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Game Developers Conference 2000レポート第4弾
DirectPlay Voiceの詳細が判明

会期:3月8~12日(現地時間)

会場:サンノゼ・マケナリー・コンベンションセンター



■企業ブースのオープンは明日から……

 カリフォルニアにしては珍しい雨に見舞われた昨日とはうって変わり、多少雲は多いながらも穏やかな天候に恵まれた3月9日。GDC 2000の第2日が、滞りなくスタートした。もっとも、本日予定されているイベントは、昨日から引き続いて開催される各種レクチャーのみ。そのためか、会場となったコンベンションセンター内には、ある種のんびりした空気に包まれていた。明日のビル・ゲイツの基調講演及び各企業ブースのオープンを前にして、まさに嵐の前の静けさ状態といったところか。

昨日は雨のため撮影できなかったが、これがメイン会場となるサンノゼ・マケナリー・コンベンションセンターだ。思いのほか、小じんまりとしている 急ピッチで器材の搬入/設置が行なわれている展示エリア。今夜はほぼ完徹で作業が実施されるらしい



■DirectPlay Voiceの詳細が判明

 昨日レポートしたDirectXの新機能のうち、特に目玉とされているSpeech API(SAPI)“DirectPlay Voice”の詳しい情報が発表された。
 このDirectPlay Voiceは、インターネット上やLAN環境上のマルチプレーヤーゲームにおいて、ゲームに参加する各プレーヤーが音声でコミュニケーションを取る事を可能にするシステム。ゲーマーのみなさんはご存知だろうが、音声コミュニケーションを取り入れたゲーム自体は、すでにいくつかリリースされている。だが、それらのタイトルは各ソフトハウス独自の技術によって開発されていたため、音声コミュニケーションが広く一般化することはなかった。しかし、その技術がAPIとして提供されるとなると、話は変わってくる。もしかしたら、ほぼすべてのゲームソフトが音声コミュニケーションに対応、なんて時代がやってくるかもしれないのだ。

 DirectPlay Voiceは、8KHz、16ビットモノラルの音声圧縮コーデックをベースとし、環境に合わせて使用するバンド幅を選択することが可能になっている。用意されているバンド幅は、12、24、32、64kbps、以上の4パターン。このうち最低レベルのバンド幅は、低速モデムユーザーやネットのトラフィック時を想定したもので、転送データを可能な限り抑えることができる。それに対して最高のバンド幅である64kbpsを利用すると、ほぼ実音に近い音質でのコミュニケーションが可能となるという。なお、CPUの使用率は、Pentium 200MHzのマシンでエンコード時に8パーセント、デコード時に4パーセント(最低バンド幅の場合)と発表されている。

 Microsoft側では、音声コミュニケーションの導入によって、インターネットを媒介としたマルチプレーヤーゲームは新しい次元に導かれるとしている。確かに、従来のキーボードによる文字入力と比較すれば、音声による意思伝達は、ゲーム自体の操作に専念できるうえ、臨場感もより高いものになるだろう。ただし、英会話が苦手な日本人としては、これが一般化すると、海外のゲームサーバーに参加しづらくなってしまうのでは、などといらぬ心配もしてしまうのだが。

□GDC 2000のホームページ
http://www.cgdc.com/
□関連記事
【3月2日】「Microsoft GAMESTOCK 2000」
Microsoft、最新ゲームコントローラと開発中のゲームを一挙公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000302/games01.htm

(2000年3月13日)

[Reported by 小笠原 誠]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp