E3 2000会場レポート やじうまハード編

会場：Los Angeles Convention Center

GAMEBOY用MP3再生アダプタ「SongBoy」。32MBのメモリを内蔵し、MP3やWMAなど様々なフォーマットをサポートする

　携帯ゲーム機は、その名の通りいつでもどこでも気軽にゲームを楽しめるということを目的に発売されている製品だ。しかし、中には携帯ゲーム機でゲーム以外のことをやりたいと考えている人がいるようだ。E3の会場でも、携帯ゲーム機用の、ゲーム以外のことを目的とする周辺機器を展示しているメーカーがいくつかあったので、それらをまとめて紹介しよう。

　携帯ゲーム機用のMP3アダプタはいくつかのメーカーが展示していたが、その中で最も完成度の高いものがSONGBOY.COMの「SongBoy」だ。内蔵メモリは32MBで、2スロット用意されているマルチメディアカードスロットを利用し最大96MBまで増設できる。再生エンジンにはTI製のDSPが利用されており（SONY VAIO Music ClipやRCA Lyraに利用されているものと同じもののようだ）、対応するフォーマットはMP3以外にWMAやWAVなど多数。ボイスレコード機能も用意されている。MP3データ再生中は、GAMEBOYの液晶画面にID3タグ情報を表示させたり、別途ダウンロードした画像ファイルを表示させたりできる。データはPCからUSB経由で転送する。このスペックを見る限り、すでに発売されているポータブルMP3プレーヤーと比較しても全く遜色なく、なかなか魅力がある。ちなみに、全く同じ仕様で、NEOGEO POCKETに取り付けて利用する「SongJones」もラインナップされている。価格は79ドルで、9月の発売が予定されている。

MMCスロットを2スロット搭載しており、最大96MBまでメモリを増設できる	再生中にはGAMEBOYの画面にID3タグ情報を表示したり画像ファイルを表示させたりできる	SongBoyと同等機能のNEOGEO POCKET用アダプタ「SongJones」も用意されている

GAMEBOY用のFMチューナーアダプタ。通信ケーブル用のコネクタに接続して利用する

　GAMEBOY用としてはFMチューナーアダプタも展示されていた。これはゲームスロットではなく通信アダプタ用のスロットに取り付けて利用する。ただし、FMを聞くときにGAMEBOYの画面に画像が表示されたり、GAMEBOYのスピーカーから音が出ることはない。つまり、GAMEBOYは電源を取るためだけに必要となるわけだ。これなら、本体に電池を入れればいいのではと思ってしまうのは筆者だけだろうか。

　NEOGEO POCKETを発売しているSNKのブースでは、SNK純正のMP3アダプタが展示されていた。こちらは、MP3再生機能だけでなく、ゲーム機能（デモ機では動作しなかった）や、環境音楽を再生したりラジオドラマを再生する機能も用意されている。内蔵メモリは現状では32MBだそうだが、今後増量の可能性もあるようだ。また、MP3再生時には、画面にSNKのゲームでおなじみのキャラクタが登場する。実際に製品の姿は見ることができなかったが、NEOGEO POCKET用ゲームカートリッジと同サイズになるそうだ。発売時期は2000年秋となっている。

SNKブースに展示されていたNEOGEO POCKET用MP3再生アダプタ。32MBのメモリを内蔵している	MP3再生機能だけでなく、ゲームやラジオドラマ機能なども用意されている	MP3再生中は、SNKゲームのおなじみのキャラクタが画面に登場しコミカルな動きを見せる

　最後にGAMEBOY用のE-mailアダプタだ。こちらは昨年のE3でPlayStationやNINTENDO 64用のモデムを展示していたInterActの「Shark MX」という製品。モデムを内蔵しており、専用のアクセスポイントに接続してE-mailの送受信がおこなえる。また、アドレス帳や電卓、アラーム機能なども搭載する。ただ、GAMEBOYに用意されている少ないボタンでの文字入力はかなり大変そうに感じる。ちなみにこれは北米向けの製品なので日本語の入力は不可能、アクセスポイントの関係で日本での利用もほぼ不可能といっていいだろう。

GAMEBOY用のE-mailアダプタ「Shark MX」。モデムを内蔵しており、GAMEBOYを利用してE-mailの送受信が可能となる	E-mailの送受信機能以外に、オートダイヤラーやアドレス帳、電卓機能なども用意されている

(2000年5月16日)

[Reported by 平澤寿康@ユービック・コンピューティング]