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★ ゲームソフトインプレッション 特別編 ★

緊急レポート!「Diablo II」ワールドβテスト 前編

BLIZZARD ENTERTAINMENT
     
    Diablo II
  • ジャンル:オンラインRPG
  • 制作:BLIZZARD ENTERTAINMENT
  • 対応OS:Windows 95/98
  • 発売日:今夏リリース予定




 3年前のE3(Electronic Entertainment Expo)で製作が発表されて以来、多くのゲームファンから発売を待ち望まれていた大物中の大物ソフト「Diablo II」。たびたび発売が延期され、本当に今世紀中にリリースされるのか? との声も上がっていたが、いよいよこの夏にも発売される運びとなった。
 今回、我々は発売に先立って実施されているβテストに参加することができた。ゲームユーザーの注目を集めるこのソフト、さっそくその内容を2回に分けてレポートする。


■ 前作の“その後”がストーリー

Diablo II
 激戦の末、悪魔の王子“Diablo”を倒した勇者。Diabloのいた場所には、依りしろとなった人間の死体が横たわっていた。その頭部には、不気味な宝石が埋め込まれている。勇者はその宝石を手に取ると、しばし考えた後、おもむろに自分の額に突き刺す。周囲に広がる絶叫……。前作をクリアした人は、あの衝撃のエンディングが気にかかっていたはずだ。

 このまま宝石を放置しておくと、いずれまた誰かがDiabloを復活させてしまう。それを恐れた勇者は、自らの体にDiabloを取り込み、その復活を防ごうとしたのだった。しかし、Diabloの力は、勇者の想像を遥かに越えていた。結局、勇者というより強力な依りしろを得た悪魔は、さらなる強大な力を手にしたのだ。
 結局Diabloは、前作の舞台となったTristramを滅ぼし、西方へと移動を開始した。奴の通過した土地は、モンスターが徘徊する地獄と化す。このまま事態が変らねば、世界が破滅してしまうことは確実だ……。

■ マップは前作の実に4倍!

 今回の冒険は、Rogue Encampmentという盗賊集団の野営地からスタート。プレーヤーはここを拠点にしてマップを探索、クエストを達成していく。しかし、「Diablo II」のマップはとにかく広大で、探索とはいえども容易ではないのだ。

 前作「Diablo」では、マップの中心となるのは地下へ地下へと下りていくダンジョンで、地上マップはある意味おまけ的なものに過ぎなかった。それに対し、「Diablo II」では、地上マップがとにかく広いのだ。その広さたるや、敵と一切接触しないとしても、端から端まで移動するのに優に1時間はかかるほど。さらにいたるところに地下ダンジョンが存在しているのだから、そのすべてを踏破するのがいかに大変かは、容易に想像できるだろう。

 しかし、これだけで驚いていてはいけない。「Diablo II」は、4つのエピソードで構成されている。これだけ広大なマップも、全体から見るとたった4分の1に過ぎないのだ。最終的なクリアを目指すには、どれだけの時間が必要なのか? これは長く楽しめるソフトになりそうだ。

Diablo II Diablo II Diablo II
キャラバン内には敵は侵入してこない。しかし、一歩外に出ると、そこはモンスターが徘徊する世界なのだ クエストの中には、ストーリーを進める上で絶対に解いておかねばならないものと、そうでないものが存在する。しかし、経験値を稼ぐ意味でも、すべてのクエストを解くように心掛けたほうがいいだろう マップ上のところどころには、さまざまな効果を持つ泉やほこらが設置されている。前作をプレイした人にはおなじみだろう


■ “Waypoint”を活用せよ

Diablo II
新しい土地に侵入したら、まず最初に“Waypoint”を探すべきだ。そうすれば、後々の移動が非常に楽になる
 マップがこれだけ広くなると、移動はかなり大変。そこで活用したいのが、要所要所に用意された“Waypoint”というポイントだ。これは、いわゆるワープポイントで、一度そこを通過すれば自由にその場所に瞬間移動することができようになる。


■ 一新されたキャラクタ

Diablo II
 「Diablo」と比較して大きく変ったのが、登場するキャラクタだ。前作では3種類のキャラクタが用意されていたものの、各キャラの差別化はあまりうまくいってないという印象があった。もちろん初期の段階では大きな違いはあるのだが、ある程度成長すると、どのキャラも重い鎧を身に付け、強力な魔法を使えるようになってしまい、結局どれを選んでも同じという状態になってしまった。

 だが、「Diablo II」は違う。各キャラクタはどんなに成長しても、その個性は殺されることがない。その秘密は、新たに導入されたスキルシステムだ。前作では魔法を覚えるには、魔法書を読めばよかった。そのため魔法使いでなくとも、魔法を覚えることができたのだ。それに対して「Diablo II」では、魔法の類いはレベルアップ時にポイントを振り分けて覚えるという形式に変更されている。しかもこの魔法はあくまでキャラクタ固有のもので、他のキャラが覚えることは不可能となっているのだ。

 「Diablo II」には、以下の5種類のキャラクタが用意されている。それぞれの特徴をざっと見てみよう。

Necromancer
Diablo II Diablo II
 召喚魔法を覚えることが可能なキャラクタ。アンデット系のモンスターやゴーレムを呼び出したり、倒した敵を味方につけることができる。スキルレベルが上がれば召喚できるモンスターの数が増えるので、ひとりでもパーティーを組むことが可能だ
Necromancerのスキル
Diablo II Diablo II Diablo II


Amazon
Diablo II Diablo II
 素速さが信条のキャラクタ。投げ槍(ジャベリンなど)のエキスパートであるほか、唯一弓を使うことができる。ただしスキルレベルが低い段階では、矢を放つごとにスペルポイントを消費するため、メインの武器として弓を利用するのは厳しい
Amazonのスキル
Diablo II Diablo II Diablo II


Barbarian
Diablo II Diablo II
 体力自慢の戦士。移動速度はもっさりしているが、スキルレベルを上げることにより、武器の攻撃力を上げることができる。さらに、両手にそれぞれ別の武器を装備することができるのも、このキャラクタならではの特徴だ
Barbarianのスキル
Diablo II Diablo II Diablo II


Paladin
Diablo II Diablo II
 一定範囲内にいる味方の攻撃力を上げたり、防御力を上げたりする効果を持つ、Aura(オーラ)というスキルを身に付けることが可能な戦士。戦士というだけに、肉弾戦にも強い。パーティーにひとりいると心強いキャラクタだ
Paladinのスキル
Diablo II Diablo II Diablo II


Sorceress
Diablo II Diablo II
 魔法のスペシャリスト。電撃、炎、氷の3系統の魔法を覚えることができる。前作のSorcrer同様、序盤はかなりきついが、いったん上級レベルの魔法を身に付ければ、無類の強さを発揮してくれるキャラクタだ
Sorceressのスキル
Diablo II Diablo II Diablo II



■アイテムも新しくなった

 「Diablo」の楽しみ方のひとつに、希少アイテムの収集があった。今回も、通常のノーマルアイテムを始め、マジック、ユニーク、ソケットなど、様々な種類のアイテムが豊富に用意されている。いかにいいアイテムを手に入れて自分のキャラクタを強化するかが、当面の目的になるだろう。

 なお、「Diablo II」では、未識別のアイテムは装備できないようになっている。アイテムを識別するためには、“Scroll of Identify”という巻き物を読むか、あるクエスト終了後キャラバンに戻ってくる人物に鑑定してもらう必要がある。

マジックアイテム ユニークアイテム
Diablo II Diablo II
青い文字で表示されるマジックアイテムは、その名の通り、魔法効果を持つアイテム。“接頭語+基本アイテム名+接尾語”という形式で表現される。接頭語と接尾語には、それぞれ独自の魔法効果を示している 黄色い文字で表示されるユニークアイテムも健在だ。このアイテムは、複数の魔法効果を併せ持つものが多い。残念ながら今回のレビューでは、通常のアイテムと同じグラフィックを流用したものしかゲットできなかったが、前作同様、独自のグラフィックを与えられたものも用意されているようだ。ただし、前作以上に出現率が低いので、発見は難しいかも
ソケットアイテム グリーンアイテム(仮称)
Diablo II Diablo II
Diablo IIで新たに登場したアイテム。灰色の文字で表示されるこのアイテムには、意味あり気なソケットが用意されている。そこに魔法効果を持つ宝石類をはめ込むことにより、自分好みの魔法アイテムを作成することができるのだ もっとも謎に包まれているのが、緑色の文字で表示されるこのアイテム。複数の魔法効果を持っている点からして、一見、ユニークアイテムと同じようにも思えるが、なぜわざ文字の色を変更しているのか現状では不明


 アイテムを入手するには、以下の3つの方法が用意されている。まず最初は、キャラバンにあるショップで購入するという方法。「Diablo II」ではゲームスタート時点から、かなり良いアイテムがショップの店頭に並んでいる。ただし、強力なアイテムほどお値段が張るのは当然のこと。レベルが低く所持金が心許ないキャラクタでは、購入は厳しいだろう。
 第2の方法は、敵モンスターやマップ上の宝箱から入手するという方法。まあ、これが「Diablo」におけるアイテム収集の王道だろう。強い敵ほど強力なアイテムを落としやすくなっているので、積極的に強敵に挑んでいくべし。
 そして第3の方法は、他のプレーヤーから貰うという方法だ。通常は相手の欲しいアイテムと自分が欲しいアイテムを交換してもらうのだが、中にはただで優秀なアイテムをめぐんでくれる人もいる。チャットで“自分のアイテムはダメダメだぁ~”と叫んでいれば、善意のプレーヤーが声をかけてくれるかもしれない。
Diablo II Diablo II
ショップの在庫は豊富。頻繁に品揃えが変更されるので、こまめにチェックしたほうがいい 前作では、地面に落ちたアイテムの捜索はひと仕事だった。だが「Diablo II」では、プレイ中にALTキーを押すことにより、アイテムの存在を確認することが可能になっている。これは便利



■Battle.netの変更点

 Blizzard Entertainmentというと、同社の自前のサーバー、“Battle.net”を思い浮かべる人が多いはず。「Diablo」全盛期には、完全無料で運営されているこのサーバーに足しげくアクセスしたゲームファンも少なくないはずだ。

 そのBattle.netが大きく変る。従来のBattle.netは、対戦の場を提供するだけで、各キャラクタの情報は、それぞれのプレーヤーのパソコン上に記録されていた。これに対し、「Diablo II」では「Ultima Online」のように、キャラクタのデータをサーバー側に記録するようになったのだ。
 この変更は、主にチートプレーヤー対策のためだという。前作では、改造プログラムによりステータスを異常に上げたプレーヤーによるPK行為(プレーヤー・キラー)が、大きな問題となっていた。そうしたことは、いっさい不可能になるわけだ。それに、思わぬ効果もある。今回はβ版ということで、時折挙動が不審になることがあった。実際、筆者も40時間に及ぶプレイのうち、2度ほどマシンのハングアップを経験したのだが、いずれの場合もキャラクタのデータが失われることはなかったのだ。前作で度々キャラクタ喪失に泣いた人には、これは朗報だろう。

 なお、今回入手したβ版は、Blizzard Entertainmentのサーバー「Battle.net」を利用したオンラインプレイのみに限定されている。製品版では、LANプレイにも対応する予定だが、前作とは異なり、Battle.netモードとLANモードのキャラクタを共用することはできないようだ。

● キャラクタなどのさらにつっこんだ後編レポートは24日に掲載の予定です

□BLIZZARD ENTERTAINMENTのホームページ(英文)
http://www.blizzard.com/
□「Diablo II」のページ(英文)
http://www.blizzard.com/diablo2/
□「Diablo II」の最新ムービーダウンロードページ(英文)
http://www.gamespot.com/rpg/d2movie/index.html
□Battle.netのページ(英文)
http://www.battle.net/
□関連記事
【2月8日】BLIZZARD ENTERTAINMENT開発者インタビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000208/diablo.htm

(C)2000 Blizzard Entertainment. All rights reserved.

[Reported by 小笠原誠]

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