■■ 注意 ■■
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あんまり分解と関係ないけど、プレイステーション2と、その父親にあたる(ソフトウェア開発用マシン)「DTL-T10000」(2百万円!)を並べたところ。
LEDの配列、配色が同じだったりするところがオチャメ。 DTL-T10000が巨大なマシンに見えるが、実際はプレイステーション2が小さいからDTL-T10000が巨大に見える |
所有者である(自腹で購入した)スパニッシュ船津は涙目になっていたが、「読者にニュースをお届けする」ことを使命とするわれわれは“しかたなく”横からかすめとり、分解を開始した。
と、以上のように思いつきで掲載した「Dreamcast発売記念! 購入・分解記」は、当時のアクセス数の最高記録を更新、ブッチ切りのトップになった。
そして'99年2月、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が「次世代プレイステーション」の基本仕様を公開、その驚愕のスペックに世間が驚いていると、9月13日に正式名称が「プレイステーション2」となり、詳細が発表された。
その直後から、読者やメーカーの方、果ては社内からまで「次はやっぱりプレイステーション2を分解するんだよね」という暖かい言葉をいただくようになり、その圧力は発売が近づくにつれ、どんどん強くなった。特に、発売直前に行なった、プレイステーション2のアンケートのご意見欄には、想像を超える数の「分解してください」とか、「当然分解するんですよね」とか、「分解して、うだうだ言ってください」という書き込みがあった。
もちろん、これだけの期待に応えなければ、メディアの存在価値はない。ということで、なんとか発売日に入手しようとして、予約のためにさくらやホビー館に徹夜で並ぶ、徹夜でプレイステーション・ドットコムでリロード、クリックしまくるなど、思いつく限りのあらゆる手段を講じた。
その結果なんとか、プレイステーション・ドットコムで当日着の予約ができた。そして、3月4日午前8時40分、佐川急便の“プレイステーション2 特別トラック”(佐川談)が編集部の入っているビルに到着。佐川の配達員がやってきた。
免許証などの身分証明書が求められるなど、普段の宅配便では考えられないものものしさのなか、受領書にサインをして、PS2の青箱が入ったダンボール箱を受け取った。
はやる気持ちを抑えて一度深呼吸してから、プレイステーション2を取り出して、おもむろに分解を開始した。
もったいなくて、4万円もするプレイステーション2を、徹夜で並んで購入したプレイステーション2を、分解なんかできない、でも中身を、「Emotion Engine」を、「Graphics Synthesizer」を、見たいという読者のために、PC Watch恒例(?)の“分解記”を写真たっぷりでお届けする。
最初にプレイステーション2を見たときに感じたのは、「想像より小さい」ということだ。実際に見るまでは、一般的なビデオデッキと同じぐらいの横幅があるものと思っていたが、二周りは小さい。
などという、外観の観察はそこそこに、早速本体を裏返す。しかし、そこにはネジの頭はどこにも見当たらない。というのも、計10本のネジ穴にはそれぞれカバーがつけられいて、その存在が隠されているのだ。そのカバーを1個ずつ開けていくと、そこにプラスネジ(#2)の頭が現われた。ここで驚いたのが、普通のプラスネジが使われていたことだ。かなり高い確率でトルクスなどの特殊なネジが使われていると予想していただけに、拍子抜けしてしまった。
プレイステーション2は小さな直方体に、大きな直方体が乗っているデザインだが、内部の構造もデザインどおりに分かれている。大きな直方体がDVD-ROM・電源ユニット部、小さな直方体がメインボード部だ。その間は4つのケーブルと、1つのコネクタで結ばれるほか、巨大なヒートシンクがメインボードからDVD-ROM・電源ユニット部に貫いている。
実際に分解してみると、メンテナンス性を考えたためか、かなり分解しやすいことがわかる。ほとんどのユニットがネジどめされている上、そのときにはずすべきネジに矢印がついているため、ほとんど戸惑うこともない。組み立てるときも同様だ。ただし、ネジを使えば使うほど、コスト(部材、工賃など)が上がるわけで、以降の製品ではネジではなくはめ込み式になる可能性もあるだろう。そうなると、分解の難易度は高くなる。
プレイステーション2の裏面。全てのネジはプラスチックのカバー6個、ゴムのカバー4個で隠されている。 分解はこのカバーをはずすことから始まる |
カバーはこのようにゴム製(左)、プラスチック製の2種類が使用されている | 外側のケースは、計10本のネジで固定されている |
フラットケーブルのコネクタは、跳ね上げ式。無理やり引っ張るとコネクタが壊れてしまう | メイン基板の表面。巨大なヒートシンクが搭載されている | 「Emotion Engine」と、「Graphics Synthesizer」は黒いゴムの部分に密着し、そこからヒートパイプでヒートシンクに熱が伝えられる |
メイン基板の表面の全景。AVマルチ、光オーディオ、USB、i.LINK、PCカードといったほとんど全てのインターフェイスがここに集約されている | 時計機能用と思われる電池も、ちゃんとプレステロゴ入りのものが使用されている | 搭載されているチップのほとんどに、SCEIの刻印がされている。 型番を見ると他社製と考えられるものでも、ロゴを入れているようだ |
USB×2と、i.LINK端子×1が搭載されている。i.LINKはS400対応。 | メイン基板を取り外したDVD-ROM・電源部。右下の横長の隙間にメイン基板のヒートシンクが通る | DVD-ROM・電源部の上部のケースを外したところ。右に見える大きなコンデンサなどがついているのが電源基板だ |
今回は本体の分解だけではあきたらず、付属のコントローラ「DUALSHOCK 2」も分解してみた。今までの「DUALSHOCK」は、プレイステーションの本体色にあわせてオフホワイトだったが、DUALSHOCK2は、プレイステーション2の本体色に合わせて黒色となり、重厚感が増している。
また、内部的には従来はステイックのみだったアナログ入力が、セレクト、スタートボタン以外の全てのボタンで対応したことが注目される。ただし、当然ながらプレイステーションのソフトでは、アナログ入力はステイックのみの対応となる。
DUALSHOCK 2を裏返すと、6本のプラスネジ(#0)が見える。このネジをはずすだけで分解できる ちなみに、MADE IN KOREAとなっている |
裏蓋をはずすと、基板や振動用のモーターが現われる。 パッと見は左右対称のようだが、実際は左右のモーターの大きさが違っているなど非対称だ |
スティックのボリューム部。スティックを動かすと、このボリュームが連動して位置情報を出力する |
L1/2、R1/R2ボタンをはずしたところ。このゴムスイッチのシートは、組み立てる時に位置取りが少し難しい | スタート、セレクト以外はアナログ入力に対応しているが、見た目では通常のゴム接点のスイッチと変わりがない。 おそらく感圧式のスイッチになっていると思われる |
最後に、もちろん付属のメモリーカードも分解した。これで、ケーブル以外は、プレイステーション2のパッケージで分解できるものは、すべて分解したことになる。
メモリーカードは下位互換性はなく、完全にプレイステーション2専用。そのかわりメモリ容量が8MBと、今までのメモリーカード(120KB、15ブロック)の実に68倍以上となったほか、転送速度も250倍を実現している。また、認証・暗号化技術「MagicGate」にも対応した。
□「プレイステーション2」のホームページ
http://www.scei.co.jp/ps2/index-j.html
□関連記事
「プレイステーション2 関連記事リンク集」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000221/ps2i.htm
【'98年11月27日】「年末特別企画」Dreamcast発売記念! 購入・分解記
~買ってすぐ分解してみました~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981127/dc.htm
(2000年3月4日)
[Reported by soba@impress.co.jp / furukawa@impress.co.jp]