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フェイス INSPIRE K7-1.1G/TBS 基本構成で20万円を切る Athlon 1.1GHz搭載機 TEXT：清水理史　Masashi Shimizu

本機もINSPIREシリーズ共通のケースを採用している。基本に忠実な設計だが、剛性感やメンテナンス性は高く、長く使うことのできるものだ

　フェイスから、現在最速のCPU、AMD Athlon 1.1GHzを搭載した「INSPIRE K7-1.1G/TBS」が登場した。IntelとAMDによるCPUのスピード競争は激しくなる一方だが、Pentium III 1.13GHzのリコール問題などもあり、本稿執筆中の9月中旬現在ではAthlonが頭一つリードした形となっている。

　本機の特徴は、基本性能、拡張性、メンテナンス性の高さだ。今回試用したモデルの基本スペックを見ると、まずCPUには256KBのフルスピード2次キャッシュを搭載したSocketA版のAthlon 1.1GHzが採用されていた。これを搭載するマザーボードのASUSTeK A7V-WORは、チップセットにVIA Apollo KT133を搭載したATXフォームファクターのマザーボードで、PROMISE TECHN OLOGY製のUltra ATA/100コントローラがオンボードで実装されている。搭載されていたATA/100対応の7,200rpm、容量30GBのHDD“IBM DTLA-307030”も、このコントローラに接続されていた。今や、現行のHDDの大半はATA/100対応になっていることを考えると、搭載されるドライブの性能を最大限に引き出すだけでなく、将来の拡張という意味においても、このコントローラが採用されている意義は大きい。

2theMax製のGeForce2 MX搭載ビデオカード。GeForc256並みの高性能を安価に提供してくれる

　このほか、試用機にはビデオカードとしてGeForce2 MXと32MBのビデオメモリを搭載した2theMAX製のビデオカード、メインメモリにPC133対応の128MB SDRAMが搭載されていた。こういった構成は高速なAthlonの動作を考慮しても、システム全体のボトルネックとならない速度を持ち、コスト面でも有利なものだ。試用機にはさらに、サウンドカードとしてクリエイティブメディアのSound Blaster Live! Value、56kbpsモデムカード、パイオニア製16倍速DVD-ROMドライブどが搭載され、198,000円と非常に魅力的な価格となっている。OSは別売りだが、14,700円でOEM版のWindows Meも搭載可能だ。この構成であれば、多くのユーザーはパフォーマンスに不満を覚えることはないだろう。

　さて、上記の構成は、INSPIRE K7-1.1G/TBSの基本構成だが、各パーツはBTOによるカスタマイズが可能だ。HDDやメモリ容量の変更はもちろん、ケースやマザーボードを交換したり、SCSIカードなどを追加したりすることもできる。基本構成でも十分高速な本機だが、さらなるスピードを求めたい場合などには、ビデオカードをGeForce2 GTSと64MBのDDR SDRAMを搭載したギルモの3D Prophet2 GTSに変更し、メモリを追加するといったカスタマイズもおもしろいだろう。

試用機に搭載されていたAthlon 1.1GHzのダイ部分

　一方、拡張性やメンテナンス性だが、こちらも非常に優れている。ケースは、ATX規格に対応しているが、通常のミドルタワーケースよりも一回り、とくに奥行きが大きい。このため、内部スペースに余裕を持った設計となっており、メモリやHDDの増設作業も楽に行なえる。内蔵ベイも豊富で、5インチ×2、3.5×4（うちシャドーベイ3）と多数の空きが用意されている。

　また、ケースのサイドパネルや3.5インチ内蔵ベイは、ドライバレスで取り外すことが可能だ。本機のようなBTOに対応したPCは、ユーザーの手による機器の増設を前提とするベースマシンとして利用されることも多いが、ここまでの拡張性、メンテナンス性を備えていれば、後からいかようにも拡張していけるだろう。

　以上のように、INSPIRE K7-1.1G/TBSは、Athlon 1.1GHzが持つ高性能に加え、将来的な拡張への不安もないPCと言える。インターネットやビジネスアプリケーションの利用から、3Dゲームや映像・画像処理まで、あらゆる用途に対応できるPCとして、オススメしたい1台だ。