉とも言えるCD-Rライディング機能。音楽CDの作成も可能となっている

　MP3ユーティリティソフトの定番であるMP3 JUKEBOXシリーズが機能強化を図り、「MusicMatch MP3 JUKEBOX 5」（以下JUKEBOX 5）へとバージョンアップした。これに伴って、価格も4,800円へと下げられている。

　MP3 JUKEBOXシリーズはMusicMatchが開発したソフトで、国内では住友金属システムソリューションズが日本語化して販売しているほか、いくつかのポータブルMP3プレイヤーにもバンドルされている。かつてMP3関連ソフトがオンラインソフトのほかになく、音楽CDからのリッピングやMP3への変換などを複数のソフトを組み合わせて行なっていた当時に、これらの作成を一括して自動的に行なえるということで脚光を集め、次々と機能が強化されてきたという実績もある。

JUKEBOX 5のメイン画面。ユーザーインターフェースは従来のものを継承している

　現在、MP3ファイルとともにWMAファイルも扱えるようになっており、MP3のエンコードエンジンには独Fraunhofer IIS社製のものが採用されている。定評のあるこのエンジンは高音質かつ高速で、可変bitレートも扱うことができ、１％単位での調整が可能だ。マイク／ライン入力にも対応しているので、手持ちのカセットテープなどをMP3化するときにも役立つ。

　CDからMP3データを作成する際に威力を発揮してくれるのがCDDBへのアクセス機能だ。CDDBとはインターネット上のCDデータベースであるが、これを利用することで、手持ちのCDをCD-ROMドライブにセットするだけで、アルバム名やアーティスト名、各曲名が画面に表示され、これをMP3化すると、MP3ファイルに組み込まれている曲データ“ID3タグ”に記録される。

　ここまでは前バージョンで実現されていた機能だが、今回のJUKEBOX 5で実現された主な強化ポイントは次の三つだ。

ファイル形式の変換にも対応。変換の際にbitレートを変更することが可能となっている

　まずCD-Rライティング機能は、HDD上で管理しているMP3やWAVのデータを音楽CD化するためのもの（WMAは未サポート）。オンライン配信されたMP3データなどを音楽CDにしてカーオーディオなどで聞くことも可能になる。また多くのCD-Rライティングソフトでは音楽CDを作成する際、各曲間にはプリギャップと呼ばれる2秒間の空白が強制的に作られるものも多いが、JUKEBOX 5ではこれを作成しないことも可能だ。また、最近はCD-RからMP3データを直接再生することを可能としたCDプレイヤーも登場してきているが、そういった機器に対応するためのデータを書き込む機能も備えている。

　音楽CDを作る際に重宝するCDレーベルの作成機能は、JUKEBOX 5ではCDの盤面、CDのケースの表表紙、背表紙、内部カバーまで印刷することが可能だ。もちろん、アルバム名や曲名などはプレイリストから自動入力されるので作成はいたって簡単に行なうことができる。

MP3やWMAファイルへの変換時の設定はbitレートからCD-ROMドライブの動作まで細かく指定できる

　三つ目の新機能がポータブルMP3プレイヤーとの接続機能である。Rio 600やNOMADシリーズなど最新のポータブルMP3プレイヤーと接続し、そこにMP3ファイルを転送することができる。もちろん、これらプレイヤーは専用付属ソフトでデータ転送が可能だが、やはりすべての作業を一つのソフトで行なってしまいたいものだ。その点、本製品ならば、専用ソフトをまったく使わずに直接データ転送ができる。

　ほかにもインターネットラジオ機能や、MusicMatchのインターネットサービスと連係し、CDのトラック情報を参照することができるTrackInfo機能なども用意されている。とにかく、これ1本あればMP3関連のことはすべてOKというMP3 JUKEBOX 5。まだ市販のMP3ソフトは使ったことがないという方は、ぜひ試してみることをお勧めしたい。