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米AMD会長兼CEO W.J.サンダース氏記者会見
~最新のロードマップを公開~

4月5日開催



 日本AMD株式会社の設立25周年を記念して、米AMDの会長兼CEO W.ジェリー.サンダース氏の記者会見が都内で行なわれた。サンダース氏はAMDの創立メンバーの一人であり、30年以上に渡ってAMDを育ててきた重要なスタッフである。

 まず、サンダース氏は、日本市場においてAMDが高いシェアを獲得、AMD内でも日本市場の比率は9.3%に達し米国に次ぐ第2の市場となっていると述べた。さらに、1GHzの先行など技術的にもIntelをリードしていること、特許の申請数でもIntelを抜いたことなど、AMDの順調さをデータをもとに訴えた。また、その結果としてAMDの2000年第1四半期の売り上げが10億ドルを上回り、過去最高を記録する見込みであることを明らかにした。

AMD全体に占める国別の売り上げ比率
注:Othersの数字は33.9%が正しいと思われる
日本市場のシェア推移図。デスクトップは3割を越え、ノートも17%に達している 最新のロードマップ。K6系が消えすっきりとした。各プロセッサの発売時期が微妙に変わっている

 また、最新のロードマップを公開し、L2キャッシュがオンダイとなる「Thunderbird」は5月末~6月初旬に登場すると語った。Thunderbirdのパッケージは当初Slot A版のみで、Socket A版は第3四半期に遅れて登場するとされている。また、当初テキサスのFab 25製が登場し、ドレスデンのFab 30製は6月初旬になるという。銅配線となり高クロックが期待されるFab 30製Thunderbirdのクロックについては明らかにされなかった。

 同じくL2オンダイでバリューPC市場に向けた「Spitfire」は6月に登場とされており、パッケージはSocket A対応のみとなる。Pentium III対抗となるThunderbirdはAthlonブランドで、Celeron対抗となるSpitfireはAthlonとは異なる新しいブランドネームで登場することも明らかにされた。Athlonコアを改良した「Mustang」については、第4四半期の登場としている。

 質疑応答になってもサンダース氏はなめらかに応答、X-Boxを土壇場でIntelにさらわれたことについては「競争の激しい市場では、ある場合には勝ち、ある場合には負けるが、勝ち星を増やしていきたい」とかわし、Microsoftの敗訴については「Microsoftが負けたのはIT市場ではなく司法省に対してであり、市場におけるインパクトはない」と見通しを語った。さらに「Microsoftはブラウザ市場の65%を占めたことで独占とされたが、IntelはCPU市場では80%を占めている。ぜひ司法省がつっついていただければありがたい」とジョークまじりで述べ、笑いをさそった。

 また、Athlonをはじめとする同社の製品がPC市場向けに偏りすぎているのではないかという質問に対し「PCはIT市場におけるコア技術であり、ビジネスチャンスの場である」とPC市場の重要性を語り、「いわゆるインターネット端末(IA)については二次的なものと考えており、むしろサーバー市場に力を入れたい」と述べた。またCPU以外では富士通と共同で進めているフラッシュメモリ市場が、携帯電話などの好調を受けて順調であることも強調した。

□日本AMDのホームページ
http://www.amd.com/japan/
□売り上げ予測に関するニュースリリース
http://www.amd.com/japan/news/corppr/nr20082.html
□関連記事
【3月22日】AMD MPUロードマップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/amd/roadmap.htm

(2000年4月5日)

[Reported by date@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp