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プロカメラマン山田久美夫の

ビジネスシヨウ 2000 TOKYOデジカメレポート

開催期間:5月23日~5月26日(23、24日は招待日)

会場:東京ビッグサイト 東棟1~6ホール

出展社数:628社


 今年のビジネスシヨウのデジタルカメラ分野は、例年デジタルカメラの新製品を公開するリコーが出展せず、意欲的な新製品を発表したばかりのキヤノンの独壇場だった。
 また、NTTドコモやJ-PHONEなど携帯通信系でも、デジタルカメラ機能を備えたモデルや参考出品が数多く登場しており、今後、デジタルイメージングと携帯通信を組み合わせた様々な展開が期待されるイベントとなった。


●キヤノン:話題の「IXY DIGITAL」と「EOS D30」を出品

 今回のビジネスシヨウで、携帯電話以外の分野でもっとも注目を浴びていたのがキヤノンだ。ビジネスシヨウでの同社は、これまでBJプリンタやカラーコピア系がメインの展開だったが、今回は一転して、デジタルカメラ一色の展示となった。

 同ブースには、先だって発表されたばかりの超小型200万画素ズーム機「IXY DIGITAL」と、CMOS素子搭載の本格派デジタル一眼レフ「EOS D30」が並んでおり、自由に手にとって、その感触を試すことができる。IXY DIGITALは発売直前であり、9月発売予定の「EOS D30」も、当面、大型イベントがないため、実機の感触を確かめられる数少ないチャンスといえる。

 また、「EOS D30」の大型CMOSセンサーの現物やカメラの内部構造に関する展示、さらに、実写プリントも公開されており、同機の購入を考えている方は必見だ。

 もちろん、いずれの機種もブースでの人気はきわめて高く、手にするにはかなり待たなければならない状況だった。


●カシオ

 カシオは、腕時計型デジタルカメラ「WQV-1」の実機が出展され人気を博していた。もちろん、従来からのQVシリーズや、6月に発売が延期された300万画素単焦点機「XV-3」も出展されており、水着モデルを撮影することもできる。また、同ブースでは130万画素8倍ズームの「QV-8000SX」が意外な人気を集めていた。


●シャープ

 シャープは今回、液晶を中心としたブース展開で、メビウスやザウルス系がメインだ。そのなかで、発売が6月に延期された130万画素MPEG-4カメラ「インターネットビューカム Po Ke Vi」こと「VN-EZ5」が出展されていた。同機も、日本国内のイベントではあまり出展されておらず、発売前に手にすることのできる数少ないチャンスといえる。

 実機を見ると、従来の「VN-EZ3」のような気軽さとはかなり雰囲気の違う、本格的なモデルで、なかなか高級感もある。今回、ビデオ入力によるMPEG-4記録機能も搭載されているため、気軽に持ち歩けるビデオデッキ的な使い方もできるなど、いろいろな可能性を秘めたモデルとして注目される。


●NTTドコモ

 会場一の賑わいを見せるドコモブースでは、今後さまざまな展開が予想される、通信とデジタルカメラ機能の組み合わせによる新展開を感じさせる出展が数多く見られた。

 なかでも注目されるのは、キャメッセのポケットボード版といえる「キャメッセ ボード」だ。本機は参考出品であり、価格や発売時期は未定だが、これはかなり楽しめそうだ。

 写真でもわかるように、このモデルにはメールや各種機能設定用のモノクロ液晶と並んで、回転式の超小型カメラと画像表示用のカラー液晶が搭載されている。つまり、上部のカメラ機能を使って画像を撮影し、それを簡単な操作でEメールとして転送して楽しむことができるわけだ。自分で撮影した画像に、文字やスタンプなどを簡単に追加できる機能も備わっており、遊び感覚で気軽に画像を楽しめるツールとして、大いに注目される。

 また、同ブースではPHSを使った動画配信の紹介もあり、試作機とみられる専用端末とPHSを繋げてのコンセプト的なデモも行なわれていた。これは、iモードの発展系であり、いろいろなコンテンツプロバイダーからの動画配信をPHSで見られるというもの。現行の64Kタイプでも、画面サイズが小さいため、秒間10フレーム程度の動画配信が可能という。

 このほか、同ブースには、モバイル端末用のCFカードタイプの“Pin”的なデータ通信用PHS(32K/64K対応。Windows 95/98/2000用)も出展されていた。残念ながら、デジタルカメラのCFスロットを使っての通信については、ほとんど考慮されていないようだが、今後の展開次第では、デジタルカメラからダイレクトにデータ転送ができる可能性のある機器として注目される。

 また、オリンパスが、通信機能付きデジタルカメラ「C-21T.commu」のデモも行なっており、サーバー経由ながらもiモード携帯電話に画像を転送できる点をアピールしていた。


●J-PHONE


 J-PHONEブースでは、デジタルカメラ(FinePix)で撮影した画像を携帯電話に転送するデモをブースで展開。ビジネスシヨウ期間限定で、通常のサービスとして展開するわけではないと説明しているが、将来的には同様のサービスを考えているようだ。

 また、デジタルカメラ機能を備えたモックアップも数多く出展していた。いずれも、「Japan Telecom」のロゴが入ったもので、海外のイベントで出展されたものという。

 なかでも、興味深かったのが、折り畳み式のキーボード付きモデルで、完全なモック状態ながらも意外に実用性がありそうな印象だった。また、レンズ回転式の小型カメラを搭載したコンパクトな端末もあり、実用性と楽しさといった点から見ても、今後はこのようなレンズ回転式のデジタルカメラ機能搭載機が多数登場しそうだ。

(2000年5月24日)


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[Reported by 山田久美夫]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp