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NEW PRODUCTS TESTREPORT


アイ・オー・データ機器
PK-P2A667NX
PK-P2A566NX

NECとの協力で生まれた
高性能CPUアクセラレータ

TEXT:水島伸行 Nobuyuki Mizushima



CPUファンも標準搭載されているので、放熱の心配もない
 性能向上の著しいPCパーツにおいて、近年もっとも急速なスピードで進化を遂げているものの一つがCPUだ。CPUが高速化することは、生産性の向上をもたらすという非常に大きなメリットがある。しかし、毎月のように登場する高クロック版CPUの登場に合わせてメーカー製PCのモデルチェンジサイクルも短くなる傾向にあり、ユーザーの購入したPCが、わずか1、2年で陳腐化してしまうという状況にあることも確かだ。

 こういった状況を解決する一つの方法がCPUアクセラレータだ。汎用のCPUをアダプタやソフトウェアで特定の機種向けにカスタマイズし、その機種での動作を保証してあるだけでなく、換装法も解説することで比較的知識の少ないユーザーでも利用することを可能としている。


ハードウェアのセットアップは、CPUを差し換える程度。メモリを増設できるほどの知識があれば、簡単にこなすことができるだろう
 今回紹介するアイ・オー・データ機器の「PK-P2A667NX」と「PK-P2A566NX」もそうした製品の一つで、対応機種は97年から98年に発売されたNECのPC98-NXのVALUESTAR、MATEシリーズ、および旧パッカードベルNECのAvanza NXといった合計450以上もの機種に対応する。667NXおよび566NXはそれぞれ、CoppermineコアのCeleron 667/566MHzを搭載しており、98年当時主流だったPentium II 233MHzやCeleron 300AMHzといった旧タイプのSlot1 CPUと置き換えるものだ。もちろんこれらの機種の中には、Coppermine非サポートの440LXチップセットを採用した機種も多い。しかし667/566NXは、440LX搭載機でも動作する点もウリの一つで、これらの機種に高クロックで動作する最新CPU環境を提供する。

 440LXでの動作を含め、多機種にわたるサポートを可能にした背景には、本体メーカーであるNECの協力がある。これにより開発時の技術的な支援を得られただけでなく、NEC系列のサポート会社NECフィールディングによる有償取り付けサービスや保守サービスを受けることも可能となった。


Slot1用のドーターカードにSocket370版のCeleronが搭載されている。なお、写真の4ピン電源端子は試作機だけのもので、製品では省略されている
 さて、今回はPentium II 233MHzと440LXを搭載したPC98-NX MATE MA23Dに667NXを取り付けた。まず、CPU換装の前に、付属のユーティリティ「N-PAT」をインストールする必要がある。とはいえユーザーが行なうのはWebブラウザ上で動作するメニューから交換対象の機種名を選択するだけだ。あとは画面の指示に従い、FDを挿入すればN-PATセットアップディスクと呼ばれる起動ディスクが作成される。作成したFDからマシンを再起動するとDOSベースのアプリケーションが自動起動する。マニュアルには表記されていないが、これはBIOSメーカーPhoenixのBIOS書き換えユーティリティであり、この時点でBIOSを独自のものにアップデートしているようだ。そして再びマシンを再起動させ、Windows 98が起動することを確かめてから電源を落とし、ケースを開ける。ここでPentium IIを667NXに換装するのだが、この作業はドライバーが1本あればすむ単純なものだ。基本的にはCPU固定金具を外し、Pentium IIをSlot1から抜いた後、667NXを装着するだけだ。その後は再びケースを閉めれば作業は完了する。特別なキャッシュ管理ソフトやドライバをインストールする必要はない。

 なお、サポートするOSはWindows 98/95/NT 4.0のみで、Windows 2000はサポート対象外となっているので注意が必要だ。


N-PATのインストールは、基本的に使用機種を選択するだけでよい N-PATセットアップから呼び出されるPhoenixのBIOS書き換えユーティリティ


 メモリを128MB増設し、換装前と後で、Super Piの104万桁計算終了時刻を計測してみたが、Pentium II 233MHzが8分20秒、566NXが4分55秒、667NXが4分38秒となっており、566NXも667NXも2倍近い性能向上を示した。

 価格は566NXが29,800円、NX667が44,800円となっており、それぞれのCPUの単体価格の2、3倍となるが、一昔前のマシンが最新CPU搭載機に生まれ変わるメリットは大きい。既存のマシンを末永く使い続けたいユーザーは活用してみてはいかがだろう。


  • 製品名:PK-P2A667NX
  • 標準価格:44,800 円
  • 製品名:PK-P2A566NX
  • 標準価格:29,800円
  • メーカー:株式会社アイ・オー・データ機器
  • 問い合わせ先:076-260-1024
  • URL:http://www.iodata.co.jp/
  • CPU
      PK-P2A667NX:Celeron 667MHz
      PK-P2A566NX:Celeron 566MHz
  • CPUタイプ:Slot1
  • 対応OS:Windows 98/95/NT 4.0
  • 対応機種:97、98年に発売されたNEC PC98-NX VALUESTAR、MATE、パッカードベルNEC Avanza NXのうち、450機種以上


    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □アイ・オー・データ機器のホームページ
    http://www.iodata.co.jp/
    □製品情報
    http://www.iodata.co.jp/products/cpu/pkp2anx/index.htm
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    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp