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NEW PRODUCTS TESTREPORT


日本IBM
ThinkPad i Series1200 1161-41J

扱いやすさにこだわった
15万円を切るベーシックノート

TEXT:中嶋敦司 Atsushi Nakajima



インターネットキーやスクロールボタンを備え、Webブラウザなどとの相性もよい本機のキーボード
 大手PCメーカーの中でも、とくに低価格モデルに積極的な日本IBMだが、この秋、同社のコンシューマ向けA4サイズノートPC、ThinkPad i Seriesに実売で150,000円を切る新モデル「ThinkPad i Series 1200 1161-41J」が加わった。

 この1161-41Jは価格と性能、使いやすさのバランスにこだわった点が特徴的なモデルだ。低価格ノートPCでは、コスト削減のためHPA液晶パネルを採用している機種が多いのだが、本機では800×600ドット表示に対応した12.1インチのTFT液晶パネルを搭載している。店頭などで比較をしてみるとすぐに分かるが、HPAとTFTの表示品質には明らかな開きがあり、反応速度、コントラスト、視野角などの視認性ではTFTのほうが優れている。両者の間には大きな価格差があるため、一概にどちらがよいとは言えないが、家庭などで複数のユーザーに使用されることの多いコンシューマ向けモデルだけに、高価とはいえ、誰の目にも優しいTFT液晶を採用した点は評価したい。


背面部にはUSBやモデム、パラレルポートも備えられ、ノートPCとしては標準的なインターフェース構成だ
 基本性能を見てみると、メインメモリが64MB、ビデオチップにはSiliconMotion LynxEM+、内蔵CD-ROMドライブは最大24倍速と、この価格帯では標準的なものになっているが、PCの速度にもっとも影響するCPUには発表されたばかりのモバイルCeleron 550MHzが搭載されている。こCPUであれば、Webブラウジングやワープロなどはもちろん、音声認識のような重い処理にも対応できるだけの性能を備えているため、通常の使用で処理速度に不満を覚える場面はまずないはずだ。また、HDDは5GBと、競合機種と比べると少々容量が少なく思えるが、動画編集でも行なわない限り、この容量で不足を覚えることもないだろう。


バッテリはワンタッチで、メモリ、HDDはネジを1本外すだけで簡単に取り外すことができる
 もちろんThinkPadブランドを冠されたモデルだけに、低価格機といえどもIBMがこれまで培ってきたノウハウが惜しみなくつぎ込まれている。キーボードは従来どおり十分なキーピッチが確保されたもので、キーストロークこそ上位機種の1620などより若干浅く感じられるものの、その分やや重めのキータッチとなっている。力を入れてキーを押しても底面が歪むことはなく、他社のローコストノートとは一線を画す操作感だ。

 また堅牢性に関しても優秀で、ディスプレイ背面部やパームレスト部の剛性感は高く、持ち運びの際などにも安心して取り扱えるだろう。

 コンシューマ向けのi Seriesらしく、OSにはWindows Meを一早く採用しており、従来のWin98以上の使いやすさを実現している。起動も高速で、試用したモデルは試作機ではあるが、電源をONにしてからMeのデスクトップが現われるまで約20秒と快適なものだった。


本体左側面にはUSBポートと、TypeII/IIIに対応したPCカードスロットが1基搭載される
 バンドルソフトも充実しており、ワープロ、表計算などの統合ソフト「ロータス スーパーオフィス 2000」、これからの年賀状シーズンに役立つハガキ作成ソフト「筆ぐるめ Ver.8.0」、ホームページ作成ソフト「ホーム・ページビルダー2001」、持ち運ぶ機会の多いノートPCユーザーにうれしい仮想CD作成ソフト「CD革命/Virtual Ver3.0」など、実用的なものが中心で好感が持てるラインナップだ。また、Webより最新BIOSファイルをダウンロードし、Windows上からBIOSアップデートが行なえる「eフラッシュ」にも対応している点も見逃せないだろう。


 100,000円近い他社のローエンドノートPCと比較すると、価格ではワンランク上の本機だが、そのユーザーの満足感を第一に考えられたハードウェア、ソフトウェア構成のバランスのよさは、この価格帯以下では本機を除いて手に入るものではないだろう。800×600ドットという解像度は好みの分かれるところだが、この点に納得ゆくならば非常にお買い得と言ってよいマシンだ。


  • 製品名:ThinkPad i Series 1200 1161-41J
  • 標準価格:オープン(IBM PCダイレクト価格149,800円)
  • メーカー:日本IBM株式会社
  • 問い合わせ先:0120-04-1992
  • URL:http://www.ibm.co.jp/
  • CPU:モバイルCeleron 550MHz
  • チップセット:440MX
  • メモリ(最大):64MB(192MB)
  • HDD:5GB
  • CD-ROMドライブ:最大24倍速
  • ビデオチップ:SiliconMotion LynxEM+
  • ビデオメモリ:4MB
  • ディスプレイ:12.1″TFT液晶
  • 最大解像度:800×600ドット/1,677万色
  • サウンドチップ:440MX内蔵
  • モデム:56kbps(V.90対応)
  • キーボード:89キー
  • インターフェース:USB×2、キーボード/マウス(PS/2)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、PCMCIA TypeII/III(CardBus対応)×1
  • 電源:ニッケル水素バッテリおよびAC電源
  • バッテリ駆動時間:2.4時間
  • 本体サイズ(W×D×H):313×252×366mm
  • 重量:2.7kg

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □日本IBMのホームページ
    http://www.ibm.co.jp/
    □製品情報
    http://www.ibm.co.jp/pc/thinkpad/tpi12009/tpi12009a.html
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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp