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E3 2000会場レポート コンシューマ編 その2

メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティの映像に押し寄せる人々

会期:5月11日~13日(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center



■混雑度ではメタルギアソリッド2とプレイオンラインが双璧

 人の群がるところには、何かしらの理由がある。これはE3の会場内でも同じ。E3では人の集まるパターンが2種類あって、ひとつは俳優やプロレスラーなどいわゆる有名人がやってきてサイン会などをやっているとき。そしてもうひとつが、展示されているソフト自体が注目作品のときである。コンシューマ編のその2は、何らかの理由で人の集まった場所に出展されていたゲームを中心に紹介している。

 KONAMIブースでは、一時間に一度「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」の映像を、ワールドプレミアと銘打って上映していた。ここへの人の集まり方は、はっきり言って半端ではない。開始時間が近づくと、どこからともなく人がやって来て、あっという間に通路がいっぱいになってしまう。通路にはみ出す程度ではなく、十字路になっている通路をすべてふさいでしまうほどで、上映中はそこの通路が通行不能になってしまうのだ。これが東京ゲームショウならスタッフが必死になって交通整理を始めるところだが、ここはアメリカ。わりと混雑に任せてしまっている。しかたなしに、ブースの反対側をぐるりと遠回りする人も数多い。また、向かいにはMicrosoftのブースがあるのだが、そこからKONAMIのスクリーンを見ている来場者までいる始末。およそ10数分の映像だが、上映中、時折歓声や笑いが漏れるほかは、皆食い入るように映像を見つめているのだ。そして、上映が終わるとまさに潮がひくように人垣が崩れ、何もなかったかのように通路が元の状態に戻るのである。この光景が一時間おきに繰り返されるのはかなり不思議な光景だ。

「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」の映像を見つめる人、人、人。前方にいるのは10分前ぐらいから来て待っていた人で、ちょっと遅れるとこの有様になる。撮影位置は十字路になった通路の対角に位置するRIPCORD GAMESのブースのなか。「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」は、PlayStation 2向けに2001年の秋に発売予定 Dreamcast版のAge of Empires IIを発表したKONAMI。以前契約が交わされた、PC向けの良質なソフトをMicrosoftからKONAMIへ、逆にコンシューマ向けのソフトをKONAMIからMicrosoftへという流れに沿ったものだ。同様にMicrosoftブースにはMETAL GEAR SOLID 1のPC版が出展されている。ブースも仲良くお隣同士だ

(C) 1999 Microsoft Corporation. All rights reserved. Terms of Use.


 もうひとつ、混雑が目立つのがSQUARESOFTのブース。Southホールの端に位置するのでそれほど交通の要所というわけでもないが、ここもスゴイ。先のKONAMIと違うのは、常に混雑が途切れないこと。その秘密はブース内のシアターで公開している最新映像。FFシリーズやパラサイトイブ、バウンサーなどの注目タイトルをはじめ、日本では1月に発表した「プレイオンライン構想」のコンセプト映像を上映している。プレイオンラインの映像内容は、テーマこそ同じだが、日本人だったキャストを自宅でプレイする米国人女性と、ロンドンでプレイする英国人ビジネスマン、そしてゲームセンターでプレイする強面の米国少年とに置き換えた内容になっている。このシアターに入場するための行列もできているのだが、シアター自体が半オープンな状態になっているので、立ち見でのぞき込むことができなくもない。そのため、行列に並ぶ人と立ち見を決め込む人でSQUARESOFTのブースは一杯になってしまうのだ。さらに間の悪いことに、シアターが半オープンになっている向かい側には、DreamcastでPlayStationのソフトが遊べるとして注目を集める「Bleem!」のブースがある。通路のなかほどでは、プレイオンラインをのぞき込む人とBleem!を見つめる人が背中と背中を合わせてせめぎあっているような状態が続いているのであった。

 ブースの設営次第で、混雑を内側へと抱え込むような格好になっているところもある。いわゆるCIで、販売するゲームをEA SportsとEA Gamesに統合したElectoronic Artsだ。最大手ディストリビューターとして長らく使われたきたEOAのロゴも、それに合わせて一新している。ここは、ブースのほぼ中央に大型のスクリーンを設けて、PlayStation 2対応のスポーツゲームを次々に披露。来場者をなかへと抱え込んで、そこから人々が離れるときに周囲に用意した他の試遊台へと振り分けるようになっている。

Electoronic Artsは、ブース中央にPlayStation 2に対応したタイトルの映像を上映する巨大なスクリーンを設置。米国では、本体と同時に発売されるラウンチタイトルにスポーツゲームは必須。10日に行われたPS2発表会で大きく取り上げられたのもうなずける 「MADDEN NFL 2001」。PlayStation 2以外に、同名のタイトルが、PlayStation向け、PC向け、NINTENDO64向けにリリースされる 「SSX」はPlayStation 2向けのオリジナルタイトル。EAは米国内の人気スポーツ選手をテーマにしたスポーツタイトルが多いなか、スノーボードのゲームはFIFA公認のサーカーゲームと並んで、日本向けにも発売しやすいタイトルだ
(C)2000 Electronic Arts Inc. All rights reserved


 他にも、注目を集めるブースやコンシューマ向けソフトは数多い。そのいくつかを写真とキャプションで紹介しているので、これらはまとめてご覧いただこう。

ステージイベントが始まると一気に熱狂するCAPCOMブース。司会者が「最高のゲームメーカーはーーー?」と叫べば、聴衆はすかざず「カプコーーーーーン!」で、Tシャツが乱れ飛ぶという仕組み。PlayStation 2対応の鬼武者の試遊台も順番を待つ人の列が絶えない カプコンからPlayStation対応で発売される「Dino Crisis 2」。E3に合わせて発表された アメリカ人はびっくりするほどパックマン好きだ。初お目見えから20年を過ぎた今でも新作が登場する。今回発表されたのは「MS.PACMAN MAZE MADNESS」。PlayStation向けに、2000年の9月発売予定
Capcom and Street Fighter are registered trademarks of Capcom Co., Ltd.Dino Crisis, Mega Man, Breath of Fire and Resident Evil are trademarks of Capcom Co., Ltd. All rights reserved. All other trademarks are property of their respective holders. PlayStation is a registered trademark of Sony Computer Entertainment Inc. Sega, Dreamcast and the Dreamcast logo are either registered trademarks or trademarks of Sega Enterprises, Ltd. Nintendo 64 is a trademark of Nintendo of America Inc.
いつの間にか、ヨーロッパ最大のディストリビューターに成長したINFOGRAMES。会場にやって来てみると「え、このブランドが!?」というところを傘下におさめていたりする。PlayStation 2向けのタイトルも数本発表している。写真は、サイバー感覚の爆走ゲーム「MOTOR MAYHEM」 オールドファンにはお馴染みの「ALONE IN THE DARK」もPlayStation向けに登場。PCなど、他のプラットホーム向けにも用意されるということで、会場内ではあちこちに垂れ幕やポスターによるPRが行なわれていた
iLINKを使った接続で、ネットワーク対戦を披露していた「UNREAL TORNAMENT」。SCEAのブースでは、バックヤードにあるiLINKのハブをつかって4人対戦も行なわれていた
Unreal Tournament, the circle-U logo and this web site are copyright c 1999, 2000 Epic Games Inc. Unreal is a registered trademark of Epic Games Inc. All rights reserved. All times listed are in Eastern Standard Time unless otherwise noted.
Jungle Bookをテーマにした、低年齢層向けのダンスゲーム。UbiSoftとDiseny Interactive双方のブースでデモが行なわれていた。PlayStation向けに2000年11月からワールドワイドでの発売を予定しているが、果たして日本市場向けは?
(C)Disny - Visual, release date and product names shown are of products in development and may be subject to change.

□E3のホームページ(英文)
http://www.e3expo.com/

(2000年5月17日)

[Reported by 矢作 晃]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp