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E3 2000 会場レポート コンシューマゲーム編

プレイ可能なPlayStation 2を大量展示したSCEAブースには来場者が殺到

会期:5月11日~13日(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center



 世界最大規模といえるゲームの展示会「Electoronic Entertainment Expo 2000」(略称:E3 2000)が、現地時間の5月11日からスタートした。ワークショップはすでに10日から始まっているが、展示会場のオープンで、盛り上がりは一気に最高潮に達した。イベント自体は幅広く“エレクトロニック・エンターテインメント”を取り扱っているものの、やはりその中心は、PCやコンシューマ向けのゲーム。日本では「東京ゲームショウ」がお馴染みだが、E3はイベントとしての位置づけが異なる。東京ゲームショウはエンドユーザーを含めた幅広い来場者を受け入れるが、E3は流通をはじめ、開発、マスコミなど関係者のみが入場できる純粋なトレードショウとして成立している。また、18歳以下も入場することはできない。入場者数は、ここ数年3万から4万人程度で推移していたが、展示会初日の混雑状況から推測すると今年は大幅増の可能性もありそうだ。


■プレイ可能なPlayStation 2のタイトルが人気のSCEA

 11日(現地時間)に、PlayStation 2(以下、PS2)の北米発売日と価格を発表したSony Computer Entertainment America(SCEA)のブースは、WEST Hallの正面という位置取りもあって、オープン早々から来場者が殺到した。ブース中央には巨大なスクリーンを設置して絶え間なくPS2の映像を流し続けているが、定期的にこのスクリーンが左右に開き、その内部に用意されたシアターに来場者を招き入れるという凝った仕掛けもある。

 ブースにはおよそ200台程度の試遊台が用意されているが、PS2とPS1の比率はほぼ五分五分といったところ。SCEブランドで発売になるタイトルはもちろん、サードパーティ各社のタイトルが豊富に用意されている。なかにはDarkCloudや鬼武者など、日本国内では映像だけが公開されていたタイトルも、初めてプレイ可能な状態で展示されていた。また、まったくの新作としてパズル的な要素を含む3Dアクションアドベンチャーの「ICO(仮称)」が出展されている。ただし、展示されているタイトルの一部にはSCEヨーロッパがヨーロッパ市場向けのみに発売を予定しているものもあるとのことだ。PS1向けのタイトルもスパイロ・ザ・ドラゴンやクラッシュ・バンディクーなどお馴染みのキャラクターの新作をはじめとして健在。PlayStation市場を支えている。ちなみに試遊台に使われていたPS2は、昨日発表された米国仕様ではなく背面にPCカードスロットがある日本仕様の製品だった。

PS2の映像を流し続けるブース中央のスクリーン前は、いつも来場者で一杯。次にスクリーンが開いてシアターに入れる機会をいまかいまかと待ちかまえている カプコンから発売される「Onimusha : Warloads(鬼武者)」も体験プレイが可能。最新作だけあって、日本からの来場者の注目も集めている 「Onimusha : Warloads(鬼武者)」
    (C) 2000 Capcom Co.,Ltd.
モンスターを倒した経験や稼ぎをもとにして自分の街づくりができるということで、日本では“箱庭RPG”と紹介されていた「DarkCloud」も、いよいよ体験プレイが可能になった。試遊台は中央のシアター周囲に配置されており、SCEの注力がうかがえる 「DarkCloud」 SONY COMPUTER ENTERTAINMENT EUROPE(SCEE)が扱う「DRAKAN」。ファンタジーを背景にしたアクションRPGである。SCEEのタイトルのなかでも、この「DRAKAN」や「WIPEOUT FUSION」、「Formula One 2000」などはワールドワイドで発売される予定
  (C) 2000 SONY COMPUTER
ENTERTAINMENT
「DRAKAN」 DVDビデオの先進国であるアメリカであっても、家庭へのDVDプレイヤー導入はいまだ普及過程に過ぎず利益の見込めるマーケットだという。意外にもブース正面でのデモは、すべてPS2のDVDプレイヤー機能をアピールする内容
(C) 2000 SURREAL SFUTWARE /
(C) 2000 SONY COMPUTER
ENTERTAINMENT EUROPE


■混雑ぶりはナンバーワンのSEGA OF AMERICA

 北米でのDreamcast発売開始からおよそ8カ月が経過し、タイトル数ではもっとも充実しているのがSEGA OF AMERICAのブースである。展示会初日にもっとも混雑していたブースを挙げるとしたら、ここだという声も数多く聞かれた。やはり、すでに製品が販売されているという意味は大きいとあらためて感じさせられる。

 ブース内の試遊台は大きく3つに分類されている。ひとつは、現在のDreamcastのアドバンテージであるネットワーク機能でSEGA.NETを利用するオンラインゲームのエリア。そして、これはSEGAだけではなくすべてのブースについて言えることだが、大きなジャンルとして確立されているバスケットやホッケーなどのスポーツゲームのエリアがある。これらのエリアにあるゲームは、その性格上から北米で開発されているものがほとんどだが、メインのエリアでは日本でもお馴染みのタイトルが注目を集めていた。「サンバ de アミーゴ」や「Space Channel 5」などをノリノリでプレイするさまを見ていると、思わずこちらまで楽しくなってしまう。

 また、ブースの奥にはシアターが用意され、北米市場向けにSONIC誕生10周年を記念して発表された「SONIC ADVENTURE 2」をはじめ、「シェンムー」、「PHANTASY STAR ONLINE」、「BLACK AND WHITE」などの最新映像を楽しむことができるようになっている。このシアター入場を待つ行列は、長いときで30分以上にも達していた。

ブース入り口には、スポットライトで照らし出されるDreamcastのロゴマーク。タイミングによっては、ここの場所で記念のポラロイド写真を撮ってもらうことも可能 やはり米国人はノリがいいのか、大ウケしながら「SAMBA DE AMIGO」に興ずる。北米での発売は、2000年の秋を予定 「SAMBA DE AMIGO」
    (C) 2000 Sega of America
Dreamcast
2000年冬に発売される予定の「SONIC SHUFFLE」。SONICシリーズのキャラクターを使って複数のボードゲームを3Dアクションで楽しむことができる 「SONIC SHUFFLE」 ブース内のシアターで見ることができる「BLACK AND WHITE」。2000年冬に発売を予定するオンラインマルチプレイヤーゲーム
  (C) 2000 Sega of America
Dreamcast
日本国内でもデモ映像が公開されている「PHANTASY STAR ONLINE」。日本国内におけるオンラインゲームの起爆剤に成る可能性がある。2000年冬に発売予定 振り付けは大幅にアレンジされているが、海外でも“うらら”は健在。ステージでのダンスパフォーマンスでは男性のダンサーがブレイクダンスも披露。モロ星人までアクロバットを披露するなど、すべてにおいてパワフル
(C) 2000 Sega of America
Dreamcast


■キャラクターを生かしたゲームが中心のNINTENDO OF AMERICA

 ブース内のいたるところに看板キャラクターが勢揃いしているのが、NINTENDO OF AMERICA(以下、NOA)。今年は同社の巨大なロゴオブジェの上に、10月16日に発売されるGoldとSilver Versionに登場する新ポケモンがずらりと並んでいる。

 今年も同社と関係の深いRAREWAREの新作が発表されているほか、ミッキーマウスの3Dキャラクターをはじめてゲームに使ったレーシングゲーム「Mickey's Speedway USA」なども試遊台が用意されている。また、ポケモン関連では待望のGold、Silver Versionをはじめ、「POKeMON PUZZLE LEAGUE」や「HEY YOU,PIKACHU!」などの新作と、すでに発売中の製品がブース内の大きなスペースを割いて出展されている。

 ちなみに昨日の発表と同様、ブース内にはDOLPHINやGAMEBOY ADOVANCE関連の情報や展示は一切ない。

NINTENDOのロゴマークの上には、新ポケモンがずらりと勢揃い。ポケモンはすっかりマリオと並ぶ同社の看板キャラクターに成長した プレスリリースに(ジョークの)手配書が混じっていた「Conker's BAD FUR DAY」。これまでになかったクセの強いキャラクターが主人公。タバコをくわえたり、相手への攻撃にオシッコを使うこともあるなど、いろいろと問題が多いらしい。展示スペースもバーになっていて、入場にはIDカードの提示が必要だ 「Conker's BAD FUR DAY」
    (C) 2000 Rare Ltd. /
(C) 2000 NINTENDO OF AMERICA
INC.
思わず「PIKACHU!」と呼んでしまうのが、日本ではお馴染みの「ピカチュウ元気でチュウ」。米国での名称は「HEY YOU,PIKACHU!」。11月16日に発売予定 「HEY YOU,PIKACHU!」 ミッキーマウスなどのディズニーキャラクターを使って4人まで同時プレイがかのうなレーシングゲーム。クリスマス商戦シーズンに合わせて発売される見込み
  (C) 2000 NINTENDO OF AMERICA INC.
「Mickey's Speedway USA」 「The Legend of Zelda: Majora's Mask」、「Banjo-Tooie」、「DINOSAUR PLANET」がずらりと並んだ試遊ゾーン
(C) 2000 DISNEY INTERACTIVE /
(C) 2000 NINTENDO OF AMERICA INC.

□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/

(2000年5月12日)

[Reported by 矢作 晃(akira-y@st.rim.or.jp)]


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