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2000年のパソコン市場はどうなる?
メーカー先取り情報で秋葉原パソコン市場を予想!



■ 今年も大予想!

 昨年も行なった市場予想。昨年もいろいろと変化がありましたが、今年もさらに激動の時代となるかもしれません。少しでも読者の皆様の指標になればと思い、今年も市場動向の大予想をしてみたいと思います。なお、この予想は筆者の経験と独断によるものなので、外れるかもしれません。ただし、昨年の予想もかなり当たっていたので(外れた部分もありましたが)結構自信があります……。結果は今年の年末に振り返ってみましょう。


【CPU】1GHz CPU&AMDが市場を席巻か?

2000 International CESのCompaqブースで展示されていた強制冷却のAthlon 1GHz搭載PC
 昨年登場したCPUの最高クロック周波数は750MHz。発表されたCPUのクロック周波数は800MHzでした。すでにご存じのように1GHz CPUの登場は間近かもしれません。1GHz突破は大きなインパクトとしてユーザーに受け入れられ、人気がでるでしょう。昨年の秋葉原は、世界でもいち早く最新CPUが登場する場となりましたが、今年も新製品が多数発売され、秋葉原にも登場すると予想されます。

 昨年の大きなトピックスといえば、AMD Athlonプロセッサの登場です。今までハイエンドCPUとしてはIntelしか選択肢の無かったパソコンに、新しい風が吹きました。しかしながら、海外ではCompaq、IBMなど大手メーカー製のAthlon搭載システムがあるのに、日本では秋葉原を中心としたDIY市場を中心とした限られたマーケットのみでの登場でした。しかし、今年はAthlon搭載システムがたくさん登場するかもしれません。アメリカでも今年に入ってGatewatyがAthlonシステムを発売するなどすでに大きな動きがありますが、日本でも大きな動きがあるかもしれません。


【HDD】さらなる大容量化は進むか?

 昨年の売れ筋は7,200回転/分のHDDとなり、容量は20GB前後が主流となりました。今年もHDDメーカー各社は30GBや40GBと大容量化を進める予定となっていますが、市場はそこまで必要としないでしょう。30GBや40GBを個人や、企業の端末的PCとして使用することは現時点ではありません。2月に発売されるWindows 2000でもOS本体で使う容量は数百MBのままです。HDDメーカーからは大容量製品が発売され、秋葉原の店頭に並ぶと思われますが人気の容量は20GB前後に集中すると予想されます。
 ただし、HDD容量をたくさん使うキラーソフトまたはハードが、安い価格で登場すれば状況は一変する可能性を秘めています。たとえば昨年登場した、TVチューナーを内蔵しMPEG-2などでHDDに録画するシステムなどです。動画を一般個人が手軽に録画するとなると必要な容量は一気に増えるはずです。ここら辺がHDDの大容量化が進むかどうかのポイントとなりそうです。


【RAM】どうなる新規格メモリ

日立が'99年末に発表した256Mbit DDR SDRAMチップを搭載した512MBモジュール
 昨年登場し注目を集めながらも、全く売れなかったRambusメモリは一部ハイエンド用途を除きあまり目立たなくなるでしょう。昨年は激しい値動きはあれども安泰だったSD-RAMが今年も安定して売れると思います。ただし、VIAの次世代チップセットがサポートする「DDR(Double DataRate) SDRAM」が夏前には登場しそうです。果たして性能は出るのか? 価格は安いのか? 供給は十分なのか? など課題はありますが、期待できる新製品です。ショップにとってはメモリの標準が別製品に切り替わると大きな需要が生まれ、全体の売り上げに寄与します。期待して待っていようと思います。


【チップセット・マザーボード】差別化されるマザーボードと互換チップセット

'99年末にGiga-Byteが発表した青色マザーボード
 '99年のチップセットはIntel 820の不発もあり、大きな新製品が出ませんでした。440BXチップセットベースのマザーボードが相変わらず人気でしたが、チップセットが同じなので個性的な差別化を図ってくるマザーボードが増えました。今年もより個性的な機能等を搭載し差別化してくるマザーボードは増えそうです。マザーボードの色も通常の色だけでなく、黒や赤、青のように出てきましたが基板の色はまだ何種類か作れるようなので別の色のマザーボードも出てくるでしょう。機能的にはよりオーバークロックに傾斜したものが増えてくると思われます。どこまで斬新な機能のマザーボードが出てくるかが楽しみです。

 今までの日本のDIY市場ではIntelチップセットが圧倒的人気を誇っていましたが、今年はVIAのチップセットにも注目が集まるかもしれません。色々とおもしろいチップセットが増えそうで、マザーボードメーカー各社もチップセットにあわせたマザーボードを数多く予定しています。昔のような互換性の疑問点もほとんどなくなりつつありますので、今年は人気が出るかもしれません。


【CD-R/CD-RW/CD-ROM/DVD】DVDドライブとComboドライブ

 昨年はDVD-ROMドライブが個人向けには一気に普及しました。今年はさらにDVD-ROMドライブが主流として市場に出ると予想されます。また、低価格パソコンにも採用が増えるでしょう。昨年はほとんど普及しなかった企業向けのパソコンにも搭載されてくるかもしれません。

 CD-R/CD-RWドライブは完全にCD-RWドライブに人気が移ってくると思われます。また、昨年後半から登場してきたCD-RWとDVDの両方が使えるComboドライブは、昨年末もかなり人気でしたが、さらに人気が高まると思われます。人気があるCD-RWとDVD-ROMが両方サポートされるComboドライブは製品の種類も増えると思われますし、低価格に導入できることから、アップグレードユーザーを中心に選択するユーザーが増えそうです。


【デスクトップパソコン】Windows 2000搭載機が主流に?

 もっと安くなると思われたパソコンも昨年はあまり安くならず、10万円未満のパソコンの種類が増えただけでした。ただし、大手メーカーが参入したことにより市場は広がりましたが、今年はより加速することが予想されます。すでに発表しているメーカーもありますが、多くのパソコンメーカーが10万円未満のパソコンに注力していくことが伺えます。

 今年注目される大きな出来事はWindows 2000の登場です。多くのメーカーがWindows 2000をインストールしたパソコンを出荷してくるでしょう。従来のWindows NTが持っていた企業向けのイメージから、個人向けの市場にも入っていくようです。ただし、Windows 98が無くなるわけではなく、個人向けには相変わらずインストールされて出荷されていくと思います。筆者はそれほど急激なWindows 2000への移行は起きないだろうと予想します。


■ 秋葉原のショップ業界、厳しい年になるか?

 CPUはAthlonの台頭によりおもしろくなってきましたが、その分ショップとして品揃えしなければならない商品の数が一気に増えました。また前述のように各カテゴリの商品ともに製品の幅が広がり、ショップとして在庫をそろえる必要のある商品の種類が今年はさらに増えてくるでしょう。特定のメーカーに偏った品揃えですとお客さんは納得いかないですし、ひいてはお客さん離れを起こしていきます。品揃えはショップとして非常に大事な部分です。しかし品揃えを増やそうとすれば、たくさん在庫をしなければいけない。しかもすべてが100%必ず売れるというわけでもありません。たくさん在庫を持つには資金力が勝負となります。さらに悪いことに価格競争は昨年からさらに激化していくことが予想されます。利益率も極端に落ちてきていることから、在庫をたくさん持てて、たくさん売ることができるだろう力のあるショップにだんだん淘汰されていくかもしれません。ここ最近の秋葉原の動きを見ると、今年はさらに波乱の一年となるかもしれません。どうなることやら……。

[Text by AMUAMU]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当pc-watch-info@impress.co.jp