株式会社ソーテックは、ATI ALL-IN-WONDER 128を搭載したTV録画・再生PC「PC STATION M370AV」と、IEEE-1394やPCカードスロットを搭載したPC「PC STATION M366」の受注を開始した。

　直販価格はM370AVが168,200円（本体）、M366が143,000円（同）で、出荷開始はそれぞれ4月末、5月中旬に予定されている。なお、M370AVには17インチ平面CRTと15インチ液晶ディスプレイのセットモデル（198,000円/268,000円）が、M366には17インチCRTと15インチ液晶ディスプレイのセットモデル（168,000円/242,800円）が用意される。

M370AV、M360とも、前面の下部のシャッターを上げると、IEEE-1394（4ピン）と、USB、PCカードスロットが現われる

　M370AVは、ビデオカードにATI ALL-IN-WONDER 128を採用したことで、テレビ番組の録画や再生を実現。また、IEEE-1394ポートを背面と前面に設けたほか、DV編集ソフト「Ulead VideoStudio4」が添付されているので、DV編集も可能となっている。なお、前面にはIEEE-1394のほか、USBポート、PCカードスロットも搭載している。

　ドライブも、8倍速DVD-ROMドライブに加え、CD-RW（4/4/24倍速）を搭載。オンザフライでCD-ROMをコピーしたり、インストールされている「PowerDVD 2000」によりDVDビデオの再生も行なえる。また、HDDは40GB、CPUはPentium III 700MHzを搭載しており、基本性能も高い。

　テレビ番組の録画や予約については、市販のALL-IN-WONDER 128と同じ「ATI TVプレーヤー」を使用する。そのため、録画予約は地上波データ放送「ADAMS-EPG」や、インターネットを利用する「iEPG」には非対応となっており、手動で設定する必要がある。

　その他でもTVチューナーがステレオや音声多重に対応しないといった点などで、先行するソニーや日立、NECのTV録画パソコンと比べて見劣りする。しかし、独自機能を搭載せず、汎用品を集めて組み上げたことで、DVDとCD-RW両方を搭載して、17インチ平面CRTとセットで20万円切る低価格を実現したともいえる。

　M366は、従来機種「M360」から価格を据え置きながら、CPUをPentium III 667MHz（M360はPentium III 600MHz）に、HDDを30GB（同20GB）に強化したモデル。さらに、M370AVと同様にIEEE-1394を2ポートと、PCカードスロット1基を搭載し、DV編集ソフトUlead VideoStudio4、サウンド編集ソフトDigiOnSound Lightなどのバンドルソフトも追加されている。

　なお、M360では440ZXと3dfx Voodoo3 2000（16MB）の組み合わせだったが、M366ではビデオ統合チップセットIntel 810eに変更することでコスト削減を図っている。

●サポート専門会社「ソーテック・イー・サービス」を設立

株式会社ソーテック・イー・サービスの代表取締役社長に就任するB.Y.YOON氏	わずか1年で、出荷台数が10倍近く増加している

　発表会席上でソーテックは、この1年で半期の出荷台数が4万台から36万台と10倍近く増えたことで、サポートが追いつかなかったことを認め、今年の最大の課題はサポートの強化である述べた。そして、サポート強化の第1歩として、今まで株式会社トライジェムと分担して行なっていた、ソーテックユーザー向けヘルプデスクと、アフター・セール・サービスを統合して合弁で「株式会社ソーテック・イー・サービス」を5月1日に設立することを発表した。

　新会社設立にともない、ソーテックのテクニカルサポートは、ソーテック・イー・サービスに業務移管される。トライジェム コンピュータが米国、韓国市場で得たノウハウを利用して、日本市場に特化したサービスとサポートを提供していくとしている。

　ソーテック・イー・サービスの資本金は6億円で、出資比率はソーテック51％、トライジェム サービス24％、トライジェム コンピュータ20％、キョウデン5％となっている。サービス開始は6月1日、サポート時間は9時から18時まで、稼働日は350日／年が予定されている。なお、今のところ24時間サポートの予定はないという。

　発表会席上でソーテック・イー・サービスの代表取締役社長に就任する、トライジェムのB.Y.YOON氏は、「韓国の平均サポート顧客満足度が60～70％であるのに対し、トライジェムでは80％を得ている。それは、電話がつながる確立（コール・コネクション・レート～CCR）90％、ヘルプデスクで問題が解決する確立（ブロッキング・レート）80％を実現しているからだ」と、韓国でトライジェムのサポートが成功していることを強調した。

　現在ソーテックのサポート人員はアウトソーシングを含め約200人。ソーテック・イー・サービスでは設立時で約250人となる。また、現在のソーテックのCCRは30％だが、これを設立当初から70％以上、今年度中に80％以上、来年中ごろには90％を目指す。そのためにエージェントの増員、エージェントの質の向上、電話回線の増設などを進めていくとしている。

　また、2001年1月ごろから、インターネットを介してユーザーと同じ画面を使ってアドバイスするサービスも開始する予定。ソーテックでは「将来的にはカスタマーサービスを単独のビジネスとして成り立つようにしたい」という。

【主な仕様】

	【M370AV】	【M366】
CPU	Pentium III 700MHz	Pentium III 667MHz
チップセット	440ZX	Intel 810e
メモリ（最大）	128MB（256MB）	←
ビデオ	ATI ALL-IN-WONDER 128 16MB	Intel 810e統合
HDD	約40GB	約30GB
CD-RW	4/4/24倍速	←
DVD	8倍速	←
モデム	56kbps内蔵（V.90）	←
PCカード	1	←
IEEE-1394	S400×2	←
LAN	10Base-T/100Base-TX	←
OS	Windows 98 SE	←
主要添付ソフト	TV録画・再生「ATI TVプレーヤー」 DV編集「Ulead VideoStudio4」 画像編集・管理「Ulead PhotoExpress3 SE」 サウンド編集「DigiOnSound Light」 CD-R/RWライティング「Adaptec Easy CD Creator」 DVDプレーヤー「PowerDVD 2000」	DV編集「Ulead VideoStudio4」 画像編集・管理「Ulead PhotoExpress3 SE」 サウンド編集「DigiOnSound Light」 CD-R/RWライティング「Adaptec Easy CD Creator」 DVDプレーヤー「PowerDVD 2000」
外形寸法 （幅×奥行き×高さ）	190×370×360mm	←
出荷予定	4月末	5月中旬
直販価格	本体 168,200円 17インチ平面CRT（CP17K1）セット 198,000円 15インチ液晶（LT15K1）セット 268,000円	本体 143,000円 17インチCRT（CF17R1）セット 168,000円 15インチ液晶（LT15K1）セット 242,800円

□ソーテックのホームページ
http://www.sotec.co.jp/
□「M370AV」のニュースリリース
http://www.sotec.co.jp/News/2000/0418_m370av.html
□「M370AV」の製品情報
http://www.sotec.co.jp/Direct/M3/m370av_index.html
□「M336」のニュースリリース
http://www.sotec.co.jp/News/2000/0418_m366.html
□「M336」の製品情報
http://www.sotec.co.jp/Direct/M3/M366_index.html
□関連記事
【'99年10月6日】リアルタイムMPEG-2録画、番組予約もできるALL-IN-WONDER 128
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991006/hotrev29.htm

(2000年4月18日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]