会場で配布されたプレイステーション・ドットコムのサービス概要図

　株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント（SCEI）は3日、都内で記者会見を開き、セブン-イレブン・ジャパン、カルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）、デジキューブ、ハピネット、およびゲームメーカー7社（※1）と提携を結び、ゲームソフトなどをネットワーク上で販売する「プレイステーション・ドットコム」を2月18日から営業開始すると発表した。

※1：株式会社エニックス、株式会社カプコン、株式会社コーエー、コナミ株式会社、株式会社スクウェア、株式会社ナムコ、株式会社バンダイ

完成商品が展示された

　SCEIの久夛良木健社長は「PlayStation 2を幅広い層のユーザーに大量に販売するために、速やかにプレイステーション・ドットコムをパートナーと立ち上げたい」と意気込みを語り、「順次取扱品目を増やしていき、将来的には情報発信を行ない、ビットコンテンツの直接配信を検討、準備していく」と将来に向けての抱負も披露した。また価格について「市場が決めることではあるが、柔軟な価格設定に挑戦していきたい」とした。
　また、PlayStation 2の生産状況についても触れ「部品もそろい3月4日に向けて順調にフル生産している」という。ただ、アナウンスされている初回ロット100万台のうち何パーセントをプレイステーション・ドットコムで販売するかとの質問に対しては明言を避け「販売店のことや、プレイステーション・ドットコムに関しても回線の問題もあるので、まだ検討中だ。ただ、PlayStationの時は10万台だったことを考えると、相当数のユーザーが手にすることができるのではないか」と歯切れの悪い返事に終わった。

　記者会見に出席した各社もプレイステーション・ドットコムへの抱負を語り、セブン-イレブンの鈴木敏文社長は「セブンドリーム・ドットコムとの組み合わせも考えていく」という。CCCの増田宗昭社長も「当社の会員の半数がPCを持っているし、もっとゲームを強化していきたい。PlayStation 2がキチンと世に出るならば、DVDユーザーが増えるということで大変期待している」と語った。
　このほかバンダイの高須武男社長は「ワンダースワンもプレイステーション・ドットコムで販売したい」という。

　1月29日にeコマースへの参入を表明したスクウェアの武市智行社長は「我々のPlay Onlineは完全にコンテンツ側（FINAL FANTASY）から企画されている（ので違うもの）。通信インフラの早期実現などプレイステーション・ドットコムと協力できるところは数多くある」と語り、デジキューブの鈴木尚社長も「三社でいい関係としてやっていきたい」と説明した。
　また、2月1日にソニーが発表したeコマースサイト「Sony Style」との関係については「Sony Styleはソニーの提案するスタイルを広めていくもの。我々は外部のパートナーやユーザーと育てていく、より広いプラットフォーム」として違うものである点を強調した。
　このほかにも質疑応答で小売店との関係については、「競合ではなく両社が融合し違ったメディアとなる（久夛良木社長）」と説明。CCCの増田氏は「ネットで欲しい商品を見つけた人の90％以上が、近所の小売店に足を運んで購入している。ユーザーはすぐに商品を手に入れたいと考えているのではないか」と小売店との棲み分けが出来ることを強調した。

SCEIの久夛良木社長を中心に、端から端まで社長が12人、ズラリと並んだ。さすがにこれだけの顔ぶれが揃うことはあまりないだろう

(2000年2月3日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]