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NEW PRODUCTS TESTREPORT

オリンパス販売
CAMEDIA C-2040ZOOM
CAMEDIA C-3040ZOOM
基本性能が向上したコンパクトデジタルカメラ2製品
TEXT:本間 文 Bun Honma


C-3040ZOOMでは基本的な操作体系やメニューは従来モデルから変更されていない
 300万画素超のデジタルカメラが、デジタルカメラ市場の主役をになうようになってほぼ半年が過ぎたところで、主要デジタルカメラメーカー各社から第二世代の製品が登場し、市場をにぎわせている。今回紹介するオリンパス光学工業のCAMEDIA C-3040ZOOM(上部写真左)もそんなモデルの一つだが、前作のC-3030ZOOMのコンセプトが好評だったこともあり、ボディ形状や操作性などの基本仕様はそのままに機能強化を図ったバージョンアップ版とも呼べる製品だ。

 その最大の強化ポイントは、何と言ってもF1.8という明るいズームレンズを採用したことだ。しかし、実は同社はすでに211万画素モデルであるC-2020Z00Mで35mmフィルム換算で35~105mm相当となる6.5~19.5mmレンズでF2.0~2.8というスペックを実現していた。むろん、CCD素子の面積がさらに小さくなった1/1.8インチ334万画素CCDでは、レンズが明るければ明るいほど階調再現性は向上する。そのため、オリンパスではこの334万画素CCDと組み合わせる高性能レンズを開発中であったが、実際には間に合わず、C-2020ZOOM用のレンズをC-3030ZOOM用にチューニングして使わざるを得なかった。


C-3040ZOOMでのサンプル撮影。色鮮やかさと微妙な階調表現は300万画素超のカメラとは思えないほどだ
 このことは、C-3030ZOOMの画角が、35mmフィルム換算で32~96mm相当という中途半端なスペックになっていることからも分かるだろう。逆に、レンズ径を大きくしてF1.8~2.6という開放F値を実現した7.1~21.3mmレンズで、C-3040ZOOMがようやく35mmフィルム換算で35~105mmというバランスのよい画角を実現したことを見れば、こちらこそ1/1.8インチ334万画素CCDに最適化したレンズということもできるのだ。

 その画質は、300万画素超のCCDを搭載したデジタルカメラ最大の問題でもある発色性の悪さもまったく感じさせないほど鮮やかな色合いで、最近の同社製デジカメの色に慣らされたユーザーにとってはハデめに感じることもあるほどだ。実際、撮影したデータをPhotoshopのヒストグラム機能で解析してみても、その輝度レベルは従来の300万画素超デジカメとは比較にならないほどの情報量の多さに驚かされた。むろん、CCDに集積された色情報は、A/D変換の前に信号を増幅することで輝度レベルを上げることも不可能ではない。しかし、今回試用した限りでは、過剰な信号を増幅による階調飛びや不自然な発色をあまり感じさせないレベルに抑えられているように思えた。


C-2040ZOOMでは、微妙な色と階調の再現が要求されるハイライトが基調のシーンでも自然な画像を得られる
 また、211万画素モデルにもC-3040ZOOMの3倍ズームレンズが採用され、C-2040Z00M(上部写真右)として同時発売された。もちろん、レンズが同じになるため、CCDサイズが小さい分、C-2020ZOOMよりも望遠寄りにシフトすることになり、35mmフィルム換算では40~120mm相当の画角に変更された。画質については従来モデルでも定評があったが、C-2040ZOOMではさらに自然な色合いが再現できる。しかも、従来モデルのようにユーザーが設定した内容をスマートメディアや電池を交換した際にリセットしてしまう“健忘症”が治った点はうれしい限りだ。

 分解能という点では、画素数が多いに越したことはなく、C-3040ZOOMは300万画素超デジカメの弱点をほとんど克服した点で高く評価できる。その意味では、同製品の登場によって、ようやく300万画素超デジカメが万人が使えるレベルに達したとも言えるほどで、安心してオススメできるモデルである。その一方で、カメラとしては依然としてC-2040ZOOMのほうがバランス的に優れているように感じる。とくに、普段からカメラを持ち歩きスナップ撮影をしたいと言うユーザーには、完成度が増したC-2040ZOOMがベストパートナーになるだろう。


  • 共通仕様
     ・メーカー:オリンパス販売株式会社
     ・問い合わせ先:0426-42-7499
     ・URL:http://www.olympus.co.jp/
     ・記録メディア:スマートメディア(4/8/16/32/64MB)
     ・液晶モニタ:1.8型低温ポリシリコンTFT液晶
     ・電源:専用リチウム電池パックまたは単3形ニッケル水素/アルカリ/リチウム/ニッカド電池
     ・本体サイズ:109.5×69.6×、76.4mm
     ・重量:307g

  • 製品名:CAMEDIA C-2040ZOOM
  • 標準価格:74,800円
  • CCD:1/2インチCCD固体撮像素子、211万画素
  • レンズ:マルチバリエータ3倍ズームレンズ、オリンパスレンズ7.1~21.3mm、F1.8-F2.6、7群10枚(35mmフィルム換算40~120mm相当)
  • 最大解像度:1,600×1,200ピクセル
  • インターフェース:USB×1、ビデオ出力端子×1、外部フラッシュ接続端子×1

  • 製品名:CAMEDIA C-3040ZOOM
  • 標準価格:99,800円
  • CCD:1/1.8インチCCD固体撮像素子、334万画素
  • レンズ:マルチバリエータ3倍ズームレンズ、オリンパスレンズ7.1~21.3mm、F1.8-F2.6、7群10枚(35mmフィルム換算35~105mm相当)
  • 最大解像度:2,048×1,536ピクセル
  • インターフェース:USB×1、RS-232C×1、AV出力端子×1、外部フラッシュ接続端子

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    ■作例
    山田愼二(SCENE SECOND)
    □オリンパスのホームページ
    http://www.olympus.co.jp/
    □製品情報
    http://www.olympus.co.jp/LineUp/Digicamera/C3040z/index.html(C-3040ZOOM)
    http://www.olympus.co.jp/LineUp/Digicamera/C2040z/index.html(C-2040ZOOM)
    □関連記事
    【2000年11月21日】オリンパス、F1.8の明るいレンズを搭載したCAMEDIA C-3040/2040ZOOM
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001121/olympus.htm


    【PC Watchホームページ】


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