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東京ゲームショウ2000春会場レポート

【ゲーム機編】プレステはPS2へ移行中、Dreamcastはネットワークへ

会期:3月31日~4月2日(31日はビジネスデー)
   10:00~17:00

会場:幕張メッセ 1ホール~8ホール
 
 プレイステーション2が発売されて間もなく1カ月が経とうとしている。ソニーサイドにとっては移行期とも位置付けられる今回のゲームショウで、各社はどんな出展をしたのか? コンシューマ向けソフトを中心に紹介しよう。


■プレイステーション2向けもプレイステーション向けもバランスよくラインナップ

 プレイステーション2(以下、PS2)の出荷後、初のゲームショウを迎えるソニー・コンピュータエンタテインメントのブースは、PS2用の「TVDJ(ティービーディジェー)」とプレイステーション用の「スパイロ×スパークス とんでもツアーズ」を中心にした構成。ほかに同社から発売中のPS2ソフトの体験コーナーもあるが、ほとんどのスペースは前述の2作品に割かれており、PS2に関連する周辺機器などは展示されていない。しかし、ブース内のイベントステージで紹介されるビデオ映像のみの新作はPS2中心で、移行期のまっただなかという印象を強く感じる。

 またPS2対応ソフトのリリースを発表しているサードパーティ各社も、ローンチタイトルは一段落、近日中に発売が予定されている製品は、ある程度のプレイが体験できるものが増え、ユーザーの興味はこのゲームショウで初公開されることになる夏以降の新作へと移りつつある。とはいえ、「ドラゴンクエストVII」(5月発売予定)や「ファイナルファンタジーIX」(7月19日発売予定)といった大型タイトルも控えているなど、まだまだプレイステーションも健在。あらためてPS2に下位互換性を持たせたことの意味の大きさを思わせた。



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「パラッパラッパー」に続く新コンセプトの音ゲー「TVDJ(ティービーディジェー)」。
8拍子のリズムに合わせて、コントローラーに割り当てられた1拍から4拍のボタンを押してリズムを刻んでいく。出来不出来で、表示されるストーリーが変わっていくところがポイント。
巨大コントローラーが付いたデモ機のほかにも、数多くの試遊台を用意。成績優秀者はイベントステージにも出演できる
フロム・ソフトウェアのロボット対戦格闘「ARMORED CORE 2」。PS2向けに今夏の発売を予定している。通信対戦モードは、2台のPS2をi.Linkケーブルで接続することで実現。デモ機も実際に稼働していた。
現時点で発表されているなかでは、最も早く前面の拡張端子を利用するソフトになりそうな気配。なお、i.Linkケーブルは同梱されないので、必要に応じて別途購入する必要がある

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タイトーは、昨秋のゲームショウではビデオ映像のみの公開だった「電車でGO!シリーズ最新作(仮)」を、一部の体験プレイが可能な状態で出展した。
PS2対応で、2000年冬にDVD-ROMでの発売を予定している
プレイステーション向けに3rd MIXが発売される「Dance Dance Revolution」(2000年5月18日予定)。
ユーザー必携ともいえるフットコントローラーの改良版がコナミブースに出展された。従来モデルとの違いは別売だったクッションをジッパーで開閉できる本体内部に収納したことと、静電気が発生しにくいように表面素材を変更したこと。7月の発売を予定している
現時点では5月発売とアナウンスされているエニックスの「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」。前回に続いてブースの二階部分で体験プレイを実施中。前回は始まりの町と城の内部の探索ができたが、今回は待望の戦闘シーンが体験できる。一刻もはやくプレイしたいユーザーで数十分待ちの状態が続く。ちなみに、もう一方の雄、スクウェアの「FINAL FANTASY IX」は同社のブースでビデオ映像を公開


■ネットワークエンターテイメントに突き進むセガ

 一方のセガブースは、いまやDreamcast最大のセールスポイントとなったネットワークエンターテイメント一色といっていい展示となった。4月末から配布が始まる「ドリームパスポート3」や、6月に発売を予定している「Dreameye(インターネットデジタルビデオ&カメラ」を使ったテレビ電話など、様々なソリューションによる付加価値をDreamcastに加えようとしている。オンラインゲームでも、ユーザーの期待が大きい「PHANTASY STAR ONLINE」(2000年発売予定)のビデオ映像を公開するなど、大作から気軽なテーブルゲームまで幅広いラインナップを揃えつつある。あとは、サードパーティ各社がネットワークエンターテイメントへの意識をセガと同じレベルまで引き上げられるかが鍵になるだろう。

 ちなみに、セガブースで今回イチ押しのソフトは「ジェットセットラジオ」。同社が『マンガディメンション』と呼ぶ新感覚の3Dグラフィックを使ったストリートアクションゲームだ。そのグラフィックもさることながら、実際に操作していて楽しいというゲームの気品的な部分に満足感がある。



【ソフトウェア製品】
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セガブース正面でビデオ公開された「PHANTASY STAR ONLINE」。先頃発表された『SWATCH CEAT(インターネット時間)』に対応することで、全世界のユーザーが時間とプレイフィールドを共有できる 「ジェットセットラジオ」は、インラインスケートをはいたキャラクターが画面内を駆け回り、スプレーでチームのシンボルマークをペインティングしていくのがゲームの基本。
ライバルチームとのなわばり争いやポリスとのチェイスなど、ちょっととんがった舞台設定もユニーク
SNKの「COOL COOL TOWN(クルクルトゥーン)」は、ユニークなグラフィックを使ったリズムアクション。NEOGEO Pocket対応の「COOL COOL JAM(クルクルジャム)」とも連携できる。
じつは前述の「TVDJ」も、グラフィックのタッチが似ていて、これまでのリアル一辺倒から一転、2000年はこうしたマンガチックな3Dグラフィックが流行るのか? とも思わせる

【ハードウェア製品】
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Dreamcast背面のシリアルポートと携帯電話やPHSをつないで、インターネット接続を実現するケーブル。今夏発売が予定されている こちらはCATVとつないで、より高速なインターネット接続が利用できるLANアダプタ。本体に標準で付いているモデムとの排他利用となる。今夏発売予定

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ISDN回線を使うための、TAと接続するケーブル。あらゆる手段でインターネットへの道を開くことで、ネットワークエンターテイメントの実現をはかる ビジュアルメモリを使ったMP3プレーヤーも、モックアップながら公開された。これらの製品はいずれも参考出展のため、このままの形で製品化されるとは限らない


■携帯ゲーム機のシェアは拡大。出展タイトルも大幅に増加

 今回のゲームショウは、ワンダースワンやゲームボーイといった携帯ゲーム機向けのタイトルが増加しているのが特徴。さらに、ワンダースワンにインターネット接続機能などを付加するWonderGateの発売を間近にひかえ、急速に携帯ゲーム機のネットワーク端末化が進行している。

 また、写真撮影は不可ということだったが、コナミブースでは「モバイルアダプタGB」(任天堂が開発中のゲームボーイを利用した通信システム)に対応した「BeatmaniaGB ネットジャム」も参考出展された。ゲームをクリアすることでメールの内容が読める「ビートメール(仮)」や、最新ヒット曲のダウンロードなどさまざまなネットワーク機能が実現できるらしい。



【ソフトウェア製品】
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「ワンダーゲート」は、NTT DoCoMoより近日発売の予定。「ポケットファイター」や「ロードランナー」などお馴染みのゲームが多数ラインナップされている 「WonderWitch」はワンダースワンのプログラムツール。PC/AT互換機を使ってワンダースワンをプラットホームにしたツールなどを作ることができる。作ったプログラムはインターネット上や、ワンダースワンを直接つないで自由に配布することができる。夏に2万円程度で発売の予定

□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□東京ゲームショウ2000春のホームページ
http://www.cesa.or.jp/cesa/tgs/index.html

(2000年3月31日)

[Reported by 矢作 晃]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp