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任天堂、次世代ゲーム機を発表!
遂にベールを脱いだ次世代ゲーム機「NINTENDO GAMECUBE」

会場
8月24日 発表

幕張メッセ(新館ホール9~11号館)



 任天堂株式会社は24日、25日から開催される同社のプライベートショウ「NINTENDO SPACE WORLD 2000」に先駆け、幕張メッセにおいて新製品発表会を開催。'99年の5月に発表された次世代ゲーム機「NINTENDO GAMECUBE(コードネーム:Dolphin)」の詳細な仕様とデモ画像がついに公開された。また、飛躍的に機能が向上し、1週間ほど前から画面写真がWEB上でも公開され期待が高まっていた携帯ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」に関しては実際に遊べるものを潤沢に展示。携帯電話を使ったネットワーク構想“モバイルシステムGB”のプレゼンテーションも同時に行なわれ関心を集めていた。

 なお、「NINTENDO SPACE WORLD 2000」は25日から27日までの3日間、幕張メッセの9、10、11ホールを使って行なわれる。開催時間は9時から16時までで、入場は無料となっている。会場ではゲームボーイアドバンスで遊ぶことができるが、残念ながらNINTENDO GAMECUBEは展示されない。


■どんな夢を見せてくれるのか? 最強の“ゲームマシン”「NINTENDO GAMECUBE」登場

任天堂発表会
竹田玄洋氏が持つNINTENDO GAMECUBE。意外と小さくかわいらしいデザイン。カラーバリエーションも用意されるようだ
 任天堂は、'99年5月に発表していた次世代ゲーム機コードネーム:Dolphinの正式名称をついに発表した。その名は「NINTENDO GAMECUBE」。CUBEの名称はその本体デザインからきている。この夏すでに2つの“CUBE”が発表済みだが、同社によれば「CUBEの名称がはやっているが、べつにあわてて真似したわけではない」とコメントしている。発売は「これまで発表したとおり今決算中の発売はない」と前置きし、2001年7月を予定しているという。価格は未定。同時に5タイトルのゲームの発売が予定されている。また北米での発売は2001年10月を予定。

 発表会終了後に配られた資料には詳しいスペックが記載されていたが、発表会ではスペックにはほとんど触れず、デモを通してNINTENDO GAMECUBEの実力を証明して見せた。壇上に立った任天堂の竹田玄洋氏は「NINTENDO 64の反省点として、ゲーム開発を複雑化させすぎた。チューンナップすればすばらしいゲームは作れるが、そのことでゲームは重厚長大化し、ゲーム市場の崩壊を招きかねない状態となった。今回はピーク性能ではなく持続性能を重視し、常に安定した実力を出すために工夫している」とコメント。
 また、マリオの生みの親で同社のゲーム開発を手がける宮本茂氏も「これまではCPUの最高値やいろいろなハードの性能をメーカーから聞かされ(機能を使いこなせると思い)何度もだまされてきた。今回初めて正直なハード屋さんに出会った」とNINTENDO GAMECUBEを表現した。また「我々(任天堂)は、ただハードを作っていればいいわけではない。開発環境やコンバータなどをそろえて、ゲームの開発者が開発しやすい環境を作っていけるようにする」と会場にも詰めかけたゲーム関係者にアピールした。

「NINTENDO GAMECUBE」。大きさは驚くほど小さくデザインもかわいらしいものとなっている。ディスク挿入口の手前にはランプがついている ふたを開けたところ。中には8cmディスクしか収納できない。'99年の発表時にはDVD再生機能バージョンを松下電器が出すと言うことだったが、今回それに類する発表はない 向かって右側側面。窓から中をかいま見ることができる
こちらは向かって左側側面。大きなファンが見える 背面には大きな取っ手がついて持ちやすくなっている。そのしたにはAV出力端子部が設置されている。 これが底面図。3つのポートが設置されていることがわかる。「BROADBAND ADAPTER」はSERIAL PORT 1にセットする



MPUIBM PowerPC “Gecko”
製造プロセス0.18μm銅配線技術
クロック周波数405MHz
CPU性能925DMips(Dhrystone 2.1)
内部データ精度32bit整数&64bit浮動小数点
外部バスバンド幅1.6GB/秒(ピーク)
内部バスキャッシュL1:命令32KB、データ32KB(8Way)、L2:256KB
システムLSI“Flipper”
製造プロセス0.18μm NEC DRAM混載
クロック周波数202.5MHz
混載フレームバッファ約2MB(1T-SRAM)
混載テクスチャキャッシュ約1MB(1T-SRAM)
テクスチャReadバンド幅12.8GB/秒(ピーク)
メインメモリバンド幅3.2GB/秒(ピーク)
画像処理機能フォグ、サブピクセルアンチエイリアシング、HWライト×8、アルファブレンディング、バーチャルテクスチャ設計、マルチテクスチャリング/バンプ/環境マッピング、MIPMAP、True Bilinear Filterling、リアルタイムテクスチャ解凍(S3TC)など
サウンド16bit DSP(システムLSIに内蔵、102.25MHz、64ch 48kHz ADPCM)
システム浮動小数点演算性能13GFLOPS(ピーク、MPU、Geometry Engine、HW Lighting総計)
実力表示性能600万~1,200万ポリゴン/秒(実際のゲームを想定した複雑さのモデルおよびテクスチャ等での表示性能)
システムメインメモリ24MB 接続レイテンシ性能10ns以下(1T-SRAM)
Aメモリ16MB 100MHz DRAM
ディスクドライブCAV(回転角速度一定)方式 平均アクセスタイム128ms データ転送速度16M~25Mbps
メディア松下電器産業 光ディスクテクノロジー 直径8cmディスク 容量約1.5GB
入出力コントローラポート×4、デジカードスロット×2、アナログAV出力×1、デジタルAV出力×1、シリアルポート×1、ハイスピードポート×1
使用電源専用ACアダプタ DC12V×3.5A
本体サイズ150×161×110mm(幅×奥行き×高さ)

 持続性能重視の工夫として竹田氏は、1T-SRAM技術とCPUの大容量2次キャッシュメモリを挙げた。1T-SRAMはメインメモリやグラフィックスLSI用混載メモリに採用された遅延の少なくなる技術で、同社によればこれらの採用でボトルネックを取り除き、常に安定した性能を実現したとしている。

NINTENDO GAMECUBEの基板。これだけではないと思うが、非常にきれいだ。右側写真がCPUのアップ写真。型番が記載されている


 会場で公開された映像はすばらしいもので、128人のマリオがAIでそれぞれ動き回るデモ映像「スーパーマリオ128」は、リアルタイムに地形を変化させたり光の処理を変化させたりしてみせた。マリオのデータはNINTENDO 64のスーパーマリオ64のCADデータをベースにしたもので、開発が容易である点を強調。すべて少しづつ違うマリオがそれぞれ動き回り、それらの衝突計算やアニメーションもリアルタイムに計算されている。
 このほか、任天堂の歴代キャラクタが登場するムービーが流されたほか、現在放映中のアニメ「ポケットモンスター」のエンディングをNINTENDO GAMECUBEで描いて見せただけでなくリアルタイムにカメラを変更して見せた。これらのデモ映像はすばらしいが、純粋に映像的なインパクトという点では、プレイステーション2などが発売されている現状では、感動は薄いと言わざるを得ない。

【スクリーンショット】


(C)2000 Nintendo
(C)1995-2000 Nintendo/Creatures inc./GAME FREAK inc.

 ゲームを収録するメディアはDVDを使用する旨がすでに発表されているが、本日の発表では松下電器が開発した“光ディスクテクノロジ”としており、CDシングルと同サイズの直径8cmのディスクを採用した。容量は約1.5GBで、松下が開発した著作権保護技術を採用。ドライブはCAV方式で平均アクセスタイム128ms、データ転送速度は16~25Mbpsとなっている。NINTENDO GAMECUBEを間近に見た感じでは8cmディスクしか入るスペースはないようで、12cmディスクは物理的に入らない仕組みのようだ。基本的にはこれまでのカートリッジからディスクに変わっただけという印象だ。竹田氏は「8cmというファッショナブルなサイズがゲームのデファクトスタンダードになるだろう」とコメントしたが、もっとも重視しているのはコピー防止などの理由と思われ、特別なシステムであることを考えればデファクトスタンダードになるとは少々考えにくいだろう。

 ゲームの進行状況をセーブするメモリはプレイステーションのように専用メモリーカード「GAMECUBE DIGICARD」が用意される。4Mbitのフラッシュメモリを採用している。また、周辺機器として、64MBのSDメモリカードを読み書きできる「SD-DIGICARD ADAPTER」が用意されるという。これは「松下との包括提携により……」と前置きがあり、任天堂としてはそれほど重要視していないのではないだろうか? と考えるのは穿ちすぎだろうか。

 ゲームを遊ぶ場合に重要なコントローラもいろいろと改良されている。NINTENDO 64で採用された3Dスティックだが、今回も継承されている。ただ位置は左手に近づき、滑りにくく親指で操作しても痛くないように変更されたという。ボタンは右側に大きなAボタンと、それを取り囲むように3つのボタンが設置されている。Aボタンが大きいのは「まずはAボタンを押すだけでゲームができるようなシンプルなものを目指した(宮本氏)」と言うことが理由のようだ。このほか、右上部にZトリガー、左右背面にL、Rボタンが配置されている。また、NINTENDO 64では右上に配置されていた黄色い4つのボタンに近い用途が想定されるキーが右下にスティック状で配置されている。「視点の移動などが考えられる」という宮本氏のコメントが用途を言い表わしている。このほか左下に十字キーが配置されている。
 宮本氏は「一見して複雑に見えるが、大きなAボタンや押し間違いのない配置で、より洗練された」とコントローラの形状について語っている。また、NINTENDO 64では振動ユニットは周辺機器として提供され電池も必要であったが、今回は必要なくなっており重量も軽くなっていると言うことだ。

 このほかに、ゲームボーイアドバンスを接続することも可能となっている。ちょうどDreamcastのような状態となり、「フットボールなど対戦相手に見せたくない情報を手元に表示することもできる(宮本氏)」と説明した。
 任天堂は周辺機器としてRF方式のワイヤレスコントローラセット「WIRELESS CONTROLLER WAVEBIRD」の発売を予定している。通信距離は約10m。発表会の時点ですでに稼働モデルが完成していた(ただし、デザインはまだ完成していない)。「会場はノイズだらけ」との前置きがあったにもかかわらずデモでは何の問題もなく作動していた。

NINTENDO GAMECUBEのコントローラ。宮本氏曰く「NINTENDO 64より3Dスティックが持ちやすい居場所に変更されている」とのこと。コントローラの解説に時間を割くところが任天堂らしい
WIRELESS CONTROLLER WAVEBIRD ゲームボーイアドバンスを接続することもできるようになるという


 発表会では周辺機器も同時に発表された。その中でも注目なのは広帯域ネットワークとの接続アダプタ「BROADBAND ADAPTER」と56Kbps V.90対応モデム「MODEM ADAPTER」だろう。これらはNINTENDO GAMECUBEの底面にあるスロットに差し込むこととなる。
 竹田氏は「NINTENDO GAMECUBEは多機能情報AV機器を目指すのか? ゲーム機なのか ? と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。NINTENDO GAMECUBEはゲームを遊ぶことに焦点を絞った最高傑作です」と表現し「ゲーム機として普及させて別分野で覇権をとろうとは考えていない」と続けた。なのにこういったネットワーク関連機器を発表する理由については、「ゲームを楽しむためにどん欲に新技術を取り入れていく」と少々苦しいコメントを残している。
 このほかの周辺機器としては、D端子に対応した「DIGITAL VIDEO CABLE」を用意しているほか、コンポーネント端子対応バージョンの発売も予定している。



BROADBAND ADAPTER MODEM ADAPTER このように底面にセットするようになっている


 ゲームの開発に関する発想を180度転換しアピールしてみた任天堂。そのアピールは開発者に届いたのだろうか。発表会では海外の記者席から熱狂的な声援が飛んでいた。開発環境に関しても揃えるためにかなりがんばっていると言った声も聞こえる。これから約1年後にはその答えを見ることができる。
 また、グラフィックに関してはプレイステーション2と同等に見えるが、なにより恐ろしいのはそのハードを手に入れた任天堂のソフト開発部隊だろう。技術力には定評があるだけにソフトの完成が楽しみだ。

□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□NINTENDO GAMECUBEのページ
http://www.nintendo.co.jp/n10/gamecube/index.html
□NINTENDO SPACE WORLD 2000のページ
http://www.nintendo.co.jp/n10/sw2000/index.html
□NINTENDO OF AMERICAのホームページ(英文)
http://www.nintendo.com/
□NINTENDO SPACE WORLD 2000のページ(NINTENDO OF AMERICA、英文)
http://www.nintendo.com/home/features/spaceworld2k/index.html
□関連記事
【'99年5月12日】松下電器と任天堂、次世代ゲーム機を主体とした家電戦略で提携
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990512/dolphin.htm
【'99年5月13日】任天堂が次世代コンシューマ機「DOLPHIN」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990513/e3_01.htm

(2000年8月24日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp / Photo by 若林直樹(STUDIO海童)]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp