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NEW PRODUCTS TESTREPORT

日本ゲートウェイ
Gateway Select
ハイパフォーマンスBTOマシンがAthlon 1.2GHzを搭載
TEXT:水島伸行 Nobuyuki Mizushima


Athlon 1.2GHzのコア部分。ちなみに、本機に採用されているAthlonはFSB 200MHz版だ
 Pentium III 1.13GHzのリコールによってAthlon 1.1GHzが最速x86互換CPUとなったが、Intelがその座を奪い返す前に、AMDはさらなる高クロックCPU、Athlon 1.2GHzを投入してきた。11月21日に発表されたPentium 4では1.5GHz版が登場したが、価格などを考慮に入れると、このAthlon 1.2GHzはハイパフォーマンスを求めるユーザーにとって、依然としてもっとも魅力的なx86互換CPUといえるだろう。

 大手メーカーの中でもAthlonの採用に積極的な日本ゲートウェイは、同社のデスクトップPC「Gateway Select」のBTO(Build To Order=受注生産方式)オプションにいち早くこのCPUを加え、最高クラスのCPU性能を好みに合わせたパーツ構成で実現することが可能となった。


バックパネル部のコネクタ類は標準的なものだが、ケース前面にはUSBポートが用意されている
 Gateway Selectのマザーボードは、チップセットとしてVIAのApollo KT133を搭載したATXタイプで、FSBはDDR動作の200MHzに対応する。CPUのソケット形状はSocketAで、搭載するCPUのAthlonは1.2GHzのほか、1.1GHzと900MHz版が選択できる。もちろん従来と同様に、CPU以外のパーツもBTOによって柔軟に構成を変更することが可能だ。

 メモリはPC133対応SDRAMが64MB~512MB、HDDはUltra ATA/100対応のものが20/30/45/75GBの4種類から選択可能で、試用機にはIBMの7,200rpm、30GBモデル「DTLA-307030」が搭載されていた。また、これらのほかに、空きベイに増設用HDDを搭載することも可能となっているため、空き容量に困ることはないだろう。なお、South BridgeのVT82C686AはUltra ATA/66までの対応だが、30GB以上のドライブを選択する場合には、PROMISE TECHNOLOGYのUltra ATA/100インターフェースカード「Ultra100」が追加されるため、ドライブの性能を活かし切ることができる。


ドライブベイのブルーのスイッチをスライドさせることで、各ドライブを簡単に着脱することができる
 ビデオカードの選択肢は試用機に組み込まれていた64MBのDDR SDRAMを実装したGeForce 2 GTS搭載カードと、32MBのSDRAMを実装したRIVA TNT2 M64搭載カードの2種類だ。前者は3Dゲームなどを楽しみたいパワーユーザー向け、後者はメールやWebブラウジング、ビジネスアプリケーションなどを中心としたビデオ描画性能を比較的必要としないユーザー向けと言える。

 試用機のパフォーマンスは良好で、HDBench Ver3.2でのInteger(整数演算)で48,601、Float(浮動小数点演算)で58,713との値を示した。これはPentium III 800MHzとi815Eのシステムにおける、それぞれ32,066、33,696という値と比較して約1.5倍、約1.7倍となっており、動作クロックどおりの高い処理能力が見て取れる。ただ、Athlon 1.2GHzといえども、エクスプローラやOutlook Expressなどを使った範囲での体感速度はAthlon 1GHzクラスのCPUとあまり変わらなかった。このため、MPEGエンコードや3Dグラフィックス処理といった比較的重い処理を行なう場合や、将来的にも性能的に余裕のあるマシンが欲しという場合に選択することをお勧めしたい。


 スペックだけでなく筐体設計にも気が配られている点にも注目したい。試用機の「Mid Tower-00ケース」のサイドパネルは、背面のレバーによって容易に取り外すことができるほか、各種ドライブもドライブベイのスイッチをスライドするだけで着脱が可能となる。このため、内部パーツの増設は非常に容易に行なうことができるだろう。

 このほか、試作機には5インチベイに12倍速DVD-ROMドライブと、書き込み最大8倍、書き換え最大4倍速のCD-R/RWドライブ、PCIスロットにはSound Blaster Live! Valueと56kbpsモデムが搭載された構成で、234,300円と、ハイエンドマシンながらコストパフォーマンス面でも優れている。高いCPUパワーを手軽に入手したい方に適した質実剛健なマシンと言えそうだ。


・製品名:Gateway Select
・標準価格:213,800円(11月30日、下記の構成にて。BTOにより変動)
・メーカー:日本ゲートウェイ株式会社
・問い合わせ先:0120-54-2047
・URL:http://www.gw2k.co.jp/
・CPU:Athlon 1.2GHz
・チップセット:VIA Apollo KT133
・メモリ(最大):128MB PC133対応SDRAM(512MB)
・HDD:30GB
・FDD:2モード
・DVD-ROMドライブ:最大12倍速(CD-ROM最大40倍速)
・CD-R/RWドライブ:書き込み最大8倍速、書き換え最大4倍速、読み出し最大32倍速
・ビデオチップ:nVIDIA GeForce2 GTS
・ビデオメモリ:64MB DDR SDRAM
・最大解像度:2,048×1,536ドット/1,677万色
・サウンドチップ:EMU10K1
・モデム:56kbps(V.90対応)
・キーボード:109キー(PS/2接続)
・拡張スロット(空き):AGP×1(0)、PCI×5(2)
・インターフェース:USB×4、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、ディスプレイ(Dsub 15ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×2、マイク×1、GAME/MIDI×1、モデム(RJ-11)×1
・本体サイズ(W×D×H):197×413×457mm
・重量:非公開
・OS:Windows Me


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□ゲートウェイのホームページ
http://www.gw2k.co.jp/
□製品情報
http://www.gw2k.co.jp/product/pc/select/
□関連記事
【10月17日】ゲートウェイ、Athlon 1.2GHz搭載デスクトップPC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001017/gateway.htm


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