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NEW PRODUCTS TESTREPORT


ソースネクスト
携速2000

Windows 2000
DVD-ROMに対応した
仮想CD-ROMドライブユーティリティ

TEXT:正木堅児 Kenji Masaki



携速コントロールパネルでは仮想CDの作成やマウントが可能。マウント後はエクスプローラからも利用できる
仮想CDを作成する際に表示される設定画面。データトラックの圧縮や仮想CDファイルの保存先を指定する
 多彩なユーティリティ群をリリースするソースネクストから、仮想CDユーティリティ「携速」シリーズの最新版、「携速2000」が発売された。

 携速2000は、CD-ROMのデータをファイル化してHDDに保存し、仮想CDとして使用するためのユーティリティである。仮想CDは本製品をインストールすると使用可能になる仮想CD-ROMドライブにマウントすることで、エクスプローラなどから実際のCDと同様に扱うことが可能だ。また、CD-ROMドライブの数倍高速なHDDからデータを読み出すために処理の高速化も期待できる。そのため、CD-ROMドライブを常時携帯できないモバイル環境での使用や、複数の辞書CDを入れ換えなしで使用するなど、用途はさまざまだ。

 今回のバージョンでは、これまでのWindows 98/98SE/95に加え、新たにWindows 2000 Professionalに対応した。扱えるCDフォーマットは、通常のCD-ROMからオーディオデータを含んだミックスモードのCD-ROM、Macintoshのデータを含んだハイブリッドCD-ROMまでと多様な形式に対応。さらに本バージョンからDVD-ROM(DVD-VIDEOも含む)にも対応している。ただし著作権を保護するため、プロテクトの施されたCD/DVDの仮想CD化はできない。

 携速2000を使用する上で基本となるのが「携速2000コントロールパネル」である。ウィンドウは3分割されており、一番上には実際にマシンに接続されたCD-ROMドライブが表示される。中段は携速CDラックと呼ばれ、仮想CDファイルが並ぶ。一番下の段が携速CD-ROMドライブ(インストール時に作成した仮想CD-ROMドライブ)となっている。ファイル化したいCDを実際のドライブに入れ、ドライブウィンドウからラックにドロップすると仮想CDの設定ダイアログが起動する。このダイアログで設定を行ない、仮想CDを作成するとラックの中に仮想CDファイルが現われるので、これを携速CD-ROMドライブにドロップすると、通常のCD同様に利用が可能になる。


今回から音楽CDのMP3化に対応した。これによりミックスモードCD-ROMもコンパクトに仮想CD化できる
 仮想CD化時にはデータの圧縮、Macintoshデータの取り込み、またミックスモードCD-ROMの場合は音声フォーマットの設定が可能だ。MP3による音声圧縮にも対応し、非圧縮形式では1分あたり約10MBのファイルサイズを必要とするところを、CDクオリティの音質を保っても約1/10のサイズに圧縮できるため、HDDの空き容量を節約したいユーザーは重宝するだろう。なお、MP3化するためにはMP3コーデックがシステムにインストールされている必要がある。これは市販されているMP3エンコードソフトなどに付属するものだが、とりあえず使ってみたいという場合は、Microsoftが配布しているWindows Media Technologyにも含まれているので、これをインストールするとよい。また、仮想CD上の音楽CDとWAVファイルを同時に再生した場合、これまでの仮想CDユーティリティでは片方の音しか出ないケースがあったが、携速2000ではマルチチャンネル機能により同時再生を行なうことが可能だ。


携速CD-ROMファイル編集を使えばオリジナルの仮想CDを作成することも可能だ
 仮想CDを作成する際、使用しないファイルまで仮想CD化されてしまうと、HDDがムダに消費されていることにもなる。こうした事態を避けるために、携速2000はCDやHDD上の任意のデータを集めて仮想CD化する「携速CD-ROMファイル編集」機能も持っている。この機能により、必要なファイルをCD-Rに書き込んで、これを仮想CD化するといった手順を踏むことなく、オリジナルの仮想CDを作成できる。加えて、この仮想CDファイルをCD-Rライティングソフトがメディアに直接書き込み可能なISO9660形式のイメージファイルに変換することもでき、仮想CDをCD-R化することが可能だ。

 ジャンルとしては3、4年ほど前から確立されていた仮想CD-ROMユーティリティだが、CPUの高速化・HDDの大容量化によりその実用性は一段と増してきた。とくにこの携速は一早くWindows 2000環境やISO9660形式にも対応し、機能面が充実した製品となっている。使い方しだいで、効率的なPC環境を作ることができるソフトだ。


  • 製品名:携速2000
  • 標準価格:11,800円
  • メーカー:ソースネクスト株式会社
  • 問い合わせ先:03-5350-4899
  • URL:http://www.sourcenext.co.jp/
  • 対応OS:Windows 98/98SE/95/2000 Professional
    ■動作環境
  • CPU:Pentium 133MHz以上(Windows 2000使用時には166MHz以上)
  • メモリ:32MB以上(64MB以上推奨。Windows 2000使用時には64MB以上必須。128MB以上推奨)
  • HDD:5MB以上の空き容量

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □住友金属システム開発のホームページ
    http://www.sourcenext.co.jp/
    □製品情報
    http://www.sourcenext.co.jp/products/keisoku00/index.html
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    【3月21日】ソースネクスト、DVDやWindows 2000に対応した「携速2000」 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000321/source.htm


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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp