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CeBIT 2000会場レポート

やじうま編


会場:Hannover Messe

開催期間:2月24日~3月1日

 CeBIT 2000はイベントの規模自体が非常に大きなこともあり、PC以外の話題も事欠かない。このレポートではPCに関係しないヤジウマ系の話題をお伝えしよう。


●6月の万博に向けて急ピッチで建設中のHannover Messe

 CeBIT 2000の会場になっているHannover Messeはドイツで(おそらくヨーロッパでも)最大級の展示会場だが、実は現在でもまだ建設中の部分がある。その部分は今年の6月から開催されるEXPO 2000(ハノーバー国際博覧会)に向けて工事中の部分だ。既に多くのパビリオンも建設が進んでおり、骨組みなどの姿を遠目に確認することができた。

 これに併せてインフラの整備も進んでおり、ドイツの国鉄であるDBの「Hannover Messe Laatzen」駅も'99年は工事中だったのに、今年は既に完成していた。ハノーバー市内を走る路面電車(一部地下鉄)の駅もDBの駅とは反対側の出口付近に完成しており、CeBIT参加者は、CeBITのバッチを見せるだけでタダで乗ることができるようになっている。

6月の万博を目指して急ピッチで建設が進むHannover Messe ハノーバー市内各所とHannover Messeを結ぶ路面電車。一部は地下鉄として走る


●ホテルの整備にはまだ課題を残す

 そうした万博に向けて急ピッチで準備が進んでいるハノーバー市なのだが、初日のレポートでも書いたように、宿泊施設の絶対数がまだまだ足りていない。かなり前に予約しようとしてもハノーバー市内のホテルを予約することは難しい。仮に予約できたとしても、一泊5万円以上というレートになり、しかもそれを一括前払い(かつ払い戻し不可)という状況になっている。ハッキリ言って異常だ。もともと絶対数が足りていないのだから、市場原理に基づいてこうなるのは致し方ないのだが、泊まる方としてはとてもじゃないが手が出ないというのが正直なところ。そこで、どうするかと言うと多くの来場者は一般家庭へのホームステイというのが次の手段になる。しかし、これも門限があったり、電話が使えないなどの問題点があり、どうしても連絡がとれるようにしておく必要があるコーポレートユーザーにはできない相談だ。

 それで、どうするのかと言えばハノーバーは諦めてほかの都市に泊まり、毎日電車で通うのだ。例えば筆者は、ハノーバーから170km近く離れたブレーメン(あのブレーメンの音楽隊で有名な街だ)にあるホテルに宿泊している。ここでは、ハノーバーで5万円以上したホテルよりランクが上のホテルに泊まっても2万円以下で、さらに安いホテルに泊まることも可能だ。

 ブレーメンからハノーバーまではドイツの新幹線にあたるICE(InterCityExpress)が走っており、それを使えば約1時間ほどで「Hannover Messe Laatzen」駅に到着する。日本で言えば静岡あたりに泊まって東京の展示会に通うようなものだ。この時期には「Hannover Messe Laatzen」駅まで一週間有効なチケットが販売されており、それを利用すれば日本円で1万円程度で毎日通うことができる。

 ちなみに、ほかのメディア関係者の中にはさらに遠いハンブルグやフランクフルト(2時間以上かかる)に宿泊してハノーバーまで通ったという人もいたりと皆四苦八苦している。来年はなんとかして欲しいものだ。

ドイツの新幹線ICE ドイツではドアは乗客が手動で開ける。知らないと最初は「ドアが開かない!」と戸惑うことになる


●E-Powerの「なんちゃんてiMac」が「なんちゃってe-One」として復活?

ちなみに、大字での製品名は「D@eBox」となっていた。スペックの方も少しアップデートされていて、PC EXPOではCeleron 400MHz搭載となっていたのが、こちらではFC-PGAのPentium IIIにも対応となっており、単なるデザイン変更という訳ではないようだ
 '99年6月にニューヨークで開かれたPC EXPOに、iMacに似たデザインのPCが出展されていたことを覚えておられるだろうか?(覚えてない人は、「PC EXPO 展示会場レポート~ やじうま in PC EXPO ~」をチェック)その後、FuturePower(とその開発元である大字)はAppleからデザイン盗用(「米Apple、「iMacのデザイン盗用」とFuture Powerを提訴」)で提訴されたが、その後その裁判がどうなったのか話題になることもなく、すっかり話は忘れ去られていた(と筆者は思っていた)。ところが、CeBIT 2000でその「なんちゃってiMac」が復活を遂げたのだ!

 とにもかくにも写真を見て欲しい。これは大宇(DAEWOOO)という韓国のPCメーカーのブースに展示されていたもので、PC EXPOで展示されていたのは色も白に青のツートンカラーで、見るからにiMacだったが、デザインは同じで今回はシルバーメタリックにブルーメタリックというツートンカラーに変更されていた。そう、偶然の一致なのか狙ってなのかはわからないが今度はソーテックのe-One風になっている。つまり「なんちゃってe-One」になってしまったのだ。おそるべし大字!


CeBIT 2000は1週間に渡り開催されているので土曜と日曜にも開催される。土曜、日曜はとにかく人が多く、全く前に進めない。とても写真を撮るどころの騒ぎではなく、取材するのにも一苦労だ。また出展者側も「土日はビジネスにならない」と嘆くことしきり 数あるノベルティグッズの中でも大人気だったのがこの風船。あちこちのブースで風船を配っており、とにかくたくさんの人がこれを持っていた。特にPanasonicの携帯の風船、Xeroxマークの風船は実に目立つのでメーカーのよい宣伝塔になっていた。風船代だけで宣伝要員を雇ったようなもので、メーカーの作戦勝ちか?

COMDEXは20歳未満の入場を認めていないが、CeBITにはそうした制限がないため、家族連れを多く見かける。特に土日は家族連れが非常に多く、みんなメーカーが配布するノベルティグッズをゲットするのに一生懸命 着ぐるみが多いのも欧米のショーの特徴。ちなみにCPUの人はNationalSemiconductorの人 とある台湾メーカーのブースに展示されていたカラフルなPCIスロット。確かに面白いが、ケースに入れちゃうとなんでも同じだと思うのだが……

車はVAIOロゴが描かれたベンツ。ずっと入り口近くにただ止まっていました。もう1つは髪の毛までVAIOな女性。C1を使って来場者を撮りまくっていた

最近はF1チームのスポンサーになるハイテクメーカーが多いことを反映して多くのブースでF1カーが展示されていた。IMATION、Brother、Deutsche Postと3社と最も多く展示されていたのがJordanチームのマシン。今年からWilliamsチームのメインスポンサーになったCompaq Computerは同チームのマシンを展示。Williamsのマシンのノーズには「Intel Inside」のロゴまでついていた。果たして何が搭載されているのだろう?

□CeBIT 2000ホームページ
http://www4.cebit.de/index_e.html

(2000年3月1日)

[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp