Click


←Endeavor AT-400C ↑今月のインデックスへ FMV-BIBLO MF5/600R→

NEW PRODUCTS TESTREPORT


高木産業
PNII-C466H

10万円台の価格と性能を両立した
ハイコストパフォーマンスノート

TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto



同社のほかのA4ノートよりも本体が一回り小振りなためか、カーソルキーなどはやや小さくなっている。ファンクションキーの上にはインターネットキーも装備する
 低価格ノートPCでは業界髄一のラインナップを揃える高木産業。これまでも同社のローエンドマシンは11万円台を実現し、業界最低クラスの価格だったのだが、最新モデルとなる「PNII-C466H」では、109,800円というさらなる低価格を実現した。ノートPCの低価格化は急速に進んでいるが、それでも10万円台という設定はそうとうなインパクトがある。

 低価格と聞くと気になるのはその性能だが、本機は基本スペックが充実したマシンでもある。まずCPUだが、この価格帯においてはK6-2/2+を採用するモデルが多い中、本機はモバイルCeleron 466MHzを搭載している。さすがにコアは旧タイプのDixonだが、200,000円前後のノートPCでさえもその多くは500MHz~600MHzクラスのCPUであることを考えれば、非常にコストパフォーマンスが高いと言える。また動作電圧が1.6Vということもあり、発熱も少ない。放熱は小型のファンで行なっているが、本体の熱はあまり気にならなかった。


USB、モデム、サウンドまわりの端子とHDDは、本体左側面に配置されている
 ビデオチップは、Silicon MotionのSMI710(Lynx EM)のビデオメモリ4MB内蔵版が採用されている。最近同社のチップは採用例が増加しているが、本機よりも高価な機種で2.5MB版が採用されている例は少なくない。やはりこちらも本体価格を考えると贅沢な仕様と言える。

 サウンドチップは、Conexant Systems(旧Rockwell Semiconductor)のRipTideだ。これはサウンドチップとモデムチップを統合したチップセットで、低価格化と軽量化に役立っている。

 さらにA4サイズのノートPCだけあって、CD-ROMドライブもしっかりと内蔵されている。ドライブはティアックの24倍速タイプ「CD-224E」で、モバイル用としては標準的なものだ。またCD-ROMドライブは付属のFDDに換装することも可能で、プリインストールされた「Phoenix BayManager」を使うことで、ホットスワップを行なうことも可能になっている。


FDDは内蔵ベイに装着するほか、付属ケーブルで専用インターフェースに外付けにすることもできる

 そして、ローコストPCでは真っ先に容量を減らされることの多いメインメモリとHDDに関しても、本機ではそれぞれ64MB、6GBが確保されており、極端に不足を感じるということはないだろう。こうした基本スペックに手抜きが見られない仕様は特筆に値するするものだ。

 ただし、さすがに液晶パネルは高価なTFTとはいかず、12.1インチのHPA(High Performance Addressing)液晶が搭載されている。これはDSTNの応答速度を向上した廉価版の液晶で、発色は悪くないのだが、視野角や応答速度などは一般的なTFTに劣る。また、解像度も800×600ドット止まりとなる。できれば予算に合わせて20,000円アップ程度でTFTモデルも用意してほしかった。


背面部にはパラレルポートのほか、PS/2端子も用意されているので、デスクトップ用のキーボードやマウスを接続することもできる

 また、バッテリも気になる部分の一つだ。リチウムイオンタイプではなく、ニッケル水素タイプを採用しており、バッテリ駆動時間はカタログスペックで1.5時間と短い。実際に使用してみても、ほぼ同程度の駆動時間であった。ただ、A4ノートはデスクトップPCの代わりに使うユーザーも多く、そういった使い方では大きな問題とはならないだろう。

 全体的な使用感としては、液晶表示を除けば、パフォーマンスや操作性もよく、総じて非常に良好なコストパフォーマンスを実現しているように感じられた。少しでも安価なノートPCを探しているユーザーならば、ぜひとも選択肢に加えてほしいマシンだ。


  • 製品名:PNII-C466H
  • 標準価格:109,800円
  • メーカー:高木産業株式会社
  • 問い合わせ先:0120-339-606
  • URL:http://www.purpose.co.jp/pc/
  • CPU:モバイルCeleron 466MHz
  • チップセット:Intel 440BX
  • メモリ(最大):64MB(160MB)
  • HDD:約6GB
  • FDD:3モード
  • CD-ROMドライブ:最大24倍速
  • ビデオチップ:Silicon Motion SMI710
  • ビデオメモリ:4MB SDRAM
  • サウンドチップ:Conexant RipTide
  • モデム:56kbps(V.90対応)
  • キーボード:90キー
  • インターフェース:USB×1、キーボード/マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、IrDA×1、PCMCIA TypeII(CardBus、ZVポート対応)×1、外部FDD×1
  • 電源:ニッケル水素バッテリまたはACアダプタ
  • バッテリ駆動時間:約1~1.5時間
  • 本体サイズ(W×D×H):283×220×36mm
  • 重量:約2.6kg

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □高木産業のホームページ
    http://www.purpose.co.jp/pc/
    □製品情報
    http://www.purpose.co.jp/pc/lineup/pn2-c466h.htm/
    □関連記事
    【8月18日】高木産業、109,800円のノートPC
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000818/purpose.htm


    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp