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トムキャットプロダクツ Virtual Master ネットワークドライブ、CD-Rライティングなど 多彩な機能を持つ仮想CDソフト TEXT：正木堅児　Kenji Masaki

VirtualMaster起動画面。ユーザーの混乱を招かないように、各機能がうまく整理されている

　仮想CDソフトは、HDDの大容量化と並行して着実に普及しつつある。今回紹介する「VirtualMaster」は、仮想CDのみならず、仮想CD-Rシステムやネットワーク機能を持った新しいタイプのソフトである。開発元は3モードFDDやAT互換機上でPC-9801用ソフトを動かすVirtual-98などの開発で知られるトムキャットプロダクツだ。

　本製品は仮想CDの編集やマスタリング作業を行なえるだけでなく、仮想CDをネットワーク経由で共有することによって、グループ内でのコンテンツ配信やCD作成までもが可能だ。さらに、同梱される同社独自開発のCD-Rライティングソフト「CD-Maker」と連動することで、より多彩な機能を実現している点が特徴となっている。

ネットワーク機能を使用するためには、仮想CD-ROMを持つサーバーを設定しておく必要がある

　Virtual Masterの仮想CD-ROMドライブはSCSIデバイスとして認識され、最大16台までのドライブを作成可能だ。そして、このうち1台を仮想CD-Rドライブとして扱うことができる。仮想CD-ROMドライブにマウントするCDデータの作成法には、CDのイメージを直接抜き出す方法と添付のCDライティングソフト「CD-Maker」を使用して、仮想CD-Rドライブにマウントしたブランク仮想ディスクに書き込む方法がある。CDイメージを抜き出すことは簡単で、イメージ化したいCDの入った実際のCD-ROMドライブを指定すると、その内容を解析・表示するので、内容を確認して作成開始を指示すればよい。その後はVirtual Masterが自動的にイメージファイルを作成してくれる。

CD-ROMドライブにCDを挿入し、更新ボタンを押せばディスクの内容を自動解析してくれる。その後は「作成する」ボタンを押すだけで仮想CDが作成される

　次にCD-Makerを使用したCDイメージの作成方法を説明しよう。まず、Virtual Masterの管理画面で仮想ブランクディスクを作成して、仮想CDにマウントし、Virtual MasterのメニューからCD-Makerを起動する。CD-Makerは仮想CD-Rドライブにマウントされた仮想ブランクディスクを見付け、書き込みが可能であることを伝えてくるので、一般的なライティングソフトと同じように元データとなるファイルやフォルダを指定して、書き込みを行なう。前述したCDイメージを抜き出す方法で作成されたイメージに対して追記は行なえないが、CD-Makerでは仮想イメージへトラックアットワンスで書き込むことによって追記が可能となる点が異なる。こうして作成されたイメージは仮想Discラックに登録され、好みの仮想CD-ROMドライブにマウントして、通常のCD-ROM同様に扱うことが可能となるわけだ。

　さらに、これらのCDイメージファイルはCD-Makerを使って、直接CD-Rへ書き出すこともできるため、仮想CDを必要に応じて実際のCDとしてマシンの外部へ取り出すことも可能だ。もちろんCD-Maker単体で、HDD上のファイルをCD-Rに書き込むことや、CDのコピーといった一般的なライティングソフトの機能も備えている。

CD-RライティングソフトのCD-Makerでは、ウィザードにより各種機能を簡単に利用することも可能だ

　ネットワーク上で仮想CDを共有して使用する場合は、各マシンにVirtual Masterをインストールし、その中の1台をサーバーとして設定する。このマシンにネットメディア情報と呼ばれる仮想CD管理情報を書き込み、ネットワークに参加している各マシンがWindowsのフォルダ共有機能を使って利用する。

　このほか、WAV、MPEG1/2ファイルの収められたフォルダを直接仮想CD-ROMドライブへマウント可能な「仮想マルチメディアDisc」を作成することもできる。これをネットワーク共有することで、在庫情報などの共有データやビデオファイルなどを簡単に参照することもできるのだ。

　仮想CD-ROMソフト、CD-Rライティングソフト、ネットワーク共有という三つの機能を組み合わせた本製品は、これまでにない使い勝手のよさを実現してくれる。複雑な構成のCD-ROMを複数人で作成して動作検証を行なったり、データベースを共有し、必要に応じてCD-Rに書き出したりと、多くの用途が考えられるソフトだ。