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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
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日本IBM Aptiva 47L 2196-7L510万円オールインワンPCの 定番製品がフルモデルチェンジ
TEXT:清水理史 Masashi Shimizu |
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このたびのモデルからフロントパネルにUSBとヘッドホン、マイク端子が装備された |
日本IBMの個人向け低価格PC「Aptiva E Series」がラインナップを一新した。99年9月の発表以来、同シリーズで3代目となる今回のモデルは、筐体デザインが一新され、使いやすさや機能面での強化も図られている。その製品コンセプトは明確で、「もっとインターネットが近くなる」というキャッチコピーのとおり、ネットサーフィンやE-mailの利用を手軽で安価に実現するという点に焦点が合わされている。今回はこのEシリーズから、現在もっとも注目度の高い、10万円以下の価格帯に投入される「Aptiva 47L」(以下、47L)のレビューをお届けしよう。
まず目に付くのは、縦、横両方での設置が可能なスリムタワーのボディと、パールホワイトを基調にマゼランブルーを配した新たなデザインだ。IBMのPCというと、どうしてもビジネス向けのイメージが先行しがちな筐体だったが、今回のEシリーズは高級感さえ漂っており、プライベートルームやリビングなどに設置しても違和感のない仕上がりとなっている。さらにこのケースの前面には二つのUSBポートとヘッドホン、マイク端子が備えられ、使い勝手も格段に向上している。
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効率よく各パーツが配置された筐体内部。マザーボードはFlexATX仕様となっている |
スペック面ではCPUこそ従来機Aptiva 27JのAMD-K6-2 500MHzから533MHzへの変更にとどまっているものの、マザーボードレベルで再設計が行なわれており、内部的にはまったく別物のマシンとなっている。注目されるのはチップセットが従来機のSiS530から128bitのビデオコアを持つSiS540に変更されたことで、これに伴い2D/3D描画性能は大幅に改善された。また、メインメモリもPC100対応のモジュールから、PC133対応のものへと変わっており、一部の領域をビデオメモリとシェアすることによって発生する高い負荷も若干緩和されている。HDD容量も27Jの1.5倍となる15GBを搭載し、さまざまなアプリケーションのインストールや、MP3ファイルの保管などにも十分に対応可能だ。
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Low Profile仕様のPCIカードを3枚まで装着することが可能だ |
拡張性に関してはLow Profile仕様のカードに対応することで、スリムな筐体ながら3本のPCIスロットを確保している。今後このタイプのカードは普及が予想されるが、現時点では選択肢が少ないので、将来的な拡張を約束するものと考えておくのがよいだろう。とはいえ、サウンド、モデム、ネットワークなど、必要な機能はほぼ内蔵されているため、不便に感じることも少ないはずだ。
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背面には、ネットワークとモデムポートを両方備える |
プリインストールされるアプリケーションで主なものは、表計算、ワープロなどがワンセットになった「ロータス スーパーオフィス 2000」と音声認識ソフト「ViaVoice Pro ミレニアム+VoiceATOK 3」だ。そのほかには、各種プロバイダへの入会ソフトなどが付属しており、買ったその日からインターネットを利用することも可能だ。ソフトウェアには数千円~数万円も必要となるため、10万円PCの購入者層にとっては無視できない出費となる。そのため、ソフトに対する追加投資が発生しない点もメリットの一つと言える。
実際に本機を操作してみても、Internet Explorer 5.0やスーパーオフィスを利用した際にパフォーマンス面での不満を感じることはなく、快適な操作感を得ることができた。また、キーボード上に配置されたEZアクセスボタンを一押しするだけでWebブラウザやOutlook Expressが起動する点などは、初めてPCに触るユーザーにも理解しやすいもので、本機を必要とするユーザー層には重宝されるだろう。
ビギナーがインターネットの利用を目的としてPCを購入する際には、ハードウェアスペックだけではなく、使い勝手や安定性、バンドルソフトなど、システムとしての総合的なバランスを重視して製品を選びたいところだ。この意味で、本機は確実に及第点以上の完成度を持っている。新学期を迎えた学生や新社会人など、そろそろパソコンを始めようかと考えている場合はもちろん、気軽にインターネットを楽しむ2台目のPCとしてもお勧めできるマシンである。
製品名:Aptiva 47L 2196-7L5
標準価格:99,800円(IBM PC Direct価格)
メーカー:日本IBM株式会社
問い合わせ先:0120-04-1992
URL:http://www.ibm.co.jp/
CPU:AMD-K6-2 533MHz
チップセット:SiS540
メモリ(最大):64MB(256MB)
HDD:15GB(Ultra ATA/66)
FDD:2モード
CD-ROMドライブ:最大40倍速
ビデオチップ:SiS540内蔵
ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を使用(最大16MB)
ディスプレイ:15″ブラウン管
最大解像度:1,280×1,024ドット/1,677万色
サウンドチップ:SiS540内蔵
モデム機能:56kbps(V.90/K56flex対応)
キーボード:109キー
拡張スロット(空き):Low Profile PCI準拠PCI×3(2)
インターフェース:USB×4、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×1、パラレル(Dsub 25ピン)×1、CRT(Dsub 15ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、マイク×1、GAME/MIDI×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ45)×1、モデム(RJ-11)×1
本体サイズ(W×D×H):90×382×307mm
重量:7kg
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□製品情報
http://search.jp.ibm.com/pc/aptiva/apest04/apest04a.html
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【4月12日】IBM、低価格PC「Aptiva Eシリーズ」を一新。Pentium III、CD-RW搭載機も
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000412/ibm.htm
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp