挨拶する辻本憲三社長 |
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会場にはPS2用ソフト「鬼武者」などが展示された |
カプコンは以前よりマルチプラットフォーム戦略を推し進めているが、今回さらに一歩踏み込んだ内容が公表された。同社はプレイステーション2、Dreamcast、ドルフィン、X-Box、PCなど、それぞれのプラットフォーム用のオリジナルエミュレーションソフトを作り、その上で動くゲームを制作。1つのゲームタイトルを全プラットフォームに向け、同スペックで同時発売、同価格で発売していきたいという。
同社のゲーム制作を指揮する常務取締役の岡本吉起氏は「ハードを持っているかどうか、ユーザーが気にすることなくゲームを楽しむことができる。我々としてもハードウェアのシェアを気にすることはない。そしてすべてのユーザーがネットワークに繋げてくれればいい」と発言。
同じソフトが同スペックで動作すると言うことは各マシンの独自性が発揮されないことになるがその点について岡本氏は「確かにその通りだが、現在次世代機のスペックは上がってきており、ここまで表現力があがればDreamcast程度のことは実現できるようになってきた。我々は各プラットフォームのゲームを制作してきて(プラットフォーム間の)最大公約数を知っている。それを利用すれば移植も簡単だと言うことだ」という。また、他メーカーから要請があった場合に関しては、「(外販も)考えられるだろう」としている。
このマルチプラットフォームの切り札としてカプコンが用意しているソフトが、ネットワークに対応した「バイオハザード」だという。このソフトはウワサされている「バイオハザード4」とは別ラインで制作されているもので、「ユーザーがバイオハザードの世界に入り込み、体感できるものを目指す」という。
このほかにもカプコンは、各国のデベロッパと契約を結びパブリッシャ業務を通して世界戦略を推し進めるという。日本ではゲームアーツ、英国ではEidos InteractiveやVirgin Interactive、米国ではHAVAS Interactiveといったメーカーと提携を結んでおり、すでに有力タイトルの獲得に成功している。
そのひとつ「Diablo II」に関しては「7月1日、世界同時リリースなので、(日本語取扱説明書同梱版の発売を)日本でも間に合わせたい。前作『Diablo』は日本でも10万本は販売されたので、今回は軽く20万本は売れると考えている(岡本氏)」とコメント。価格は8,800円を予定しているという。
ネットワークゲームとしては、カプコンが総力を挙げて開発中というPC用RPG「レインガルド」の映像も公開された。このゲームは5,000人が同時にネットワークに接続して遊べるというもので、10月のスタートを予定しているという。ストーリーがあると言うこと以外は特に公開されていないが、暖かみのあるグラフィックでこれまでの海外のRPGとは一線を画したゲームに仕上がりそうだ。
発表会の後には懇親会も行なわれたがその会場には、セガ・エンタープライゼスの岡村秀樹執行役員も姿を見せていたほか、マイクロソフトのX-Box担当者なども挨拶を交わしていた。
社長を中心に各取締役がずらっと並ぶ | 制作を取り仕切る常務取締役の岡本吉起氏 | パブリッシャ業務として世界各国のメーカーと手を結んでいく |
カプコンが10月のサービスを目指しているPC用オンライゲーム「レインガルド」 (C)CAPCOM CO.,LTD. 1999, 2000 ALL RIGHTS RESERVED. |
(2000年6月6日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]