会場:幕張メッセ 北展示場 9HALL
株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)は発売前にプレイステーション2を体験できる展示会「PLAYSTATION FESTIVAL 2000」を19日、20日の両日、幕張メッセ北展示場9ホールにて開催する。18日は、一般公開日に先駆け業界関係者に向けて公開された。このレポートではビジネスデー向けに企画された久夛良木健SCEI社長の講演や、プレイステーション2の起動画面や各種マシン設定について解説する。ちなみに、ビジネスデーの来場者数は8,000人で、ほぼゲームショウの半数にあたる。
■ 最初の1分間に10万ヒット! 「ほんとうに申し訳ない」と久夛良木社長
講演を行なった久夛良木健SCEI社長。タマゴは投げつけられなかったが、かけたい“言葉”を持っていた人はたくさんいるはず。挨拶なので残念ながら質疑応答はナシ |
久夛良木氏は開口一番、「プレイステーション2の発売を直前に控え、数多くのソフトが同日発売されることに関し、クリエイターやソフトメーカーの努力に感謝します」と発言。今回の展示会に参加した数多くのメーカーや、そのほかのサードパーティに向けて感謝の言葉を述べると共に、3月4日に発売されるソフトの質についても「驚きを隠せないすばらしい完成度」と表現した。
引き続き「互換性をもって(プレイステーションのソフトウェア資産を)引き継ぐことは、色々な思い出も詰まっているし、大きな意義がある」とコンシューマゲーム業界初の試みに対して自身の決断を称えたが、一部のソフトウェアが動かない問題については、以後の対策なども含め全く言及されなかった。
このあと、いつも通り生産が順調である旨が告げられ「販売店に向けて出荷台数は通知している。これまで我々を支えてきた小売店にはかなりの商品を流すことができる」とこれまで通りのコメント。
そして、プレイステーション・ドットコムに関する説明が行なわれた。久夛良木氏は「私もその場にいたのだが、我々がこれくらいは来るだろうと予想していた以上のアクセスがあり、システムダウンを起こしてしまった。ユーザーのみなさんにはほんとうに申し訳ないことをした」と“お詫びのコメント”から入った。「システムはIBMと共同で構築したが、最初の1分間で10万ヒットのアクセスを記録し、システムの一部がダウン。その後手直しをして再度スタートしたが、ピーク時は1分間に40~50万ヒットを記録しており、これまでにない記録的なこととなった」と状況を説明し「今日はタマゴを投げつけられるかと思って来たが、鋭意頑張っているのでお待ちいただきたい」と締めくくった。
最後にDVDプレーヤーとしても優れていることをアピールして久夛良木氏の挨拶は終了した。
■PS2は開発の難しいハード?
このあと、カプコンやテクモなどサードベンダーによる新作発表が行なわれた。この中で特に注目されるのは、噂が流れていたテクモ「DEAD OR ALIVE 2」のプレイステーション2への移植だろう。「DEAD OR ALIVE 2」は現在アーケードゲームとしてゲームセンターで稼働中だが、Dreamcast互換のNAOMI基板で開発されている。そのためDreamcastへの移植は考えられたのだが、ライバル機種への移植と言うことでかなり衝撃的に思えた。ステージで公開されたデモはすでに実機で動作しており、3月には発売予定ということで開発はかなり進んでいるようだ。
このほかで印象的だったのは、各クリエイターのプレイステーション2に関する印象で、こういった場なのでよい面を強調するのは当然だが、とにかく「開発が難しい」というコメントが目立った。バイオハザードの次回作を開発中のカプコンは「現在開発中のソフトは半分も機能を使っていないが、とにかくチップが難しいので開発は大変苦労している。バイオハザードに関しては背景も含めフルポリゴンでいこうと考えているが、これが難しい」と開発の困難さの一端を伺わせた。
■ プレイステーション2の起動画面、各種設定画面も公開
引き続き“SWITCH ON プレイステーション2”と題し、プレイステーションの細かい仕様について公開された。まず起動画面だが、キューブがたくさん浮かぶ宇宙の中をカメラ視点が移動しながら英表記の社名ロゴが表示される。ここで注目されるのは、なんと各種状況によりこの起動画面が変わるというもの。遊んだ回数や時間などで変わってくるようで、キューブの数が多くなったり、光球体が飛ぶ画面が公開された(ただ基本的には宇宙空間で全く違う画面にはならないようだ)。
ちなみにゲーム起動時には、これまでは“P”と“S”が組み合ったプレイステーションのロゴが表示されていたが、プレイステーション2からはフワッとシンプルな「PlayStation 2」ロゴが表示されるだけである。
プレイステーション2は本体背面にメインスイッチがあり、このスイッチを入れることで表面にある電源スイッチがグリーンに、ローディングスイッチがブルーに点灯する。そして電源スイッチを投入すると、メニューが表示される。ひとつは“システム設定”でもう1つが“ブラウザ”。
システム設定は、時刻設定、コンポーネント映像出力設定、光デジタル出力、画面比率(4:3、フル、16:9)、言語(日本語、英語)がある。プレイステーション2のOS画面では12本の水晶の棒が回転する画面に海のさざ波がBGMとして流れるが、じつはこの水晶の棒が時計を表わしているのだという。言われないと気づかない程度のささやかな機能だが、なかなか美しい画面で好感が持てた。
この水晶が時計を表わしている。光が巡り刻々と変わっていく水晶画面。BGMは波の音 | システム設定画面。これはコンポーネント映像出力画面 |
そしてブラウザだが、なにもInternetに接続するわけではない。媒体(DVD-ROM、CD-ROMなど)やメモリーカードなどなにがセットされているかが表示されるのだ。メモリーカードのコピーなどもこの画面で行なわれる。プレイステーション2用DVD-ROMはシルバー、プレイステーション2用CD-ROMはブルー、従来のCD-ROMはブラックと実際の媒体の色に準じて表示されるほか、プレイステーション2専用メモリーカードと従来のメモリーカードもグラフィック的に描き分けられている。
このほかにも、読みにくくなった媒体を調べる“自動診断”、プレイステーション用CD-ROMの読みとり速度を高速化したり、テクスチャマッピングの補間処理を行ないグラフィックを美しくみせる“プレイステーションドライバ”といったハードウェア設定項目もある。ただし、プレイステーションドライバ機能を変更した場合、起動できないソフトもあるという。
会場の入り口近くにはミニステージが組まれ、映画「マトリックス」を例としたDVDプレーヤー機能の説明がされている |
■ 会場には周辺機器も展示
会場にはアートディンクの「A列車で行こう6」やコーエーの「決戦」、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「グランツーリスモ2000」など27種類のソフトが展示されている。1つのソフトに約20台近い私遊台が設置されている(ソフトによっては4台といったものもある)。
プレイステーション2用ソフトのパッケージ。斜めでわかりづらいが、DVDビデオと同様の少し縦長のパッケージ | 3月4日発売のコナミのドラムマニア。ドラム・コントローラとギターフリーク用コントローラでセッションしているところ |
会場のあちらこちらには、プレイステーション2のパッケージ一式が展示されている。また、入り口近くには別売の縦置き用スタンド、横置き用スタンドを始め周辺機器の展示が行なわれているほか、ソフトウェアのパッケージも展示されている。ゲームショウなどでも展示されていたように、プレイステーション2用ソフトはDVDビデオと同じ少し縦長のパッケージを採用している。
プレイステーション2本体のパッケージ一式 | プレイステーション2の箱。現在販売中のものとあまり変わらない。色は青一色のシンプルなもの | プレイステーション2用周辺機器も展示。マルチタップ、メモリーカード、そしてスタンド |
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□プレイステーション・ドットコムのページ
http://www.jp.playstation.com/
□PLAYSTATION FESTIVAL 2000のページ
http://www.scei.co.jp/event/psfesta/menu.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000218/ps2_1.htm
【2月18日】速報:プレイステーション・ドットコム、1時半現在予約できず
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000218/ps2.htm
(2000年2月18日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]