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デルコンピュータ Dimension 4100 i815Eを採用した
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
本機の前面および背面。CRT端子は拡張カードのものが利用される仕様となっており、バックパネル部には用意されない |
本機に搭載されるマザーボードは、ボードレイアウトから推測するとIntel D815EEAのカスタム版のようで、リテール販売版よりDIMMスロットが1本少ない2本構成となっているほか、BIOSも本機向けにチューンされている。
デル独自のBTOにより、構成パーツを柔軟に選択可能な点は従来と同様だ。CPUはFSBクロック133MHzに対応したPentium III 933/866/800EB/733/667MHzから選択でき、試用機にはFC-PGAタイプの800EBMHzが搭載されていた。CPUの冷却にはファンレスのヒートシンクが用いられているが、これを囲うようにケースファンへと直結したエアダクトが設置され、CPUの熱はケース内部にとどまることなく外部へ排出される。
マザーボード自体の機能はシンプルで、その分自由な構成が可能な点は大きなメリットだ |
ドライブベイは、内蔵HDDおよび3.5インチFDD用にそれぞれ専用のベイが用意され、5インチと3.5インチの外部ベイもそれぞれ二つ用意されている。このうち5インチベイには12倍速のDVD-ROMドライブ、3.5インチベイには250MBのZipドライブが装備されており、各一つずつのベイが空きとなっている。なお、DVD-ROMドライブの選択時にはソフトウェアDVDプレイヤーのWinDVD 2000がバンドルされる。
また、メモリはi815Eの仕様に合わせてPC133対応のSDRAMが採用されている。試用機には128MBのDIMMが取り付けられており、最大512MBまで増設可能だ。なお、HDDはUltra ATA/100に対応したモデルもあるが、SeagateのUltra ATA/66対応、回転数7,200rpmモデル、Barracuda ATA IIの30GBタイプが搭載されていた。
i815の場合、GMCHにi810相当のビデオ機能を内蔵しているが、本機のマザーボードにはCRT端子が用意されておらず、これを利用することはできない。試用機には4Xモードに対応したAGPスロットにnVIDIAのGeForce 256搭載カードが搭載されていたが、このほかRIVA TNT2 M64搭載カードやATI RAGE 128 PRO搭載カードなども選択可能だ。これはサウンド、LANなどに関しても同様で、BTOによる選択は可能だが、i815EのICH2内蔵機能は利用されていない。なお、本機にはサウンドカードとしてクリエイティブメディアのSound Blaster Live! Valueが、LANカードには3ComのEther Link XLがそれぞれPCIスロットに装着されている。
このように、統合型チップセットであるi815Eの機能を使い切っていないと思われる面もあるのだが、ゲームやクリエイティブな用途に使われることも多いXPS Tの後継という性格を考えると、i815E内蔵のビデオやサウンド機能ではいささか不満が残ることも確かだ。そこであえてこれを利用せず、市場の評価が高いパーツで周辺を固めることは、購入したユーザーを納得させたいという、デルらしい堅実なアプローチなのだろう。
試用機には上記の構成にWindows 98SEとOffice 2000 Personalがプリインストールされ、その際の価格は186,600円とコストパフォーマンスも高い。選択可能なパーツはいずれも高性能な上、AGP4XやUltra ATA/100にも対応し、将来的な拡張性も高いため、末永く付き合うことができるスタンダードマシンと言えそうだ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□デルコンピュータのホームページ
http://www.dell.com/jp/
□製品情報
http://www.dell.com/jp/jpn/dhs/products/spec_dimen_4100_desktops.htm
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【7月12日】デル、Intel 815Eチップセット採用新シリーズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000712/dell.htm