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プレステ2発売記念 試用レポート

~ ビデオCDとMP3はやはりだめ、テクスチャ補間は効果あり ~


 ということで、とうとう発売されたプレイステーション2。PC Watchでもレポートしているとおり、秋葉原や新宿、渋谷では大変な人出となった。

 プレイステーション2は専用のゲームが発売されることはもちろんだが、プレイステーション用のゲームができる下位互換性や、DVDプレーヤー機能など、それ以外の面でも注目されている。

 そこで、今回はひとまず個々の詳細な機能や、性能は置いておいて、“速報試用”レポートして大まかな機能、つまり「プレイステーション2では何ができて、何ができないのか」に絞ってお伝えする。

 なお、詳細な機能や、個々のゲームソフトなどにについては、追ってPC Watchでのレポートを予定している。



■■やはりビデオCD、MP3には対応せず ■■

 プレイステーション2の最大の特徴はやはりDVDビデオが再生できることだろう。実際、PC Watchのアンケートでも「DVDプレーヤーとして使える」ということを購入理由に上げる人が75%もいたほどだ。

 そこで気になる(?)のが、ビデオCD(VCD)が再生できるかだ。ユーザーからも「VCDは再生できるのかという」疑問が多かった。プレイステーション2はVCD対応と明記されていなかったが、一般的なDVDプレーヤーのほとんどが、VCDに対応しているため、再生できるのではないか? と考えていた。

 しかし、実際にVCDを入れてみると、「PlayStationまたは、PlayStation2規格のディスクではありません」と画面に表示され、認識されなかった。

 ちなみに、地域コード2以外のDVDビデオも試してみたが、やはり再生できなかった。

 また、ソニーのグループ会社だからまず対応していることはないと思ったが、物はためしとMP3ファイルの入ったプレスCDをいれてみた。すると案の定、「PlayStationまたは、PlayStation2規格のディスクではありません」という画面がまたもや表示された。

【結論】
プレイステーション2は、マニュアルにあるとおりPlayStationおよび2のCD、PlayStation2のDVD、音楽CD、地域コード2またはコードなしのDVDビデオにしか対応しない(少なくとも現時点では)



■■テクスチャ補間は効果あり。読み込み高速化はさらに検証が必要 ■■

 プレイステーション2はプレイステーション用ゲームを遊ぶ場合にも、特典がある。それが、「テクスチャマッピングの補間処理」と、「ディスク読み込み速度の高速化」だ。
 テクスチャマッピングの補間処理(いわゆるアンチエリアシング)は、ジャギーを滑らかにする処理。ディスク読み込み速度の高速化は、文字通りの機能だ。これらの機能は、効果のないソフトや、異常終了するものがあるとされ、デフォルトはどちらもオフになっている。

 そこで、どれほどの効果があるのか、手元にあった「GRAN TURISMO2」で試してみた。それが以下の写真だ。サムネールでは、ほとんど違いがわからないので、大きな画像で見比べてほしい。

 まず、初代のプレイステーションと、プレイステーション2の補間OFFの間には、若干の色味の違いがあるが、画質の差はない。しかし、プレイステーション2で補間ONにすると、明らかにジャギーが減っているのがわかる。特に青空のグラデーション、雲の輪郭、路面のテクスチャで顕著だ。ただ、こうやって静止画にすると違いがはよくわかるものの、実際にゲームをプレイしている時には、違いがほとんど感じられなかった。

初代プレイステーション
(SCPH-1000)
プレイステーション2
【補間OFF】
プレイステーション2
【補間ON】

 ディスク読み込み速度の高速化についてもGRAN TURISMO2で試してみたが、結論から言うと効果は実感できなかった。読み込み時間を手動のストップウォッチで計測してみると、デモストレーションを読み込んで画面が出るまで、プレイステーションは約11秒、プレイステーション2で高速化OFF時には約9秒半、高速化ON時も変わらず約9秒半となった。プレイステーションとプレイステーション2には僅かに差があったが、高速化ONとOFFには差が認められないという結果となった。

 そこで、今度はもう少しロード時間の長い、コースを選択してからグリッドが表示し終わるまでの時間を計測。その結果プレイステーションは約15秒半、プレイステーション2で高速化OFF時に約11秒半、高速化ON時に約11秒となり、僅かながら差がでた。ロード時間が長いほど効果があるようだ。

 ただし、この結果はあくまで手元のGRAN TURISMO2で計測しただけなので、ソフトや、ディスクの状況により大きな効果が得られる可能性もある。その点については、更なる検証が必要だ。

【結論】
テクスチャ補間はとりあえずON、ディスクの高速化はもっと検証が必要


■■プレイステーション2のゲーム機らしくないところ ■■

主電源スイッチ。まずこれをONにする必要がある 前面のスイッチはリセットスイッチも兼ねている。現在LEDは緑色で、稼動中だ

 プレイステーション2には、今までのゲーム機にない特徴がいくつかある。まず、購入して起動する際に気がつくのが、主電源スイッチがあることだ。説明書を読まないで、今までのゲーム機感覚で起動しようとする、絶対にまごつくはず。

 起動するには、まず背面にあるシーソースイッチで主電源を入れる。そうすると、前面の電源スイッチのLEDが赤色に点灯、さらに電源スイッチを押すとLEDが緑色に変わって、起動する。この電源スイッチはリセットスイッチも兼ねており、短く押すとリセットがかかり、2秒以上押していると電源が切れるようになっている。

 このあたりは、ビデオデッキやテレビなどと設計が近く、おそらく今後発売すると明言している、赤外線リモコンや、タイマー設定などを使うことも念頭においた設計と思われる。

本体付属のユーティリティCD。DVDプレーヤーのほか、オンライマニュアルなども入っている オンラインマニュアルには、紙のマニュアルには入っていない詳細な操作方法が書かれている

 次に今までのゲーム機にないものとして、付属するユーティリティディスクがある。これにはDVDプレーヤーのプログラムのほか、オンラインマニュアルが含まれている。もちろん紙のマニュアルも付いているが、こちらには設定などについては簡単に書かれているだけで、詳細についてはオンラインマニュアルを参照となっている。そのため、細かい設定内容などについては、ユーティリティディスクを見ないとわからない。

 また、ユーティリティディスクには、DVDプレーヤーのテスト用に1分間のMPEG-2ムービーも入っている。ビットレートが高めに設定されているらしく、美しい海中散歩が繰り広げられる。

 プレイステーション2は、出荷時に付属のメモリーカードにDVDプレーヤーが入っているため、ユーティリティディスクを開封しなくても、ゲーム機としてもDVDプレーヤとしても何の支障もなく使えるが、一度ユーティリティディスクを中身をのぞくことをお勧めする。

【結論】
とりあえず、紙のマニュアルと、オンラインマニュアルには眼を通しておこう


■■メモリーカードの互換性には注意したい ■■

上がPocketStation、下が新しくなったメモリーカード。新しいメモリーカードは上部の溝の数が減っている。
これによりプレイステーション2にはプレイステーションのメモリーカードが入るが、プレイステーションにはプレイステーション2のメモリーカードが入らないようになっている
「リッジレーサー ファイブ」のセーブ領域を作ったら406KBとなってしまった

 プレイステーション2のメモリーカードスロットは、プレイステーション用、プレイステーション2用両方のメモリーカードに対応している。

 そのため、プレイステーション2で遊んだプレイステーションのゲームデータを、プレイステーション2用のメモリカードにセーブできると勘違いしがちだ。しかし、プレイステーション2用ソフトのデータはプレイステーション2用メモリカードに、プレイステーション用のソフトはプレイステーション用メモリカードのみにしかデータがセーブできない。

 ここで問題となるのが、プレイステーションを持っていなくてプレイステーション2を購入した人だ。そういった人がプレイステーションのソフトを購入する際には、別途プレイステーション用のメモリーカードを購入する必要がある。プレイステーション2用メモリカードにセーブできると思っていると、データがセーブできない羽目に陥るので注意したい。

 なお、本体の(メディア)ブラウザで、プレイステーション用メモリーカードと、プレイステーション2用メモリーカード間で相互にデータをコピーすることはできる。それを利用してプレイステーション2用メモリーカードの圧倒的な大容量(8MB、プレイステーション用メモリーカードの60倍以上)をバックアップ用に使うことは可能だ。

 ということで、今回新しく8MBと大容量になったメモリーカードは、管理方法も今までのブロック(8KB)という単位ではなくKB単位に一新された。8MBは今までのブロックで換算すると約千ブロックとなり、当分は買い足す必要がないかと思ったが、プレイステーション2のゲーム「リッジレーサー ファイブ」のデータをセーブしてみると、プレイステーション用メモリーカード3枚以上に相当する406KBとなった。

 このサイズだと8MBに20個程度しか入らないので、結局今までのメモリーカードと感覚はあまり変わらないかもしれない。

【結論】
プレイステーション用ゲームには、プレイステーション用メモリーカードが必要

(C)1999 Sony Computer Entertainment Inc.

□「プレイステーション2」のホームページ
http://www.scei.co.jp/ps2/index-j.html
□関連記事
「プレイステーション2 関連記事リンク集」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000221/ps2i.htm

(2000年3月4日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp