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DVDベースの新型ゲーム機「NUON」、ついに製品化へ
~ Samsung、東芝がCESで実機を展示 ~


2000年1月6日(現地時間)


 3DゲームもできるDVDプレーヤー「NUON」がついに製品化される見通しだ。NUONは、米VM LABSが以前「Project X」というコードネームで開発を進めていた、DVDにグラフィック機能や、オーディオ機能を搭載することで、双方向のDVDコンテンツや、3Dゲームを楽しめるように開発された技術。各メーカーが、この技術のライセンスやプロセッサの供給を受け、NUON対応プレーヤーを製造することになる。

 NUONのコアとなるのが、NUON Media Processorだ。スペックシートによれば1,500MIPS以上で、ベンチマーク(種類は明記されていない)でPentium II 500MHz~1GHzと同等の性能を示したとしている。これをベースとして、ファームウェアでMPEG-2の再生や、双方向を持たせたコンテンツに対応。また、オーディオではDolby AC-3、DTSに加え、DVD Audio、MP3も再生可能だ。外部インターフェイスはHDDやモデム、プリンタ、IEEE-1394などが搭載可能で、ファームウェアを改良することで、さらに追加もできるようだ。また、ライブラリとしてOpenGLをサポートするなど、3Dゲームの開発環境も用意されている。

 NUON対応プレーヤーは、2000 International CESで東芝が参考展示を行なったほか、Samsungが10日(現地時間)付けで、「All-in-one DVD Player(愛称:Extiva)」を発表。Extivaのリリースには、NUON対応とは明記されていないが、発表・発売時期や、性能を見る限りNUON対応であると思われる。米国では東芝が2000年前半に、Samsungが3月にExtivaを499ドルで投入する予定。しかし、いずれも日本での発売は未定だ。

 DVDベースのゲーム機としては、日本では「PlayStation2」が3月から発売される。PlayStation2はゲーム機でDVDビデオが再生できるというイメージの製品であるのに対し、NUONはDVDプレーヤーでゲームが遊べるという印象だ。CD-ROM時代にはCDに双方向性を持たせた「CD-I」という規格があったが、それに近いともいえる。ただし、NUONは3D性能が高く、ゲーム機としての性能も高い点が異なっている。

 こういった製品の場合、用意されるコンテンツが重要になるが、NUONのページでは現在のところ3Dゲーム6本のスクリーンショットが掲載されている。

スペックシートのパネル 2000 International CESでは、NUONのリファレンスデザインなどが展示され、実際にゲームなどが動作していた。右の写真のゲームは「Merlin Karting」。

リファレンスモデルは、天版がアクリルになっており、「NUON Media Processor」とおぼしき、NUONロゴ入りチップが見える

東芝では2000 International CESで、ディストリビューターとプレス向けにNUON対応プレーヤーを公開した。日本での発売などについては未定だ

□NUONのホームページ(英文)
http://www.nuon-tech.com/
□NUON対応ソフトのスクリーンショット(英文)
http://www.nuon-tech.com/screens/index.html
□Samsung「All-in-one DVD Player」開発のニュースリリース(英文)
http://www.samsung.com/news/sec0110.html
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【'98年9月16日】Motorola、家庭用マルチメディア端末「Blackbird」発表
高速ネットワーク通信、DVDなどをサポート(Internet Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/980916/blakbird.htm

(2000年1月12日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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