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アドビシステムズ
Photoshop 6.0
メジャーバージョンアップを果たした定番フォトレタッチソフト
TEXT:薮田織也 Oliya Yabuta


従来のオプションパレットがツールバーになり、ツールを選ぶとツールバーの内容が変わる。(1) パレットは自由にツールバーにドッキングできるようにもなった(2)
 過去のバージョンアップでは、プロフェッショナルクリエイター向けの道具としてこだわり続けてきたがゆえに、どちらかというと保守的な改良にとどまってきた感のあるPhotoshopが、大幅なリニューアルを遂げた。新バージョン「Photoshop 6.0」の進化は、これまでの純粋なフォトレタッチ機能のみにとどまらず、Webデザインツールとしての使いやすさと、ほかのアドビ製品とのUIの本格的な統一が図られている。

 では、Photoshop 6.0におけるUIの変更点から見ていこう。まずツールボックスは、パスを描くペンツールやラインツール、切り抜きツール、ものさしツールなどの新機能追加のために、ツールボックスが1段長くなり、新たにカテゴライズされた。また、ツールをクリックすると、メニューバーの下に配置されたツールのオプションバーが変化する。これは従来のオプションパレットをツールバー化したものだ。さらにツールオプションバーの右に用意されたパレットグループに、パレットをドッキングして収納できるようになった。こうすることで、必要なときに必要なパレットだけを表示できるので、作業ウィンドウを広く有効に使うことができる。


グループ化することができるようになったレイヤーは、ドロップシャドウなどの効果の内容も表示できる。効果はレイヤースタイルとしてダイアログで一括管理が可能
 UIの変更に関して、もっとも大きな改良となったのはレイヤーパレットだろう。Illustrator Ver.9のようにレイヤーをグループ構成するだけでなく、グループごとに任意の色を付けて視覚的に管理することも可能になった。各レイヤーに施したドロップシャドウなどのレイヤー効果も、レイヤーパレット内に表示される。レイヤーをダブルクリックして表示されるレイヤースタイルは、レイヤーの描画モードや不透明度以外に、レイヤー効果の設定を一度に指定できる。また、設定したレイヤー効果は削除しなくても、設定を変更するだけで新しい効果が適用される。さらに、従来の調整レイヤーは、コンテンツレイヤーという新しい概念で再構築され、レイヤーマスクなどとまとめることで使いやすくなった。コンテンツレイヤーでは、一度設定した調整レイヤーやレイヤーマスクを削除しなくとも、別の種類に変更することができる。


パス機能が向上して、自由にベクトルデータを描けるようになった。オリジナルの図形をシェイプとして登録したり、効果などをスタイルとして登録できる
 今回のバージョンで特筆すべきことは、Photoshopでベクトルデータが扱えるようになったことだ。右のロゴは、Illustratorで描いたオブジェクトを、Illustratorからコピー&ペーストしたものに、レイヤースタイルを適用したものだが、Photoshop上でもパスを描くことができる。Webデザインをする上で、ボタンやバナーの作成がとても容易になったと言えるだろう。しかし、Illustratorのようにパスに着色したり、線の太さを変えたりするようなことはできない。Photoshopのパスは、画像をパスの形で切り抜くことのできるクリッピングパスとして扱われているためだ。


テキストが作業ウィンドウに直接入力できるようになった。複数行の文章を段落として編集することもできる
 6.0では従来の文字入力用ダイアログボックスが廃され、半角英数字だけなら作業ウィンドウ上に直接入力できる。また、段落テキスト機能を使うことで指定した矩形枠に文字列を収め、文字下げなどのインデント設定もできる。もちろん、文字列はベクトルデータとして管理されているので、画質を損なわずに拡大縮小ができるほか、ワープテキスト機能を使って自由に歪ませることができるようになった。もちろん変形後の文字列でもテキスト編集が可能だ。入力した文字列は、範囲枠やパスに変更することもできるので、ワープテキストでは不可能な文字単体の歪みや、フォントを元にオリジナルのロゴを作ることもできる。

 大幅なUIの変更で、確かに操作性は向上したが、そのレイヤー構造は初めてPhotoshopシリーズに触れる人にとって少々複雑かもしれない。Photoshop 6.0を使いこなすには、レイヤーによって可能なことをまず習得する必要があるだろう。


  • 製品名:Photoshop 6.0
  • 標準価格:96,100円
  • メーカー:アドビシステムズ株式会社
  • 問い合わせ先:03-5350-0407
  • URL:http://www.adobe.co.jp/
  • 対応OS:Windows Me/98/2000/NT 4.0
  • 動作環境
     CPU:Pentium 60MHz以上
     メモリ:64MB以上(96MB以上推奨)
     HDD:130MB以上の空き領域
     ビデオカード:800×600ドット以上を表示可能なもの

    □アドビシステムズのホームページ
    http://www.adobe.co.jp/
    □製品情報
    http://www.adobe.co.jp/store/products/photoshop.html
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    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001017/adobe.htm


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